2025年10月24日放送 22:00 - 22:54 テレビ東京

ガイアの夜明け
【野菜高騰の秋〜レタス農家とアキダイの挑戦〜】

出演者
長谷川博己 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

野菜高騰の秋
客・小売店・農家が悲鳴

9月中旬横浜市、野菜の品揃えが豊富なスーパーを覗くと大根1本税抜きで299円など野菜がどれも割高。原因の1つが異常気象、特に夏の猛暑は野菜の成育不良を引き起こしている。野菜の価格は、この5年間で約30%値上がりしている。東京・練馬区にあるスーパーアキダイ。日本一有名な青果店の社長、秋葉弘道さん。テレビ出演は年間400件、どんな取材も断らず野菜の現状や値動きについて、いつも熱心に伝えている。安さを売りに都内に9店舗を展開。しかし、そんなアキダイでも今野菜の価格が上がっていた。今年の猛暑の影響は、秋葉さんの想定を遥かに超えていた。中でも手を焼いていたのがレタス、品質は落ちるのに価格は上がる状況。

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アキダイ 関町本店横浜市(神奈川)練馬区(東京)農林水産省

長野県川上村、8月下旬に収穫真っ盛りの農家を尋ねた。2代目として長年レタスを栽培している川上真人さん、家族総出の作業で刈り取ったレタスを横の溝に並べていく。今刈り取った2列は全滅だった、せっかく育てても規格外なので出荷できない。猛暑で秋の収穫にも影響が出ていた。

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レタス川上村(長野)
猛暑で高原レタスが窮地

長野県川上村、村全域が標高1000メートルを超える高原地帯で涼しい気候がレタス栽培に適している。夏は全国生産量の約3割を占めるレタスの一大産地。6月~10月はレタス農家にとって書き入れ時、川上さんも収穫の真っ最中。しかしこの日、出荷予定だったレタスの3/4が規格外だった。主な原因は極端な暑さと乾燥。箱に詰める時も気が抜けない、品質に厳しく目を光らせている。この日は予定していた7割しか出荷出来なかった。約10万円の収入減少。収穫後、別の畑で草むしりをしていると、採れたてのレタスを豪快にちぎってパンに乗せた、“特製レタスサンド”妻の笑保さんが作る川上家定番の昼食。川上さんはフィリピンの技能実習生を3人雇っているが、彼らにも大好評。川上村のレタスは特に甘くて、シャキシャキしているという。川上さんは中央大学で陸上に打ち込み、インカレ優勝を果たした。その後、実業団でも活躍。中長距離の選手だった笑保さんとも、陸上が縁で出会った。村に戻ったのは、父親が始めたレタス栽培が軌道に乗りそれを手伝うためだった。以来36年、畑を守ってきた。農家の後継者不足が深刻な中で、川上家では長男の真弥さんが後を継ぐことになっている。

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中央大学川上村(長野)

レタスは約60日で育つ、川上さんのレタス畑は18か所ありその面積は合計5.5ヘクタール。その面積を活かして、レタスをずらして栽培しシーズン中はほぼ毎日収穫している。出荷用のダンボールは名前入り。品質への責任が伴う。川上さんは農協の集荷場へ。ここで、朝採ったレタスを引き渡すと出荷作業は完了。周辺農家から集まったレタスと一緒に、冷蔵トラックに積み込まれ全国の市場やスーパーに運ばれていく。野菜の価格は農家が決められるわけではない。東京の大田市場では日本全国から農産物が集まってくる。野菜の価格は市場で決まる。大田市場にも川上村のレタスが届いていた、今年7月下旬から8月中旬にかけ川上村のレタスの出荷量は減少、高温の影響を受けたためだった。この日の卸売価格は1キロ283円、去年の同じ日と比べ約1.2倍の価格だった。しかし、高くなりすぎると売れないため、レタス農家の損失を補える程価格はあがらない。

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全国農業協同組合中央会大田区(東京)大田市場農林水産省

川上さんには他にも頭を悩ませていることがあった。農薬や肥料は輸入の依存度が高く、年々価格が高騰している。 さらにフィリピンの技能実習生の時給も、この秋から上がることに。上がる一方の生産コスト、そして猛暑による不良品の増加、川上さんは窮地を脱するために次の一手を考えていた。

アキダイ 安く売る秘策

一方、スーパーアキダイでも異変が。秋葉さんが届いたばかりの野菜の状態を確認しに行く。この日仕入れたのは川上村のレタス、外側の葉っぱが既に黒ずんでいた。秋葉さん、ここから勝負に出る。

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アキダイ 関町本店レタス練馬区(東京)

アキダイの名物社長・秋葉弘道さん。野菜の不作で価格高騰が続く中、少しでも安くて良い状態で販売するため、ある工夫をしている。この日、卸売業者から届いたレタスを確認すると、既に傷みが出ていた。段ボールの中にはレタスが12個、そのほとんどが傷んだ状態だった。すると秋葉さん、それを写真に納め仕入れた卸売業者と共有する。そして、電話の相手は卸売業者、仕入れ値を安くしてもらうよう交渉する。秋葉さんは外側の傷んだ葉っぱを取り除くと、テープを撒いて店頭に出していく。中には傷みが激しいレタスも、傷んだ部分を取り除き、小さくなったものはさらに値引きして売ることに。傷みがあっても工夫することで、消費者は安く購入でき生産者の売上にも繋がる。小売店によっては、野菜が1つでも傷んでいれば他は問題がなくても箱ごと返品する場合があるという。食べられる野菜まで廃棄されれば、店頭に出る量も減り結果的に価格も高騰していく。誰も徳をしない。秋葉さんがこの道に入ったのは高校生の頃、実家の家計を支えるため青果店のアルバイトを始めた。接客にやりがいを覚え、23歳でアキダイを創業。クチコミで評判が広がり、次第に客が増えていった。

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アキダイ 関町本店練馬区(東京)

埼玉県所沢市、近隣の農家から野菜が集まってくる卸売市場。秋葉さんは、卸売業者に発注するだけでなく 自ら買付けにも出かける。時間は、市場が閉まる直前。秋葉さんは敢えて遅めの時間に来て、売り先のない野菜を安く買う。30年来の付き合いの仲卸業者とは持ちつ持たれつの関係。秋葉さんが自ら出向く市場は、東京近郊に5か所。足繁く通うことで信頼関係を築いている。安く仕入れる工夫は、他にもある。車を走らせること2時間、沼地のような場所に到着。秋葉さんが店のエプロンを付けたままの格好で訪ねたのは、レンコン農家の高田さん。2年前から市場を通さず直接取り引きをしている。信頼できる農家を見つけて契約することで、良い野菜を安く手に入れている。秋葉さんは、時間を作って生産現場にこまめに顔を出している。高田さんが、最近移転したという作業場に秋葉さんを案内してくれた。10年前に廃業したガソリンスタンドを借りて、農業機械の置き場や作業場として使っている。節目の部分から伸びている黒い髭はレンコンの根、これを切り落とし商品として整えていた。しかし、ここにも猛暑の影響が。高田さんが見せてくれたのは、切ったばかりのレンコンの断面。高温障害のものは真ん中の穴が大きくなっていた、これは養分が行き渡っていない証拠で食感が悪いため規格外となり商品化出来ない。暑い時は鮮度を保つため、レンコンを入れた発泡スチロールに氷を詰めて発送する。よく見ると、高田さんが使う箱は年季が入っていた。発泡スチロールの箱を再利用するのは秋葉さんのアイデア、生産者が負担するコストを抑えられるだけでなく店頭価格も100g当たり10円安く出来るという。店頭では高田さんとの2ショット写真を飾り、商品の良さをアピール。秋葉さんは8軒の農家と契約し、直接野菜を仕入れている。

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レンコン所沢市(埼玉)稲敷市(茨城)
高原レタスに救世主か

一方、猛暑に苦しむ川上村では。レタス王国に救世主が…。ヒートガイとは一体。

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川上村(長野)
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テレ東BIZ
高原レタスに救世主か

長野県塩尻市に試験農場を持つ、タキイ種苗株式会社。日本でトップクラスの売上を誇る老舗の種苗メーカー。レタスの研究チームは、農場長の石田さんを中心に暑さに強い新品種の開発に取り組んでいる。石田さんが案内してくれたハウスにあったのは、新品種開発のカギとなる植物「レタスの野生種」。地中海沿岸から西アジアにかけて分布するレタスの野生種、野生種と現在のレタスをかけ合わせることで新たな品種が生まれることがあるという。試験農場では様々な可能性を試している。新品種を生み出すには狙った特徴を持つ個体を選び出し、その性質を安定させるまで何度も交配と選抜を繰り返す。こうして去年誕生したのが「ヒートガイ」開発に10年かかった。暑い環境下でも玉を作る確率が高く、病気にも強い品種。

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タキイ種苗レタス塩尻市(長野)
“ヒートガイ”の実力は?

長野県川上村、農協の指導員・小池敬一さん。猛暑の中でも安定してレタスが作れるよう、村で新品種“ヒートガイ”の導入を進めている。川上さんにも声を掛けていた。既に作付けをしていたが、その量は全体の1割ほど。全てをヒートガイに変えることには躊躇していた。15年前、評判の良い品種に変えた際に苦い経験をしていた川上さん。ヒートガイの導入は、川上さんにとって大きな賭け。9月上旬、夜明け前から作業が始まった。ヒートガイを植えた畑の初めての収穫。

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レタス川上村(長野)

9月上旬、長野県川上村。この日は新品種“ヒートガイ”を植えた畑の収穫日。その出来栄えは、不結球の数も10個に1個程度で病気も出なかった。猛暑の影響でレタスの不良品が増え、苦しんでいた川上さん。新たに登場した“ヒートガイ”が救世主になってくれた。それでも今年は、例年の7割の収穫量に留まる見込み。

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レタス川上村(長野)
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

次回予告

「ガイアの夜明け」の次回予告。

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ワールドビジネスサテライト

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高市早苗

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