2025年9月12日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025 サウジアラビア 「ゲーム大国」への挑戦

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 
(オープニング)
LIVE ニューヨーク

およそ3000人が犠牲となったアメリカ同時多発テロ事件から11日で24年。世界貿易センタービルの跡地では現在、追悼式典が行われ多くの遺族らが出席している。一方で、トランプ大統領に近い保守系の政治活動家が何者かに銃撃され死亡した。

オープニング

オープニング映像が流れ、キャスターが挨拶した。

ニュースラインナップ

イスラエル“主権侵害”も…攻撃正当化などのラインナップを伝えた。

(ニュース)
攻撃の正当性 強調 イスラエル軍 カタール攻撃

カタールのドーハでイスラエル軍がハマスの代表団を標的に攻撃を行った。ハマスは、代表団は無事だったもののメンバー5人が死亡したことを声明で明らかにした。イスラエルメディアは、10日関係者の話としてハマス幹部が殺害されたという兆候はないなどと伝えている。イスラエル・ネタニヤフ首相は、同時多発テロ事件の首謀者をパキスタンで殺害したことを引き合いに出しながら、10月のハマスによる奇襲攻撃の首謀者を狙ったとしてカタールでの攻撃の正当性を主張。カタールのアルジャジーラは、ムハンマド首相兼外相が攻撃を国家テロと非難、団結して対応すべきだと呼びかけたと伝える。

欧州 “イスラエルに制裁を” 貿易協定 一部停止の方針

ヨーロッパではイスラエルに制裁を課そうという新たな動きも。スペインのTVEは、EU委員長がイスラエルとの貿易協定を一部停止する方針を示したと伝えている。イスラエルにとってEUは最大の貿易相手で全体の3割を占め、協定が一部停止されればイスラエルへの打撃は大きいとしている。

米 保守系活動家カーク氏 銃撃され死亡 「MAGA派」若者の代表格

保守系の活動家・カーク氏が何者かに銃で撃たれ死亡した。全米に衝撃が広がっている。ユタ州で大学のイベントに参加していたチャーリー・カーク氏。銃撃が起きたのはカーク氏が講演している最中だった。カーク氏は31歳、2012年に保守系団体「ターニング・ポイント・USA」を創設、保守系の若者の間でカリスマ的な存在となる。トランプ大統領を熱狂的に支持する「MAGA派」の若者の代表格としても知られる。去年の大統領選挙で若者票を取り込みに貢献したとされている。トランプ大統領は、悲しみと怒りでいっぱいだ。アメリカのために生涯をささげたと述べる。トランプ大統領は今月14日まで、ホワイトハウスのほか全国の公共の建物などで反旗を掲げるよう命じる。捜査当局は犯人の行方を追うとともに背景などを詳しく調べている。

辻’s ANGLE
米で相次ぐ 暴力での言論封殺

全米でチャーリー・カーク氏の追悼集会が開かれている。事件が起きたユタ州だけでなくワシントン連邦議会、ニューヨークヤンキースの球場でも人々がその死を悼む。アメリカでは政治的動機によるとみられる銃撃事件が相次いでいる。去年7月、トランプ氏は選挙集会中に銃撃を受ける。銃弾は耳にあたり、ひとつ間違えば命を落とすところだった。ことし6月にはミネソタ州議会の民主党議員、配偶者らが自宅で銃撃され2人が死亡。3年前にもペロシ下院議長の夫が自宅でハンマーで襲われる事件が起きている。

アメリカ総局の森健一記者に話を聞く。森記者は去年、トランプ氏が銃撃された際の現場に居合わせていた。党派を問わずいつ政治家がが狙われてもおかしくないそう捉えられている。カーク氏はアメリカの保守派のなかで非常に大きな影響力を持つ人物だった。活動の代名詞となったのが各地の大学などをまわって行うディベート。学生らと議論しながら保守的な価値観を広める、こうしたツアーは常に多くの若者を惹き付けていた。カーク氏の団体は3500以上の大学、高校にメンバーがいる組織にまで成長。トランプ氏との関係も深まっていく。ニューヨーク・タイムズは、キングメーカーのような存在になっていたと表現。一方でカーク氏は分断をあおるような発言でも知られる。性的マイノリティーを攻撃、黒人に否定的な発言をしたり批判もあったという。2020年の大統領選挙をめぐってはトランプ氏が勝利したと一方的に主張、みずからの支持者に抗議活動を行うよう呼びかけていた。

(ニュース)
米同時多発テロ事件から24年 LIVE ニューヨーク

日本人24人を含むおよそ3000人が犠牲となったアメリカ同時多発テロ事件から24年が経過。ニューヨークの追悼式典の会場から中継で伝える。世界貿易センタービルの跡地では30分ほど前から追悼式典が開かれている。式典では犠牲者が出たそれぞれの時間合わせて6回黙祷が捧げられる。黙祷と黙祷の間には犠牲者の名前が一人一人読み上げられる。現場では遺体の損傷が大きかったことから1100人の犠牲者の身元が特定されず今もDNA鑑定が続いている。

犠牲者の身元特定へ 今も続くDNA鑑定 米同時多発テロ事件から24年

事件や事故で亡くなった人の死因などの分析を行うニューヨーク市の検死局では専門のチームがDNA鑑定を続けている。マーク・デザイアーさんはビルに激突した現場で遺体の収容などにあたる。それから24年間、DNA鑑定に関わり続けてきた。1か月前には新たに3人の身元を特定し遺族に伝えることができたという。遺族団体代表のマリー・フェチェットさんは、DNA鑑定の技術が向上し保管されている遺体から特定されるものも出てくるでしょう。鑑定が続いていることを伝え続け特定された際には支援することが重要ですと述べる。トランプ氏は国防省で執り行われている別の式典に参加している。

皆さんの声 募集中

同時多発テロ事件から24年を迎え祈りに包まれるアメリカ。一方でトランプ大統領に近い政治活動家が銃撃されるなど暴力が止むことはない。皆さんの声を募集中。

ロシア無人機の領空侵犯 影響広がる

ポーランドでロシア軍の無人機19機に領空侵犯されたとして被害を調査。無人機の残骸が見つかったと明らかにした。地元メディアによると、内務省が被害状況を調査した結果、これまでに8機の無人機の残骸やミサイルの一部が見つかったと伝えている。無人機の多くはウクライナと接する東部で発見。少なくとも2機は国内を300キロ以上飛行したとする軍の幹部の話を伝えている。トゥスク首相は、NATO加盟国の上空でロシアの無人機が追撃されたのは初めてだ。状況は深刻でさまざまなシナリオに備えなければならないと述べる。NATOのルッテ事務総長は、ポーランドからの要請を受け、北大西洋理事会を開いたことを明らかにした。NATOとして引き続き対応を協議していく考えを強調。ウクライナのゼレンスキー大統領はSNSので、ヨーロッパの上空に効果的な防空網を構築する必要があると訴えた。一方、ロシアでは国防省がポーランド領内で攻撃する計画はなかったと発信。国連の安全保障理事会でも12日に緊急会合を開催されることになった。

WOW!The World
まるで“ドミノ倒し” コンテナ落下

アメリカのカリフォルニア州のロングビーチ港で貨物船からコンテナ数十個が海に落下。貨物船は小売店向けの商品を積んで中国から到着したばかり。職員が対応にかけつけ、港の貨物業務は一時停止に。けが人はいない。コンテナは水に沈み大がかりな引き揚げ作業が必要。当局が落下の原因を調査している。

ハーフマラソン メダルに間違い

イギリスで開催されたハーフマラソン大会で参加者に贈られたメダルに大きな間違い。本来なら上空から見た川沿いのコースがデザインされているはずが、25kmほど離れた無関係な町と川が描かれていた。主催者は間違いを認めるとともにユーモアを込めてこれは語り継がれる記念品になるだろうと主張。

13歳少年 自分より重いオヒョウ釣る

13歳の少年が深海からオヒョウを釣り上げる。重さは80キロあまりと自分の体重より重く30分ほど格闘したという。大西洋のオヒョウの重さでジュニア記録になるかもしれないという。

街の名前 オブジェでアピール

フランス東部・ナンシーに出現したのは街の名前の巨大オブジェ。SNSに写真を投稿してもらえば街の名が知れることになると350万円かけて設置。オブジェを作る工場では年々受注が増えているという。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
新たな国家戦略 ゲーム大国へ サウジアラビア

サウジアラビアが新たな国家戦略として力を入れているのがゲーム。夏には世界100か国以上からトップ選手が集まりeスポーツワールドカップが開かれた。選手たちは20種類以上のゲームを戦い総合優勝を目指す。この日のゲームで優勝したのはオランダのチーム。賞金総額は100億円以上、大会としては最大規模。国連がまとめた報告書によると、世界のゲーム市場は2022年の段階で約26兆円。サウジアラビア政府はゲーム産業に少なくとも5兆円の資金を投入することを発表。背景にあるのがムハンマド皇太子が主導する国家戦略・ビジョン2030。国家歳入の約6割を石油に依存。世界的な脱炭素化、石油資源の枯渇をみすえ、ゲーム産業を新たな収入源のひとつにしようと考えている。サウジアラビアでは毎年eスポーツを開催、海外からの観光客の呼び込みにつながっている。ゲームソフトを開発する地元起業にも恩恵が出始めている。従業員は約30人。全員サウジアラビア人で20から30代。ゲームの売りは車のグラフィック。実際にある道路を走行できるのが人気の秘訣。サウジアラビア政府は政府系ファンドを通じゲーム関連企業の成長を後押ししている。開発費用への資金援助、プラグラミング研修などに助成金を支給。国内企業の開発競争も活発化。ゲーム会社・開発責任者は投資家もたくさん集まるようになった。今後の目標は世界的に有名なゲームになることと述べる。

LIVE ドバイ

ドバイ支局長のスレイマンアーデル氏に聞く。これまでのイメージを払拭することも国家戦略の一環といえそう。地元の女性たちがカフェやレストランで自由に食事を楽しむ姿や外国からの観光客も目立つようになった。サッカーワールドカップを始め、今後様々な国際的なイベントも予定されていて、さらに開かれたサウジアラビアを印象付けることになりそう。日本もゲーム大国。日本との協力の可能性は大いにある。ムハンマド皇太子は日本のアニメやゲームの大ファン。ドラゴンボールのテーマパークの建設も進んでいる。サウジアラビアでは国内の人道状況に国際社会から懸念も出ている。ゲーム・ウォッシングなど批判的な声があるのも事実。今後、こうした課題への対応も問われることになりそうなどと話した。

Human@globe
ハンセン病患者を支援 “回復者”の闘い インドネシア

ハンセン病の新規患者数について、去年は世界で約17万人。インドネシアでは約1万5000人が確認された。ハンセン病患者を支援するNGO代表のアル・カドリさんはハンセン病への差別、偏見を打ち消す取り組みを続けている。小学生のころハンセン病を発症。治療が遅れたことで手に障害が残る。進学を断念し社会に出てからも職を転々としたという。ハンセン病自立協会は18年前に設立。メンバー全員が回復者。アルカドリさんたちは山間部の集落で治療中の患者を支援、新たな患者の情報を集める活動にあたっている。医療機関との橋渡し役を担い治療を支援している。支援以上に重要だと考えているのが知識を伝える啓発活動。差別や偏見は今も根強く家族でさえ患者を隠そうとするため治療がさらに遅れてしまうという。ハンセン病の正しい知識を伝えていく。最大の強みはメンバー全員が回復者であること、粘り強く訴えかける。こうした地道な活動を長年運営資金などの面から支えてきたのは日本の財団。笹川保健財団でハンセン病対策を担当・高島さんは回復者の方で自分の経験を伝える若い人が出てくると良くなっていくのではないかと思っていると述べる。

(ニュース)
NASA“火星に微生物が存在した可能性”

NASAなどの研究グループによると、去年7月、火星のクレーターで火星探査車が調査。岩に数ミリほどの斑点を見つける。X線などで分析した結果、鉄や硫黄の化合物とみられる物質や有機物を検出。こうした化合物は、地球上では微生物が生成するケースがあり、火星でも微生物が存在した可能性があるという。グループは確認にはサンプルを地球に持ち帰り高度な分析を行う必要があるとしている。トランプ政権は火星からサンプルを持ち帰る計画を終了する方針を打ち出していて、分析が進むかどうかについては懸念も出ている。

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