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- 松下奈緒
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近畿大学水産研究所では養殖魚の盛り合わせが人気。近畿大学はクロマグロの完全養殖に世界で初めて成功。研究成果の養殖魚を店舗で提供している。近畿大学水産研究所・杉村卓哉料理長は「食べられる分だけ提供でいる分だけを育てることも可能」と話した。漁獲量は沿岸漁業・遠洋漁業を上回る。人気回転寿司チェーン・くら寿司は養殖慮が切り札。味噌汁はピンチ。陸上養殖が始まった。
近畿大学世界経済研究所・有路昌彦教授が愛媛・宇和島市の生け簀を訪ねた。餌を2日に1度、与えている。有路さんが開発したのはアセロラブリヒラ。近畿大学とニチレイフーズが共同開発した。ブリ×ヒラマサ=ブリヒラにアセロラを加えて付加価値を高めている。アセロラ成分を体重の10%程度に調整している。有路さんは2016年「ウナギ味のナマズ」の量産に成功。
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日本は今、魚の獲れない国になりつつある。海の危機を救おうと革新的な養殖技術を研究してきた先駆者たちの物語に迫る。食緑は近畿大学が支援する養殖魚の加工・販売を行う会社。アセロラブリヒラの開発者・近畿大学の有路昌彦教授がやって来た。有路さんは食緑社長も務めている。アセロラブリヒラの初めての出荷に向け動き出した。有路さんは加工場で降ろし、魚の状態をチェックする。アセロラの抗酸化作用で血合いの色は鮮やか。有路さんは近畿大学東京センターで記者会見に臨み商業展開を発表。タッグを組むのはベイシア。月4000匹を販売する計画。アセロラブリヒラはニチレイフーズとの共同開発。ニチレイフーズ国際事業部・木戸敏勝さんの下に気になる情報が入った。アセロラ産地のブラジル南部で大雨による大規模な洪水が発生。アセロラパウダーが想定より生産できなかった。更に円安でエサの原料価格が高騰。販売量拡大が必要になった。くら寿司貝塚事務所で次の一手に出た。くら寿司545店舗でアセロラブリヒラの販売が決定。くら寿司商品本部・大濱喬王さんはアセロラブリヒラは安定的な品質を担保できる次の魚種とみていた。くら寿司グローバル旗艦店浅草ROXでアセロラブリヒラの販売初日を迎えた。外国人にも公表で有路さんは海外展開にも可能性を感じた。
愛媛・西予市ではアオサを陸上で養殖している。マルコメ・松島大二朗さんが1人で養殖場を管理している。マルコメ本社はアオサの供給不安を解消するために事業として進めている。アオサ商品の市場規模は5年で約4割拡大。しかし三重県のアオサ収穫量は減少。マルコメは2017年、陸上養殖でアオサを量産するプロジェクトを開始。松島さんは徳島文理大学 薬学部・山本博文教授を頼りにしている。山本さんは世界で初めてアオサの陸上養殖に成功。アオサ以外にもわかめ・ノリなどの海藻は不作。山本さんは陸上養殖場にアドバイスをしてきた。商品化に向け、アオサの収穫が始まった。マルコメ本社で松島さんんは商品テストを行った。マルコメ研究開発本部本部長・伊藤成輝さんが試食し商品化を決めた。「生みそ汁料亭の味」で7月以降に販売予定。マルコメは3年以内に水槽を5倍にし外販も視野に増産する計画。
都農漁港では水揚げに異変が起きていた。カマスやフグの水揚げが減っている。岡山理科大学准教授・山本俊政准さんが都農町漁業協同組合・金谷正文組合長を訪ねた。山本さんは金谷さんにタマカイの室内養殖施設を見せた。山本さんは不思議な水を開発。水に粉を入れるとできる好適環境水は、海水の中で魚が育つのに必要な成分・ナトリウム・カルシウム・カリウムを中心に配合。好適環境水のメリットは海水よりも早く育ち、病気が少ない。都農の漁師は好適環境水にかけている。都農町の新たな名物はふるさと納税の新たな目玉になる。
かつて漁業関係者から目の敵にされていた男性は誰もやらない手法で海水魚を陸上で育てて流通させようと取り組んだ。水産資源が枯渇し漁業が危機的状況を迎える今、多くの人が男性に教えを乞うている。先駆者の新たな挑戦を追った。岡山理科大学・山本俊政准教授が開発した好適環境水は養殖の常識を変えた。愛媛漁協桜井支所・徳永安清さんが山本さんを訪ねた。山本さんは世界で初めて陸上養殖に成功。山本さんの下には全国から漁業関係者が訪ねてくる。しかしかつては漁協から敵対視されていた。しかし漁業を取り巻く環境の変化で頼られる存在になった。今治の名産・ガザミを陸上養殖できるかという相談を受けた。山本さんは都農町から送られた水櫃データを確認。現地スタッフに技術指導をしている。宮崎・都農町の陸上養殖場でタマカイが水揚げされた。山本さんは水産加工センターで魚の品質を確認。関係者向けタマカイ試食会が行われた。都農町漁業協同組合・金谷正文組合長、都農町・坂田広亮町長らが試食。都農町はタマカイを「ふるさと納税」の返礼品の目玉にする考え。山本さんの技術は世界にも広がっている。
岡山理科大学・山本俊政准教授は好適環境水を使い陸上養殖に取り組んでいる。山本さんの技術はモンゴルでも使われている。オンラインでウランバートルにいる研究生・アマルくんとつないだ。モンゴルで海水魚を育てようと計画し山本さんは技術指導をしている。今は地元の高級レストランに出荷されている。魚を獲らずに育てる技術は漁業を持続可能なものに導くと思われる。
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