- 出演者
- 矢内雄一郎 大浜平太郎 塩田真弓 角谷暁子 平出真有 村松一之 大橋英敏
大橋さんは今回の決算シーズンで注目するべきなのは、25年3月期の業績ガイダンスの強さだと話した。村松さんはマイクロソフトの決算発表について、「生成AIや半導体に対する期待が強すぎるのではないかという。こういう疲れがでていた。マイクロソフトは生成AIなるものがブームじゃなくてビジネスになるんだと収益化できるところの先頭を走っている企業。非常に注目になっている。」などと話した。
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全国の気象情報を伝えた。
NY株式について伝えられた。
ニューヨーク証券取引所から中継。アメリカのインフレの動向を見るうえで注目されている新たな指標があるという。アメリカのCPIの約3割を占める住居費の動向をみるうえで労働省が四半期ごとに発表する指標「新規入居家賃指数」が市場で注目されている。各期間に引っ越しをした借り手の家賃価格の変化を促成したもの。1~3月は、前年比0.4%上昇した。また、CPIの家賃より5.7%上昇している。新規入居家賃指数はCPIの家賃と比べて、おおよそ3四半期先行して動く傾向がある。CPIの家賃の伸びは緩やかに減速しているとのこと。新規入居家賃指数は、直近期間が大幅に改定される可能性があり注意が必要と伝えられた。
為替・金利・商品について伝えられた。
インフレと株式市場の関係について大橋氏が解説した。23年を見ると必ずしも金利上昇が株式市場にネガティブだったわけではない。金利上昇が株式市場に負の影響を与えるというのは逆金融相場の局面で23年はそれとは異なる相場だったと思う。日本企業業績回復のドライバーは3つ。「値上げ」は企業にとっては利益率改善の最大のドライバーになるもの。「在庫調整の終了」についてはコロナ禍で積み増した在庫の調整は23年の後半に終了したと思われる。「自動車生産台数の回復」については、コロナ禍の部品不足で自動車が作れなかったという時代から在庫調整の終了も含めて自動車が普通に作れるようになり、素材メーカーとか部品メーカーに直接的なポジティブな影響を与えた。この3つだけが要因ではなく、円安やAIブームをテーマにした特定銘柄の指数に与える影響も寄与はしているが、大きなトレンドを与えると考えるという意味ではこの3つが重要。いずれも24年の1、3月までは何とか持つと思うが、問題はその後の持続性。日本の製造業の在庫循環は強くなく、思ったより在庫積み増しや生産の回復にも至っていないといえる。自動車の受注も失速ぎみで、3つのドライバーのうち2つは失速気味。日本企業の利益率回復のカギを握るのはインフレが続くかどうか。金利が上がると株式にとってはネガティブだと評価されがちだが、企業の価格転嫁ができていてのインフレという循環になると考え、インフレの鈍化が逆に株式にネガティブに働く可能性もある。大橋氏は「6-7月あたりに毎月勤労統計で実質賃金がプラス化しているか、個人消費が失速していないか、その後企業が財・サービス共に価格転嫁してインフレ率に反映されるかどうかに注目」と述べた。
元日銀副総裁・日本経済研究センター理事長・岩田一政氏に話を聞く。植田総裁について「異次元の政策を長く続けてきたので、それをマーケットに大きなショックを与えないで無事終了したということはここ1年の一番大きい成果だったと思う。合格か不合格かということを言えば合格されたと思う。」などと話した。また課題について「例えば物価目標2%とあるが、2%というのをとても厳格に考えて2%をちょっと割るのもいけないのか、それとも2%前後、程度でも動くのはいいと考えるのか、説明が私から見るとまだ不足している。私自身は2%厳格にするということは日本経済にとって荷が重すぎると思っている。物価目標を下げる方が望ましいと考えている」などと話した。明確にすべきと語ったのは中立金利で「緩和した状況をどうやって測るのか測るメジャーが日本の場合ない。金利で言うと中立的な金利という考え方があり、これは景気を刺激もしないし足を引っ張ることもしない、引き締めもしない。中立的な金利がいくらかということについては全く言ってない。それは説明責任の一部として発表すべき」などと話した。懸念はやはり円安で「植田総裁が物価上昇を考える上で2つの力がある、1つは輸入物価が押し上げる力、もう1つは一般サービス等。日本銀行はこちらの第2の力によって2%を達成したいと考えているが輸入物価が上がってしまうと第1の力が強くなる。そうすると例えば実質賃金はなかなかプラスになりにくくなり実質消費が下押しされ国内の景気にはむしろ悪い影響」などと話した。岩田氏は市場予想通り今回の決定会合で政策変更はないとみているが、年内利上げの可能性については、「いい意味での物価の上昇、再加速するということが非常に難しいとすれば日本銀行としては利上げはしにくいのではないかと思う。」とのこと。政策金利を0.5%に利上げした2007年、岩田氏は政策委員会でただ一人反対票を投じた。そしてそれ以来、一度も越えることがなかった0.5%の壁を今後越えることはできるのか。岩田氏は「中立金利は0.5%ぐらいでみている」とし来年金利を上げることにしても0.5%程度までではないかと思うなどとし、植田総裁が今回の2回目のゼロ金利の戦いを勝つためには「物価目標の2%の中身を日本の経済の実力に見合ったものに変えていく、もう1つはバランスシートが大きすぎるという課題が残されている」などと話した。
岩田氏は2007年と今と似ていることが2つある、1つは円安・もう1つは消費の弱さとしていることを紹介。大橋さんは「日本のインフレ期待はマーケットの中でも意見がわかれている。岩田氏はどちらかいうとハト派っぽい人なんじゃないかとマーケットの中でみられていると思う。2007年と今が似ていることもあるが、個人的には違う論点もあるんじゃないかなと思う。今の日本は極端な供給制約に陥っている、その結果としてインフレへの警戒感は2007よりも強いんじゃないかと思う」などと話した。またバランスシートについて、村松さんは「為替に対し政府当局はファンダメンタルズになっていないというが、マーケットにおいてはむしろファンダメンタルズにそって円安がすすんでいるのではないかと言っている」などと話した。
テレ東BIZでは4月26日(金)植田和男総裁の記者会見を速報解説ライブ配信。午後5時45分〜大江麻理子キャスターと日本経済新聞・滝田洋一客員編集委員による速報解説。
日本経済新聞・柳瀬和央の解説。年金改革へ5案検証。厚生労働省が公的年金制度に関する5つの改革案について年金の抽出水準や年金財政に与える影響を検証。柳瀬氏は「政府は年金制度の状況を5年に1度検証。来年の通常国会に必要な改正案を提出。出生率や賃金などの動向によって将来の年金額がどう変わるのかを調べたり制度を修正する5つの案を実施した場合にどのような影響が出るのかを調べる」などと述べた。きょうのテーマは「将来の年金をどう底上げするか」。年金改革に向け検証する5項目。1.基礎年金の納付期間40年→45年、2.基礎年金の給付抑制を早期停止、3.厚生年金の加入対象拡大、4.働く高齢者の年金減額の見直し、5.厚生年金保険料上限の引き上げ。基礎年金額の底上げに力を入れる理由について柳瀬氏は「今の年金制度の大枠は少子高齢化への対策として実施した2004年の大改革が導入された。当時の想定より基礎年金の財政が悪化していて、将来の年金額が大きく目減りしてしまう。20歳から40年間保険料を納付した場合に65歳からの基礎年金額は月額6万8000円。2019年の検証では2046年以降になると月額4万7000円程度となる。20年後、30年後の引退世代の年金額を守るために年金額を底上げしないといけない。基礎年金の保険料を収める期間を45年間にする案。納付額が5年分増えるため底上げする。トータル総額は増えることになるが65歳まで働き続けることが一般的になった現状に合わせた改革とも言える。基礎年金の給付抑制を早期停止。年金給付を2023年まで抑制、将来の年金額を確保する狙いだったがデフレで発動されず2046年まで継続の必要性。厚生年金からお金を回し2033年で打ち止め。厚生年金が損をする仕組みに見えるが厚生年金を底上げすることで恩恵は会社員の多くの方にも及ぶ。厚生年金の加入対象拡大。厚生年金に加入するパートタイム労働者の範囲は拡大されてきた。従業員50人以上で週20時間以上働き月給8.8万円以上の人は対象になる。改革ではさらに広げる。事業主としての保険負担を求められ反対意見も出てくる。これを全て行うことが決まったわけではない。何をやるかは政府が判断する。これがいいと改革案があればのぼる可能性がある」などと述べた。(日本経済新聞17日付)
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米国・バイデン大統領は24日、ロシアが侵攻を続けるウクライナの支援を含める緊急予算に署名した。バイデン大統領は演説で「ウクライナに向けて直ちに装備品の発送を開始する」とした。バイデン大統領が署名した緊急予算の内ウクライナ支援に約608億ドル(9兆4000億円)。バイデン大統領は「ウクライナには勝利への意志がある」とし弾薬、装甲車を今週末ウクライナに届ける。成立した予算には中国系動画投稿アプリTikTokの米国事業を最長1年以内に売却しなければ国内でアプリ配信を禁止する内容も盛り込まれている。
Facebookを運営するMetaの1−3月期の決算は純利益が1年前よりおよそ2倍に増加した一方で今後の売上高見通しは市場予想を下回る可能性を示唆した。Metaは売上高が1年前より↑27.3%で364億5500万ドル、純利益はおよそ2倍に増加。1株利益も市場予想を上回った。広告事業↑26.8%(前年比)。Metaが運用するアプリの1日の利用者数は32億4000万人(前年比↑7%)。4−6月期の売上高見通しは365億〜390億ドルで市場予想382億8600万ドルを下回った。リストラ関連コストなどがかさみ2024年通期の費用見通しは960億〜990億ドルで従来940億〜990億ドルから引きあげた。Metaの株価は一時時間外で↓15%超。
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米国・フォードモーターの1−3月期の決算は純利益13億3200万ドル(↓24.2%)、売上高427億7700万ドル(↑3.1%)、調整後の1株利益は49センとで予想を上回った。EV電気自動車関連のコストがかさむなかで利益率の高いピックアップトラックに品質関連の問題が発生し出荷が遅れた。2024年通期については調整後EBIT利払い税引き前利益が従来の予想レンジの上限である120億ドルに近くなる想定。見通しを評価している。株価は時間外で一時↑4.9%。
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番組終了後の7時8分ごろから「モーサテプレミアム」で
大橋さんのきょうの経済視点は「ええかげんにせい!」で「FRBに怒っている。コロナ禍後のFRBはアメリカ経済やインフレ状況を把握する能力を喪失していると思う。」などと述べた。村松さんのきょうの経済視点は「為替が主役」で「このまま円安がいくとどこかの段階で財務省による実弾介入になってくると思うが、それがきくのか。為替介入は伝家の宝刀で、抜かなければ抜かないほど威力がある。何度も抜くと効果が薄れるので、日銀の利上げになってくる。そういうかたちの金利の上昇はいい形ではないので、株式市場にとっても効いてくる可能性がある。また世界でみるとドル高も心配で、FRBがなかなか利下げしないで他国が利下げサイクルに入るとドル高が一段とすすみいろんなところに歪みが出てくる。」などと述べた。
為替の値動きを伝えた。