- 出演者
- 池谷亨 片渕茜 平出真有 中原みなみ 青木大樹 田中弥生 棚瀬順哉
青木さんは「FOMCで25bpの利下げが決定されるとみていますが、先物市場では95%の確率で織り込まれているので、サプライズはないのでは。焦点はフォワードガイダンスやドットチャートになりますね。次回FOMCは1月29日で、トランプ次期大統領の就任式から間もないこともあり、政治の不確実性などから利下げの一時停止が示唆されれば、市場はタカ派として反応しそうです。FOMCが正しければ、金利は市場が予想しているより低下するかもしれないです。トランプ次期大統領の政策やインフレに与える影響は不確実が大きく、2025年も金利の見通しが市場を動かす要因になっていくのでは」、棚瀬さんは「去年の今頃行われたFOMCは、非常にハト派的な内容で、それを受けマーケットは2024年中にかなりFedはアグレッシブに利下げをすることを織り込んでいました。当初、マーケットが織り込んでいたよりも、かなり利下げ幅自体は小幅にとどまったことで、利下げ幅が思ってよりも大きくなかったというところが、ドルにとってサポートになったと思います」などと話した。
全国の天気予報を伝えた。
SMBC日興セキュリティーズアメリカ・尾畠未輝さんの解説。FOMC注目ポイント1.2025年以降の利下げシナリオ→利下げ3回(中央値3.5~3.75%)か、2.参加者の中立金利見通し→前回(9月)見通し2.9%から上昇か。基本的にはFOMCというのはトランプ新政権のまだ分からないような政策というのを先に織り込むということはしないのでその時点でマーケットと少しズレが生じている。その上でだがおそらく来年2025年には3回、中央値では3.50から3.75というのをターゲットにするようなシナリオが出てくるのではないかと思っている。その先2026年も場合によっては利下げ局面が続くシナリオかと考えられる。インフレ再燃の懸念については、ある程度規律が守られているような貿易戦争ということであれば影響は限定的と考えられる。尾畠さんは「最悪のシナリオとしてはいわゆるスタグフレーション。前回の貿易戦争以降直接的な中国依存は低下。グローバルサプライチェーンの見直しが一段と進む可能性というのがあると考えられる。来年の米国経済について追加関税を見据えた駆け込みの動きが生じる可能性があり、そうしたところを含めてかなりボラタイルになる可能性というのはあると考えている。今すでに労働市場が均衡に回帰しているので賃金の上昇圧力というのは緩和方向が維持されている。テクニカルに下げしぶるということは今後あるかもしれないが来年の後半にかけて2%の目標に到達するという見通しになっている。株式市場については基本的には上昇基調が続くと考えている。従来型のいわゆるエネルギーセクターのところはバイデン政権下でかなり需要が蓄積されている。トランプ政権下で一気に規制緩和が進んだり補助金が出たりなどすれば加速するというところが期待される。これから出てくる政策が過激になるのであれば長期もしくはグローバルでやや長めのやや深めの調整というのが起こってしまうというリスクはある」などと話した。
その他のマーケットの値を伝えた。
NY株式市場の終値、セクター別騰落率を伝えた。
青木大樹さんのプロの眼。日銀の利上げが焦点だが政治の不確実性が高い中で、また年末ボラティティが高まりやすいという中では見送られる可能性も結構高まってきていると思っている。今年は3月のスイス国立銀行があり、5月にはスウェーデン、6月にはECBとカナダ、8月にはイングランド銀行、9月にFRBと利下げが広がっていった。その背景にあるのがインフレ率の鈍化。インフレ率もピークアウトが明確となってきている。来年も利下げが続くと考えており、理由となるのが景気の悪化が緩やかながらも続くと考えており、それがインフレ率の減速にもつながってくる。2つの観点で景気の緩やかな鈍化が続くと考えている。青木さんは「金融機関の貸し出し態度がまだ十分に緩和的ではないという点、もう1つは労働市場が徐々に鈍化していることに注目。利下げのペースは政治や景気によって不確実性が高いと考えているが、実体経済の状況であったり潜在的な成長率から見るとFRB、イングランド銀行、ECBは1%程度の利下げは来年はしてもおかしくないと考えている。FRBとしてはインフレと景気、雇用最大化を天秤にかけていく中で急激な景気の悪化、関税の悪化に備えていく観点では予防的な利下げをやっぱり進めていく必要があると考えている」などと話した。
「テレ東系経済WEEK」の今回のテーマは「分岐点 その常識を越えていけ」。今回は「国家予算の分岐点」。ゲストは国の財政を担当する会計検査院の田中院長。田中院長は「会計検査院はコロナ対策・物価対策・社会保障など様々な観点から検査を行い、ことし報告した件数は345件、指摘金額は648億円となった。会計検査院は国会・裁判所に属さず、内閣からも独立した憲法に記された機関。国の支出は全て毎年検査を行うということも憲法に記されており、これに基づいて国の決算の確認・国民の税金が適切に使われたのかを確認し、必要であれば改善を促す」などと説明した。政府は先月13.9兆円の補正予算案を閣議決定。先週12日には衆議院で与党案を修正→可決した。国会の審議中に修正されるのは28年ぶりのこと。きょう参議院で可決・成立の見通し。今回の補正予算額は2011年の東日本大震災に匹敵する額。2020年以降、当初予算額から最終予算額が大幅に増加することが続いている。2022年の補正予算の大半を占めるのが経済対策。具体的な経済対策として具体的に示されたものが約22兆円、その5割以上が経済産業省に割り当てられている。経産省は当初予算として約9,000億円を割り当てられていたが、補正予算では11兆8,364億円と約13倍となっている。この11兆円うち約6兆円がエネルギー価格激変緩和対策事業。また、6兆円のうち9割近くが翌年に繰り越されている。田中院長は「繰り越しは法律で定められているのでそれ自体は悪いことではない。ただ、補正予算は現行の予算に不足が生じた場合、あるいは予算作成後に緊急で必要になった場合に限って措置することができると財政法で定められている。2022年に補正がついた予算科目に着目すると、約3割で補正予算だけではなく当初予算も使い切れずに繰り越している事が判明。さらに補正予算額の全額が翌年度に繰り越されているものが34事業で、金額の合計は1兆4,000億円にのぼる。つまり補正予算に承認された年度内に一銭も使わなかったということ。さらに繰り越した翌年はどうなっているのかというと、実際の執行状態は5割を切っていた」と説明し、池谷さんは「補正なんかしなくて良いじゃないですか」と言った。この結果は重く受け止められており、石破総理や加藤財務大臣は減給している。補正予算案はきょう可決の見通しだが、30年ぶりに野党議員として立憲民主・安住淳さんが予算委員長に就任している。膨張している財政についてどのように対処するのか。
安住衆議院予算委員長は「補正予算は本来は緊急で緊要性があるものとなっているが、安倍政権以降”第二の予算編成”みたいになってしまった。本予算で認められないものを少し言葉は悪いが”裏口入学”ということで使い出した。結果的に財政が膨張してしまった。肥大化した行政や財政状況はそろそろシェイプアップする必要がある。日本人が見ている以上に外国人が日本のファイナンスの健全性に対して厳しい目で見ているから、このままやっていたら『日本はダメだ』とたたき売りされる可能性がある。私は思い切ってかじを切るときだと思っている」などと話す。
池谷さんは「安住さんが動力源になってほしいと思うが、あくまで会計検査院は過去の検証をする・編成には口を出せない、でももうちょっと将来を見据えてちゃんと指摘できないっていうのはもどかしいですね」というと田中院長は「そう見えるかもしれないが、まずこの状況をより多くの国民に知っていただくことが大事だと思う」などと話した。また、池谷さんは「補正予算の財源ってどこからきてるんですか?」と聞くと田中院長は「私達は8年間の補正予算案を2023年まで調べたんですが、約200兆円くらいあり、そのうちの4分の3に当たる150兆円が国債なんです。国債は債務を新たに発行させるので、将来世代への負担の先送りそのものなんです。きょうみたいな機会をいただき、SNSなどもあり、様々な媒体を通じわかりやすくこの状況をお伝えするということが私たち会計検査院の役割・使命だと思う。会計検査院で指摘したものは適正に使ってくださいということをよく申し上げている。もし算定が甘かった場合はそれもしっかりやってくださいと申し上げている。その意味でまさにPDCAをしっかりやっていただきたい。国会から要請を受け、基金の検査もしているところ。タイミングが来たらご報告できればと思う。タイムリーに時期を得た検査を行い、わかりやすく皆さんにお伝えできればと思っている」などと話した。
ソフトバンクグループ・孫正義会長兼社長が、米国・トランプ次期大統領とともに記者会見し、米国で1000億ドル(約15兆円)を投資すると表明。トランプ次期大統領の会見は南部・フロリダ州にあるトランプ氏の私邸で行われ、ソフトバンクグループ・孫正義氏は今後4年間で1,000億ドル(約15兆円)をAIの分野などに投資する計画を明らかにした。また、この投資によりアメリカで少なくとも10万人の雇用を創出するとしている。孫氏はトランプ氏が初めて大統領に選出された2016年にもいち早くトランプ氏と会談し、アメリカの新興企業などに500億ドルを投じ5万人の雇用を創出すると表明しており、今回の投資はその2倍となる。
トランプ次期大統領は16日、南部フロリダ州の私邸で記者会見し来年1月20日の就任前に石破総理大臣と会談するのは可能だとの考えを示した。トランプ氏は日本の総理に大きな敬意を持っているとした上で「石破氏がそうしたいのであれば私はここにいる」と強調。
ドイツ連邦議会は16日、ショルツ首相が解散総選挙に向けて要請した信任投票を実施し反対多数で否決した。不信任となったショルツ氏はシュタインマイヤー大統領に議会解散を提案し来年2月23日に19年ぶりとなる解散総選挙が実施されることになる。
ロシアに亡命したシリアのアサド前大統領は16日、政権崩壊後初めて声明を発表。声明の中でアサド前大統領はテロリストと戦い続けることだけを考え辞任や避難を検討したことはなかったと訴えた。その上でアサド政権軍の最後の拠点が陥落し全ての国家機関が麻痺するまでシリアに留まりその後ロシアに避難したと主張。
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ショルツ首相不信任についてUBS SuMi TRUSTウェルスマネジメント・青木大樹さんは「もともと解散自体は言われていた。財政規律を守るかどうかで今回は与党が分裂の形になった。解散の際にフランスのような財政懸念が高まるかどうかが焦点になる。キリスト教民主社会同盟は緊縮財政をうたっている。ドイツは財政の懸念が高まることはあまりないのでは」とコメントした。UBS SuMi TRUSTウェルスマネジメント・青木大樹さんの経済視点は「フラッシュクラッシュ」。青木さんは「株や為替などでわずかな時間で市場が急落するような状況。過去に何度が起きている。2019年1月3日の早朝にドル円が急落。数分で108円台から103円台に急落。ITサービス会社による売り上げ予想の下方修正などがあった。アルゴリズム取引も加わり拡大を大きくした。1月6日にトランプ氏の大統領就任。20日に就任式を迎えて関税強化などといった発言が注目される。年末年始に積極的にポジションをとるといった投資家は少ない。取引が薄い中で大きなニュースが出ると動きが大きくなる」などと述べた。JPモルガンチェース銀行・棚瀬順哉さんの経済視点は「ノイズかニュースか」。棚瀬さんは「日銀の政策決定会合について今週の利上げを予想。マーケットの利上げ期待は急速に低下している。植田総裁のインタビュー記事や日銀審議委員の発言などからすると利上げの可能性が高い」などと述べた。