- 出演者
- 矢内雄一郎 大浜平太郎 パックン 平出真有 藤井由依 伊藤さゆり 安田光
2きょうの予定。国内は1月東京都区部消費者物価指数。日立製作所、富士通が決算発表。アメリカは2024年12月個人消費支出物価指数。エクソンモービルなどの決算発表。
全日空がヨーロッパ向けの路線を増やしている。伊藤さゆりさんがスタジオで解説「ヨーロッパは直行便がない年も結構ある。乗り継ぎ客が7割ということだったが、乗り継ぎの拠点が増えることも利便性が高まる、効率的なルートを考えられることになる。出張のニーズはアメリカとの間と比べ低いとみられるかもしれないが、アメリカが難しい政治状況にある中では、ヨーロッパとのビジネスやヨーロッパを玄関口とする中東、北アフリカへの展開も日本企業にとって重要な課題になる」などと語った。安田光は年初から出遅れ感が強かったので良好な決算が出てくれば日本株見直しのきっかけになるのではないか。今年に入りトランプ政権の関税政策の行方、DeepSeekの登場など先行き不透明な状況が続いているが日本企業の業績が思ったほど悪くないということが確認できることでマーケットでは安心感が広がっていくのではないかなどトークをした。
全国の天気予報を伝えた。
ホリコ・キャピタルマネジメント・堀古英司の解説。堀古さんは「トランプ第二次政権が発足したことで現在政治面への注目度は非常に高くなっている。また金融政策やAI業界の変化など去年よりも株価を上下させる要因は盛りだくさん。さらに近年は指数に連動するインデックス投資の割合が増加していることやインデックスに連動する派生商品が多く取引されているため市場はマクロ要因によって上下に触れやすくなっている。しかし株式というのは利益の裏付けがある資産。一時的に大きく下落することがあっても企業の利益さえ伸びていれば必ず株価は回復する。今年はこのような視点で市場に臨むことが特に重要な年になると考えている。S&P500のPERは利益予想に対し22倍台。S&P500指数の時価総額のうち3分の1はマグニフィセント・セブンで占められている。これら企業の成長率は非常に高く、S&P500の利益指数も高い。1年後、2年後もPERが同じで市場が予想している利益がそのまま実現するとなると2027年のかけてのS&P500指数は7500に達する可能性がある。今年は去年よりも大きめの株価の上下変動が予想されるがこのような時こそ原点に戻り改めてファンダメンタルズに着目することが重要な年になる」などと述べた。
為替、金利、商品先物の値動きを伝えた。
NY株式、セクター別騰落率(公益2.1%、不動産1.4%、ヘルスケア1.2%、情報技術−0.6%)を伝えた。
ニッセイ基礎研究所・伊藤さゆりの解説。ECBは0.25%の利下げとなった。昨日のFRBは政策金利を据え置き追加利下げ観測も後退している。一方ECBは連続利下げが見込まれている。伊藤さんは「基本的には0.25%の幅の連続利下げで中立金利と見られる2%までが標準的なシナリオだと思う。タカ派と言われているシュナーベル専務理事は中立的な領域が近づくにつれて斬新的アプローチが最適になると言っている。次は利下げかもしれないが4-6月期以降は中立領域に近づいていくので据え置きを挟みながら2%上の利下げに向かうのではないかという観測が成り立つ。昨年の秋に2%をきる場面があったが足元で上向いてきている。要因はエネルギー価格が前年を上回るようになったから。サービスインフレの高さ、4%伸びている。賃上げによる圧力が緩和していくということがあらゆる指標が示すとラガルド総裁が述べた通り。欧米の成長格差、利下げの見通し格差でユーロ安が進んでいる。エネルギー価格も上回ってきている。それに加えトランプ2.0の関税も加わる可能性がある。輸入インフレの再燃には目配りが必要。昨日発表の12月期のGDPが象徴した通り欧州の景気というのが非常に厳しい。トランプ2.0の政策というのはあからさまなアメリカ第一主義ということで欧州としては不安、さらに国際秩序を軽視する傾向があるというところも気がかり。関税政策はユーロ圏への逆風になる。安全保障について財政負担増大が予想される。政治面でも右派ポピュリストを域内でも勢いづかせてしまうリスクがある。ドイツとフランスはマイナス成長が確認され経済もふるわず政治情勢も膠着状態で内外の不確実性に対し有効な手立てが打てないのも問題。ドイツの世論調査で見ると第1党はキリスト教民主社会同盟。メルツ党首が次期首相になるだろう。メルツ氏は減税、エネルギー政策の転換で経済を回復させると言っているが、第一党になる見通しなのが極右のAFD(ドイツのための選択肢)。ドイツで伝統的に極右とは連立を組まないという原則がある。これを貫くなら、今連立与党を構成しているSPDか緑の党と組まなければならない。そうであるなら大胆な政策転換はできるのかという状況。フランスは2025年度の予算案をめぐってバルニエ内閣が倒れた。今首相にいるのは中道よりバイル氏。財政赤字を削減する意味では与野党一致。どこに負担を求めるかで対立。きのうも上下両院での協議会が開催。予算案が1本化されてすんなり成立できるか不透明。予算が成立してもリスク。予算案に時限的な大企業、高額所得者への増税が盛り込まれ、ここに財界が反発。ベルナール・アルノー氏は激しく非難している。ラガルド総裁は昨日の記者会見でトランプ2.0の影響について声明文の中で下方リスクになるということを盛り込んだということが一つ。次の利下げ占う材料として3月の見通しがどうなるのかということに注目する必要があると思っている。ECBは0.5%の利下げについては検討されなかったということなので利下げを急いでいる感じはない」などと述べた。
ソフトバンクグループが対話型AIの「チャットGPT」を開発した「オープンAI」に最大250億ドル(約3兆8,750億円)を追加出資することで協議に入った事が判明。ソフトバンクグループとオープンAIの協議は、150億ドル~250億ドルの出資で継続しており、追加出資額は流動的だが、合意すれば金額ベースでオープンAIに対する最大の資金の出し手になる見通し。孫正義会長兼社長やオープンAIのサム・アルトマンCEOは今月21日、トランプ大統領とともにAIインフラ構築に5,000億ドルを投資する計画を公表した。中国等との競争が激化するAI分野でアメリカの優位性を維持する狙いがある。(日経電子版)
アメリカで本業以外の事業を切り離す「スピンオフ」が大きな潮流となっている。「スピンオフ」は一般に複合企業(コングロマリット)が中核事業に専念することで経営の意思決定が迅速かつ柔軟になり、企業価値の向上に繋がるとされる。2024年までにGE(ゼネラル・エレクトリック)が3社に分割し、市場の評価を高めた。アクティビストがスピンオフを提案することも予想され、日本を含む世界の株式評価を高めるうえでの鍵となりそう。(日経電子版)
日産自動車はアメリカの3工場を対象に早期退職による従業員削減を行う方針を決めた。販売不振に伴う工場の生産縮小に向けた措置で、一連の効率化でアメリカの完成車の生産量を約25%削減する。生産を縮小するのはテネシー州・スマーナ工場、ミシシッピ州・キャントン工場の2か所の完成車工場と、テネシー州でエンジンを生産するデカード工場。いずれも時間給の従業員が対象で3月から始める。日産は業績不振を受け世界で9,000人の人員削減を実施する方針で、全社の構造改革の一環となる。
伊藤さんは日産の工場削減のニュースについて「全世界のオペレーションの見直しの一環ということで、マクロ的には好調なアメリカだが、販売不振・生産調整ということ。マクロ的に低調なヨーロッパでも自動車業界のオペレーションの見直しは今回の日産の北米事業よりもより抜本的な見直しが進んでいる。自動車産業はいまEVシフトが進んでいて、技術的な転換期・移行期にあることも関わっていると思う。市場環境の短期的な変化に柔軟に対応するのも大事だし、将来に向けた着実な布石を打っていくというのも必要で正念場を迎えている印象」などとコメントした。安田さんは「スピンオフ」について「日本でもコングロマリット企業はディスカウントされる傾向にあり、今後日本でも不採算事業の売却が進むことが鍵になってくると思う。今後日本企業はROAをいかに上げていくかという文脈で、昨年は自社株買いの増加などレバレッジ議論が盛んに進んだと思うが、本業の収益性であるROAをいかに上げるかというのが最大のポイントになってくると思う。ROAを上げる一つの政策としては、コングロマリットディスカウントになっている企業については不採算事業を売却し、経営資源を稼ぐセグメントに集中投資することがポイントになると思う。日本企業は長年、事業再編のようなことが苦手だったと思うが、東証改革の進行などもあり、いよいよ日本企業も動き出す可能性があるんじゃないかとみている」などと話した。
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パックンさんの解説。テーマは「社内ルールを破ったその先に・・・」。事例の紹介。メタでは25ドルの食事手当を他の品目に使用。アーンスト・アンド・ヤングでは複数の研修動画を同時に視聴。ターゲットでは人気の水用ボトルを客より先に購入していた。事例にあげた社員は全員解雇となった。解雇にする口実に使われているのではないかという見方がされている。しかし企業にとっても言い分がある。少しのルール破りは倫理観に欠けている証。将来、でっちあげや横領の可能性があるという予防解雇。「本音はリストラをしたがっている」とも言われている。「ステルス解雇」と呼ばれている。社員は会社側がリストラしたがっていることに気づいてルールを守っている。企業がリストラする場合はレイオフ(一時解雇)するのが通常。正当な経営上の理由、手当が必要。また投資家にとってはイメージが悪い。しかし、ステルス解雇はそのリスクを下げる。イメージを守ることが出来る。リストラよりもステルス解雇の方がよい。ステルス解雇はルール違反のほかにも事例がある。突然週5日の出勤制に戻されてできない人や、厳しい締め切りを設定されて守れない人は解雇される。正当な解雇の理由作りがステルス解雇。従業員を減らしたいとする背景はトランプ2.0の政策で米国経済の先行きが不透明になっていること、AIがオフィスワーカーの代替になっていること。また、コロナ過で人員を削減して景気の回復で一気に増やしたが余剰だった場合もある。ステルス解雇が広がると業員の会社に対する不信や不満がたまってくる。現在、失業率は低いが新雇用数も低い。求職者が再就職するまでにかかる期間は平均6カ月。6カ月以上、休職している人は160万人超。今日のパックン視点は「The need for morals is the moral.(道徳をどう説く?)」とし、パックンさんは「雇用者もルールを守るべき。お互いに監視し合うような環境は良くない。信頼し合える環境があった方が組織として機能する。企業が手本を見せる。企業は利益を求めるものだがチーム間も大切。社員はルールを企業は社員を守る」等とした。
全国の天気予報を伝えた。
アメリカの去年10月12月期の実質GDP国内総生産の速報値は前年比2.3%プラス。伸びは前の期から減速した。10−12月期の実質GDPは2.3%増加。11四半期連続でプラス成長となった。伸び率は縮小し市場予想2.6%プラスを下回った。個人消費は4.2プラスで前の期から伸びが加速。住宅投資5.3%プラスで3四半期ぶりにプラスに転じた。設備投資2.2%マイナス。2024年通年のGDPは前年比2.8%上昇で4年連続のプラス成長だが伸びは減速。
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日本取引上グループはきのう、子会社・東京証券取引所の元社員が、インサイダー取引の罪で在宅起訴されたことを受け、日本取引所グループ・山道裕己CEOを減額処分すると発表。山道CEOは「多大な迷惑をかけたことを深くお詫び申し上げる」と述べた。日本取引上グループは、山道CEOと東証・岩永社長の報酬を2か月間、50%減額処分する。一方で調査検証委員会が公表した報告書は、今回の事件を「前代未聞の事案」と非難したうえで、株価に影響を与える適時開示情報を公開前に共有する場合、範囲を最小限にするなど再発防止策を徹底するよう要請した。
フジテレビの親会社であるフジメディアホールディングスはきのう、2025年3月の業績予想を下方修正し、純利益を従来の290億円から98億円に引き下げた。元タレント中居正広さんと女性とのトラブルをめぐる対応で、スポンサー企業がCM放送を見合わせていることで、フジメディアホールディングスの子会社・フジテレビの広告収入は、従来計画を233億円下回る1252億円にとどまる見通し。フジテレビ・清水賢治社長は「今回の事案を受けて、フジテレビでの放送収入が大きな単位で減っていく。極めて深刻に受け止めている」と述べたうえで、フジテレビ単体では最終赤字となる見通しを示した。またフジメディアホールディングスは、取締役会の下に社外取締役全員で構成する「経営刷新小委員会」を30日付で設置した。
アップルの去年10−12月期の決算は前年比増収増益。1株利益2ドル40セントも市場予想を上回った。iPhoneの売上高は1年前より減少。市場予想を下回った。中華圏の売上高は185億1300万ドル(11.1%マイナス)と低迷。アップルは去年、中国市場でのスマートフォン出荷台数が3位に転落し苦戦が強いられていることが示された。
アメリカ・半導体大手・インテルの去年10−12月期の決算は売上高142億6000万ドル(7.4%マイナス)だったが市場予想は上回った。AI向け半導体などで苦戦は続いている。1−3月期の売上高見通しは市場予想128億7200万ドルを下回る水準。インテルは去年12月に行政低迷を受けて退任したゲルシンガー前CEOの後任について新たな情報を公開していない。
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モーサテプレミアムでは2月1日(土)午前9時〜モーサテSAT.を生配信。トランプ大統領の関税攻勢と金融市場をテーマに専門家が解説。
伊藤さゆりさんは「イノベーション・ギャップ」。アメリカへの楽観論とヨーロッパへの悲観論が目立つ。成長率の格差がある。原因は生産性の格差。根本的な原因としてイノベーション・ギャップがある。今週、ヨーロッパ委員会が5年間の成長戦略として「競争力コンパス」という政策を出した。昨年9月にマリオドラギー氏がまとめた報告書のたたき台。革新的な企業に対してはEU県内でバラバラな規制を適用するのではなく単一のルールを適用しようという提案。安田光さんは「依然不透明な要素は多いが・・・」。トランプ新政権がスタートした。関税政策について対中国では軟化姿勢を示している。メキシコ、カナダには従来通りの関税付加の方針を示している。以前として不透明な状態。インフレ再燃懸念も完全に晴れたわけではない。日本株にとってはポジティブな外部環境の変化も起こっている。アメリカ製造業PMIは市場予想を上回り7カ月ぶりに中立水準を上回る。利下げのプラス効果が出始めている。グローバルに波及すれば日本企業の業績見通しにプラスとなる。3−9決算の状況と関税政策の霧が晴れると日本株は上昇し始める可能性がある。トランプ政権の政策動向は注視する必要がある。生成AIについて中国のDeepSeekの話題が今週はあった。AIについてはアメリカ一強ではなくなってきている。DeepSeekは古い半導体を使ってコストは20分の1でアメリカの大手に負けないくらいのAIを作った。仕事の奪い合いもある。化学兵器や生物兵器の開発につかわれるなど心配もある。
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