- 出演者
- 萩谷麻衣子 大下容子 佐々木亮太 久保田直子 斎藤康貴 林美沙希 林美桜 杉村太蔵 水越祐一
モスクワの戦勝記念公園には戦闘でロシア軍が破壊したウクライナの戦車などが展示されていた。その中にはウクライナに供与されたドイツの主力戦車「レオパルト」もあった。ウクライナ侵攻が始まり大きく方針を変えたドイツ。当初はヘルメットの供与に止まっていたが今では前線に戦車を送るまでとなっている。ドイツ国内で今、論争となっているのが核武装論。ロシアへの警戒感や現実味を帯びてきた「もしトラ」による欧州の安全保障の懸念からドイツでは核武装論が巻き起こっている。ヒトラーのナチスドイツによる第二次世界大戦への突入。敗戦から平和主義を掲げ核兵器の開発を放棄したが、そのドイツで核武装論が巻き起こっている。更に13年前に停止した徴兵制の復活を求める声も。ドイツはどんな道を歩もうとしているのか。
欧州で自国の核兵器を保有しているのは英国、フランスの2国のみ。NATOの「核共有」で米国の核を配備する国がオランダ、ベルギー、ドイツ、イタリア、トルコ。ドイツには推計20発の米軍の核兵器が配備(ドイチェヴェレ)。有事の際は米国の同意のもとでドイツの戦闘機に搭載しての使用を想定(日経電子版)。ただ、ドイツ国内で根強い反核の声が。1983年、米軍基地で2000人が反核を訴える。2020年、核兵器を搭載する戦闘機を刷新する際に当時のドイツ与党議員からも「国内の核は安全保障を強めない。その逆だ」という声が上がっている(時事通信)。核武装をめぐる論議はドイツではタブー視されてきた。ドイツが懸念しているのが米国大統領選の結果。トランプ前大統領が2月10日の演説で大統領在任中の話としてNATO加盟国が国防費を十分に支払わずロシアに攻撃された場合「(米国は)守らない。むしろロシアをけしかけるだろう」と言った。NATO加盟国であるドイツであっても米国の核の傘に頼れなくなるとの懸念が強まっている。ドイツ国内で「核共有」「核保有」めぐり様々な議論が。ドイツ・リントナー財務相は「フランスと英国の核兵器もNATO加盟国の安全のために役立っている」と述べ、英国とフランスの核の傘に入る可能性を示唆している。「緑の党」フィッシャー元副首相は「EUには独自の核抑止力が必要だ」と述べている。ショルツ首相は欧州が自前の核の傘を持つことに反対している。ドイツの政治学者・テルハレ氏は「ドイツは米国から戦略核弾頭約1000発を購入するよう申し出るべきだ」と述べ、ドイツ独自で核を保有するべきだと主張している(ウォールストリートジャーナル)。ドイツ公共放送プロデューサー・マライメントライン氏は核共有について「3つのシナリオがある。1つは欧州で核を持つこと、2つ目はフランスの核の傘に入ること、3つ目はドイツ独自で核を持つこと。1つ目は欧州で持つことは可能ではあるが、今のところ枠組みができていない。さらに新たに購入しないといけないのでコストがかかるので今すぐにはできない。2つ目はフランス用の核なので融通が利かない問題点がある。3つ目はドイツ最終規定条約があるので現実的ではない。色んな方の発言を見ていても独自で持つのはないだろうと思う。上の世代は冷戦の記憶があり、威嚇し合う状況に戻りたくないとの思いが残っているので、議論としては進みにくい部分があると思う」等と解説。
ドイツは今年、国防費をGDP比2%まで引き上げた。一方で米国・トランプ前大統領は、ドイツなどNATO加盟国の国防費にさらなる注文をつけているという。日本で通訳の仕事をしているドイツ人は、国防費が増えることについて「結果としては必要は必要」と話した。トランプ前大統領は仮に大統領選に勝利した場合、NATO加盟国に国防費のさらなる増額を求めると公言している。
共同通信によると、ドイツの国防費は過去20年間、GDP比の1.1〜1.4%で推移してきた。しかしウクライナ侵攻をめぐるロシアの脅威の高まりもあり、ロイター通信によると、ドイツ国防省は今年度の国防費として、通常予算と特別予算から総額約11兆5600億円を計上した。これによってGDP比2%となった。冷戦終結後、2%になるのは初めて。ドイツの調査会社フォルサによると、国防費の拡大について「賛成」と答えた人は68%にのぼった。こうした中、アメリカのトランプ前大統領は今度の大統領選で再選した場合、NATO加盟国に対して国防費をGDPの3%に増やすよう働きかけるとしている。仮にNATO加盟国が国防費を増やさなければ、アメリカの支援を撤回するとまで発言している。マライ氏は「ウクライナ侵攻がドイツ人の意識を大きく変えた。ただGDP比3%の国防費となると今のドイツの財政状況では非現実的である」などと話した。また「今回の国防費拡大はドイツ国内では防衛費の増大だと受け止められている。ただ国内ではウクライナ侵攻に対する世論が複数に分かれていて統一されていない」などとも話した。
先月5日に行われた国連人権理事会で、ガザ地区での戦争犯罪と人道に対する罪の可能性についてイスラエルに説明責任を果たすよう求める決議を採択した。28カ国が賛成。日本など13カ国が棄権。ドイツ・アメリカなど6カ国が反対という結果になった。マライ氏は「ナチスのホロコーストの影響で、ドイツは今のネタニヤフに対して強く批判ができない状況にある。このドイツの自認識は変わらないと思う」などと話した。
「特捜9」の番組宣伝が流れた。
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