- 出演者
- 池谷亨 林修 藤井由依 関根勤 伊沢拓司 渡邉美穂
きょうは「誰が値段を決めるのかSP」。
値段に関して3つのことを調査。まずは「水族館」。向かったのは静岡駅前に建つ「松坂屋 静岡店」の中にある水族館「スマートアクアリウム静岡」。館内では約150種類・2,300匹の生き物を展示。最近流行りの体験型コーナーも。ハリセンボンへの餌やりや、肌の角質を食べるというドクターフィッシュなど親子連れに大人気。実はこの水族館は一風変わった料金システムを導入している。この水族館は入口に「入館料を決めるのはあなた!」と書かれている。実はここは平日は客が値段を決める水族館。ちなみに同行させてもらった女性2人組は1,400円を支払った。この金額の理由は土日祝日に定められた金額。客が値段を決める仕組みを「ポストプライシング」と言う。導入の理由を運営会社に聞くと「街なかの駅前の百貨店の中にあるということで、何度でも利用しやすい施設であるべきではないかと思ったから」とのこと。百貨店の7階にあるという立地を活かし、買い物のついでに気軽に来てもらいたいと考え2年前にこのシステムを導入した。普段遣いしてもらうため、館内には複数の座席スペースを設置。魚を楽しむだけではなく、カフェのような過ごし方もできる。ポストプライシング導入後、来場者は2割増加したという。
林先生は「僕は『東進ハイスクール 静岡校』に7年間毎週水曜日行っていましたから、結構(松坂屋に)買いに行っていたんですよ。特にこの中に僕の大好きな黒はんぺんの店があって、当時もしあったら上で黒はんぺんかじっていたでしょうね」などとコメントした。ちなみにこの2年間で最も高く支払った人は1万円、最低額は0円だったそう。
客が値段を決める水族館でみなさんがいくら払うのかを調査。土日祝日の入館料は大人1,400円・小学生800円。静岡県内に住む女性2人は「500円。スタンプのやつを500円で購入したので、入館料と合わせて1,000円で楽しめたかなと思って」と話す。母親・祖母・子ども2人で訪れた家族は、母・祖母が800円、上の子どもは400円、下の子供は小さいので0円で合計2,000円。父・母・娘2人の4人家族は大人2人がそれぞれ1,400円。理由は「子どもが自分で700円と決めたから、大人はその倍」とのこと。館内にいた男女2人は8回目の常連でここで勉強をしているという。支払った金額は1,500円と土日祝より高く、理由は「静かで普通の図書館やカフェより癒やされるから」とのこと。最後は初めて来たという女性2人組。支払った金額は1,500円ずつで「入場料が魚の餌代や施設の管理代に回されることもあるので、ちょっとだけお気持ち程度。水族館に貢献できている感じがする」と話した。調査の結果、1,400円を上回ったのは大人35人中14人。平均支払額は994円だった。
林先生は「思ったよりみなさん支払われている。水族館側は土日料金が1,400円なので、平日は多少安くてもいいっていう感覚で計算すると、まぁまぁ計算通りってことじゃないですか」とコメントした。客が値段を決めるポストプライシング。導入後、売り上げは全体で5%増えたという。さらに売り上げを伸ばすための工夫もしており、1,000円以上支払うと非売品のオリジナルグッズ、2,000円以上で次回以降に使える招待券がもらえる仕組み。客が値段を決めるこのシステムはアメリカにある「メトロポリタン美術館」デモ導入されている。入口に値段表が書かれているが、「推奨額」という表示で、大人は25ドル、学生は12ドル、払わなくても入ることができる。1970年にこの仕組みが導入されたが、入館者の支払額は年々低下。2018年には推奨額25ドルに対し平均わずか9ドルに。そこで固定料金に切り替えられた。ただしニューヨーク州在住者などはいまでも自由に料金を決めることができる。
次は「時価」について。店がその都度値段を決める「時価」。いくらなのか聞きづらいため調査した。東京・浅草の裏通りにある「すし屋の野八」。俳優や政治家も足を運ぶ名店。メニュー表はなく、客が食べたいものを指定するという。
浅草にある「すし屋の野八」で時価について聞いた。野八では約50種類のネタをだしているが、定番のネタはほぼ値段が決まっているとのこと。しかしいくつかのネタは日によって値段が変わる時価。寿司屋が時価にするものは大きく2つあるという。1つは季節もののネタ。出始めとその後で仕入れ値が大きく変わるため。もう1つは漁獲量にバラつきがあるネタ。その代表はウニ。ウニは仕入れ値の変動が特に激しいため値段は安い日で1貫800円、高い日は1200円だという。しかしこの店には例外が一つあるそう。それが車海老。1貫1000~1200円の間で変えている。この日の仕入れ値を見せてもらうと1本1400円。しかし1000円で出すという。実は車海老は店の看板ネタのため赤字になるのを承知でこの値段設定にしているという。
これからの季節、美味しい時価ネタについて、秋は松茸の握りもあり、出始めは高いがちょっと時間を置いていくとちょっとお得に食べられるようになる。時価を聞いても良く、野八の大将も聞いたら答えてくれるという。ただせっかくカウンターのお寿司屋さんなのでお金をいちいち気にしていると楽しめないので、値段が気になる方は最初に予算を伝えて入れば予算内でアレンジしてくれる、などと伝えた。
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寿司以外でも時価のメニューをだしている店がある。中目黒などに3店舗を展開する「あおもん」の時価メニューは名物の「アジフライ」。実はアジは漁獲量の変動が激しい魚で、日によって仕入れ値が大きく変わってしまう。時価のアジフライを早速注文してみると、刺身用の新鮮なアジを使い火を通しすぎずさっと揚げる。断面はかなりレアだ。店の看板メニューで客の9割以上が注文するという。あおもんのアジフライは1匹を2つに切って出すが、値段は安い日で680円。一方高い日だと1080円とかなり差がある。ちなみに取材した日は830円だった。せっかくなら安い日に行きたいものだが、質も値段もちょうどいいのが780円の日なんだそう。
「LIFE IS MONEY」はTVerで配信。
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伊沢さんの回答は「第3金曜日」だったが不正解。正解は「満月の日の翌日」。理由は諸説あるが、1つは満月の明るさ。アジは光に集まる習性があるため夜に明かりを焚いて漁をする。しかし満月の日は周りも明るいのでアジが集まらず捕獲量が減ると言われている。
東京・大島のお好み焼店「五代目まりこ屋」を紹介。エビ・ホタテなどが入った五代目焼き(1628円)が名物。そしてこちらのお得すぎるメニューが、A5ランクの和牛を使った”ほぼ利益なし!厳選和牛ステーキ”。飲食店の原価率は一般的に約3割といわれる中、原価率9割で提供するため時価で販売されている。
モノの値段は基本的に需要と供給で決まるが、誰が値段を決めるのかスタジオトーク。関根さんが「ガソリンの値段がガソリンスタンドによって違うのはなぜか」と問うと、池谷さんが「会社が値段を決めているだろう。原油を仕入れるタイミングや需要と供給がそれぞれ異なることで価格が変わるのではないか」などとコメント。
値段の決め方に特徴がある鳥貴族を調査。豊富なメニューと全品390円の統一価格がわかりやすいと人気。1985年の創業時は赤字続きだったそうで、全品250円にしたところ繁盛したという。お得なメニューがどれか考えるのも楽しみのひとつになっているお客様もいるようだ。企業側は、商品に偏りがないようお客様に幅広い商品をバランスよく選んでもらうことが必要。バランスをとるのは難しい点でもあると明かした。
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誰が値段を決めるのかについて、林先生は「値段は店と客が関わる部分。ひとつの値段設定が客数にも関わる。店と客間で信頼関係のもと消費活動が進むのがベストだが現実的な面で言うと値段設定の難しさを痛感した。」などとコメントした。