- 出演者
- 中谷しのぶ 澤麻美
オープニング映像。
石破氏、高市氏、小泉氏の三つどもえの戦いとなった今回の自民党総裁選。1回目の投票では、高市氏が2番目に多い国会議員票を集めて181票で1位に。2位は154票の石破氏。小泉氏は136票で3位となり、決選投票に残ることはできなかった。高市氏が票を伸ばした背景に、麻生副総裁の強い支持があったと見られている。麻生氏は、総理大臣時代に石破氏から退陣を迫られたことがあり、禍根が残っているとされる。また、小泉氏の後ろ盾、菅前総理との間でも、路線対立した経緯があり、最終的に高市氏支援に回ったとされる。高市氏と石破氏2人の決選投票直前、石破氏は演説で謙虚な姿勢を示すとともに、次の選挙で「議席を得る」と訴えた。そして決選では、石破氏のほうが議員票を多く積み増し、高市氏に逆転勝利。5度目の挑戦で総裁の座を射止めた。来週召集される臨時国会で、石破氏は第102代の総理大臣に就任する見通し。
自民党・石破新総裁は、銀行員を経て29歳で衆議院に初当選。2002年、小泉内閣で防衛庁長官として初入閣。重職を担ってきた。支えになってきたのは妻の存在。出身の慶応義塾大学で出会った。3度目の総裁選のとき番組に生出演した際、立候補した理由について「(これからの)日本は人口は恐ろしく減る。安全保障の環境は全く変わる。今までと違う日本を作らなければいけない」と述べた。若者の好感度を上げるため、漫画のコスプレをしたことも。最も総裁のいすに近づいたのは2度目の挑戦。決選投票で敗れたものの、1回目の投票では党員票を大きく伸ばし、地方人気の高さを見せつけた。ただ、総裁選に4度敗れた。そして今回、5度目の立候補。なぜ立候補したのか、ウェークアップのカメラに語ったのは、日本の将来に対する憂いだった。これまでは世論に近いとされる地方票を多く獲得してきた一方、決選投票で国会議員票が伸び悩み、敗北してきた。最後の戦いと位置づけ、背水の陣で臨んだ今回。ソフト路線のアピールで地方人気を武器にしてきた石破氏は、映画「男はつらいよ」のフーテンの寅さんになりきり、親しみやすさを演出していた。
財政規律重視の石破氏が事実上の新しい総理大臣に決まったことを受け、きのう、東京外国為替市場では一時、円高ドル安が進んだ。拉致被害者家族、横田めぐみさんの母・早紀江さんは石破新総裁に「この方(石破新総裁)が解決していただかないと。すぐにでも一番に(拉致問題を)やっていただきたい」と述べ、日朝首脳会談の早期実現を求めた。中国は、石破新総裁について「日本の内政であり、中国側はコメントを控える」としたものの、石破新総裁が先月、台湾で頼清徳総統と会談したことに強く反発。韓国メディアは、歴史認識問題で比較的穏健な意見を持っていると評価。「尹錫悦大統領と岸田総理が改善してきた両国関係を、少なくとも歴史問題で悪化させることはないだろう」と、日韓関係に大きな影響は出ないとの見方を示した。
石破氏「大逆転」の舞台裏を解説。過去の実例を見て議員票が集まるのかという声もあったが、蓋をあけてみると小泉さん・岸田さん・菅さんの陣営の票が集まったのと先々の総選挙を見据えた時に石破さんのほうが期待値が高かったのが大きいようだ。これによって安倍さん・麻生さんのラインが揺らいだのではないかとのこと。今日は4つのテーマ「総裁選の裏側」「党改革・人事」「政策」「解散・総選挙」を考える。まずは「総裁選の裏側」について。1回目投票では高市氏が石破さんを国会議員票と党員・党友票のどちらも上回っていたが決選投票では石破さんが国会議員票と都道府県票のどちらも上回って逆転となった。小泉さんは党員投票で伸びなかったのが敗因だという。原因は選択的夫婦別姓を1年以内に実現すると言ったことや軽はずみな発言が多かったのが不評を買ったのではないかとのこと。決選投票の議員票の動きが大きかった大きな要因の1つとして、高市さんになった場合は日本はどうなるんだ・総選挙で勝てるのかという不安感が広がっていたことなのだという。大きかったのは岸田総理大臣が石破さんを支持したこと。また高市さんは裏金議員への対応への甘さが目立ったというのもあったようだ。終盤になって派閥の影響が出てきたということがあったが、石破さんが勝ったのは脱派閥の象徴だと考えていいのだという。良かった点としては9人で多様な論争となり政治への関心を高めるのにはつながったのではないかとのこと。
2つ目のテーマは「党改革・人事」。”裏金議員”の公認について、石破さんは「徹底的に議論すべき」だと発言していたが「新体制で決めること」と修正している。また公認は選挙対策本部で適切に議論し、公認するにふさわしいという説明責任はきちんと果たすと発言している。人事については共に戦った8候補の要職起用に関して、立派な識見や政治姿勢を持っている方ばかりでもっともふさわしい役職にお願いすることは当然だと話した。ここで気になるのは派閥なき政権運営がどうなるのかということ。今回の総裁選では票がかなり割れたので党員内の反発や応援した人同士のしこりが残るんじゃないかとも言われている。また岸田さんの処遇や高市さんの陣営について。岸田さんは石破さんを支援したため岸田さんの力をどう借りて石破さんは党運営をしていくのかが1つのポイントとなる。派閥の弊害として人事で総裁選で固まった票を出すことで見返りとしてポストを要求していたのが良くないと言われていた。石破さんが派閥の支援を受けたことの見返りとして人事などをやることがあるのかないのかということで、もしあれば派閥逆戻りのことになるので今後の人事がそれを見る大きな試金石となるのではないか。今出てきている人事として、森山総務会長が党の要職で起用することを調整しているという情報が入ってきているという。もう1つ注目されているのが小泉さんをどのポストで処遇するかということ。敗れた候補の起用にも注目が集まっている。一番の課題はアンチ石破をどうやって引っ張っていくかということになりそうである。
3つ目のテーマは「政策」。経済は岸田政権の路線を踏襲するとしている。最低賃金の引上げを加速し、2020年代に全国平均1500円にして金融所得課税の強化についても前向きな姿勢を示している。外交・安全保障についてはアジア版NATOの提唱、日米地位協定の改定、拉致被害者の帰国を実現するために東京・平壌で相互の連絡事務所の開設をあげている。少子化対策については子育て支援の在り方を見直し、手当より無償化へと掲げている。また選択的夫婦別姓については賛成、健康保険証の廃止は先送りとのこと。肝いりの政策は「防災省の創設」「地方創生」となる。防災省の創設については内閣府の防災担当の人員拡充や予算増額が「防災庁」や「防災省」につながっていくと考えていると話した。防災省については15年間主張し続けているという。総裁選の中では他候補からは新しい省庁の設置が防災対策に役立つのかは中身次第だと言われていたという声があがっていた。外交に関しては不安を口にする幹部が多いという。岸田政権の経済政策は経済界では高く評価されているため、引き継いでいくのが無難ではないかということ。
昨夜、「ウェークアップ」の単独インタビューに応じた立憲民主党の野田代表。石破新総裁について、「ぜひこの国会でも大いに論戦をしたい。予算委員会やりましょう、党首討論やりましょう。がっぷり四つでどっちが押し切るかという、そういう力勝負をやりたいなと思います」と述べた。政治とカネを巡る問題について、きのう石破新総裁は、「ルールを守る自由民主党。そして守っているかどうかということが、きちんと国民の皆様方に検証されるような、そういう仕組みを作っていかなければなりません」と述べた。この発言に野田代表は、「政治資金規正法という法律を破った。それだけではなく、私は脱税事件だと思ってますので、所得税法違反でもあると思います。なぜそんなことをしたのかという解明をぜひやってほしい」などと述べた。野田代表は人事に着手。要となる幹事長に小川淳也元政調会長を起用するなど党役員人事を発表。野田代表「自分が刷新感ない分を、骨格の人事では将来のリーダーが重要なポジションを得ながら育っていく構図を作っていきたい」。石破新総裁は、解散総選挙の時期について、きのうの会見で「野党の方々とも論戦を交わしたうえで、ご判断をいただきたい。しかしながら、なるべく早くご審判を賜らねばならない」と述べた。野田代表は「私はそっち(最初)のことばを信じたい。補正予算の審議もちゃんとやる。政治姿勢がきちっと国会の審議で明らかにになった。あるいは閣僚たちの資質も明らかになった、そのときに堂々と信を問うべき。(獲得議席目標は?)目指すのは自公の過半数割れ」と述べた。
今後の主な政治日程として、臨時国会で新首相が選出され新内閣が発足。衆院解散の時期としては、最短は10月27日と想定されているがそこに間に合うかが一番の争点となる。予算委員会と党首討論があり、そのどちらかで石破さんは野田さんや野党側と討論することが必要だと言っている。その言い方をしていると10月27日には間に合わず、現実的には11月10日なのだろうとある党幹部は言っているという。今回の自民党総裁選を通じて自民党は勢いがついたのではないかとのこと。それに対抗するための手段は野党間で候補者調整ができるかということ。石破さんと野田さんは弁舌が立つ面白いリーダーのため、政治に関心ができるきっかけになっていくのではないかという期待がある。安倍さんのときは議会軽視が目立ってたので議会政治をちゃんと復活させる状態を作り上げてほしいとのこと。
兵庫県・斎藤元彦知事の会見「議会の解散はせず、30日付で失職をする。そして出直し選挙に臨ませていただく」。パワハラ疑惑などの告発を巡り、兵庫県議会で不信任決議案が可決された斎藤知事。県民に信を問う道を選んだ。決断を後押ししたのは、「辞めないで」と書かれた高校生からの手紙だったという。辞職で再選された場合、任期は来年7月末までだが、今回選択した自動失職で再選された場合の任期は新たに4年間となる。県の選挙管理委員会は、あさって月曜日に知事選の日程を決める方針で、投開票は11月10日か17日が想定されている。
ドジャースの地区優勝が懸かったパドレス戦。同点の場面で打席に立ったのは、ドジャース・大谷翔平。勝ち越しのタイムリーヒット。メジャー7年目で自身初となる地区優勝を果たした。ドジャース7−2パドレス。初のシャンパンファイト。大谷「(シャンパンファイトは)最高でした。まだまだ何回もできるように、今シーズンまだまだあるので頑張りたい」。
スナック菓子「うまい棒」を販売するやおきんは、来月出荷分から希望小売価格を税抜き12円から15円に値上げすると発表した。原材料価格の上昇などが理由だという。値上げの波はほかにも。
来月から、はがきの価格は63円から85円に。郵便料金が上がる。消費税の引き上げ時を除くと、30年ぶりとなる郵便料金の値上げ。来月から定形郵便物は一律で110円に。レターパックもおよそ15%値上げ。年賀はがきを出す場合は、例えば100枚でこれまでより2200円多く出費がかさむことになる。年賀状離れの加速に歯止めをかけようと、日本郵便は新商品を発表。
郵便料金の値上げで懸念される「年賀状離れ」の加速。コンビニエンスストアで使えるデジタルギフトや食品などを受け取れる2次元コード付きの年賀はがきを11月から新たに発売する。現状維持だけではなく新しい挑戦・新しい価値を考えていくことは必要だと思っているようだ。また印刷会社では場合によっては受注が半減する可能性もあるかもしれないとのこと。年賀状などの印刷サービスが売り上げの約6割でリピート客は早期予約などで最大7割引きにして顧客をつなぎとめようとしているが、5年もすればほとんど年賀状の市場はなくなるのではないかという。年賀状離れが進む中、年賀じまいを伝えるスタンプは売り上げを伸ばしている。
未来の予測などから現代の課題と対策を考えるコーナー。「2034年、減り続ける交番・駐在所…何が」が今回のテーマとなる。奈良県警・桜井駅前交番で勤務する2人の巡査はある事件を解決へと導く。桜井駅近くの路上で男が女子高校生に卑猥な言動をとった事件が発生し、手配書として共有されたが服装も一緒の人物が通ったので職務質問をしたところ容疑を認めた。容疑者の詳細や特徴が記載されているファイルやパソコンを見て、常日頃記憶することを心掛けているという。小さい事案でも大きい事案に発展する恐れもあるため地域警察官の存在は大事ではないかという。ストーカーや特殊詐欺の件数が膨大になってきており交番や駐在所の人員配置が難しくなってきているのが原因である。
神奈川県・山北町にある交番は3年前に統廃合で閉鎖された。駅前にあって安心できるところだったという。町議会でも交番がなくなる際には議論が行われ、町としては認めることができないと意見は一致していた。反対するため署名活動を行ったが、行政や警察を動かすことはできなかった。交番がなくなる前後では周辺地区で空き巣被害などが発生し住民は不安を感じているという。神奈川県警は2020年度から10年間で471か所の交番をおおむね400か所に統合する計画にしており、山北交番を統廃合した経緯については「事件・事故の取り扱い件数や建物の老朽化等を総合的に勘案したものです」としている。また県内では交番機能とパトカーの機動力を兼ね備えた移動式交番を開設する対応をしている。
地域の交番は安心の拠り所であり、街頭犯罪の抑止力にもなっているのではないか。また交番の代わりで新たに頼れる存在が出てくるのかどうか。日本では街頭・侵入犯罪の認知件数が大幅に減っており、サイバー犯罪や特殊詐欺が増えている。つまり犯罪形態が変わっているため交番が減っているようである。警察庁は治安情勢に応じて適正かつ合理的な配置となるよう絶えず見直しを行っており、交番や駐在所の勤務体系も変えていくという。交番がなくなって犯罪が増えたということはないが、不安視する声もある。日本の治安の良さの理由の1つが交番のシステムと言われているという。つまり統廃合しても良さは残すべきではないかということ。
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- サンパウロ(ブラジル)シンガポール警察庁
AIを使った防犯システムを開発している企業があり、防犯カメラに移っている範囲で人間らしい骨格が倒れたりふらついたり暴力行為が起きたりすると警備室などに警報音が鳴り響く。現在は商業施設や駅・空港など公共空間の中で使用されているが将来的には警察との連携も視野に入れており、交番のパトロール勤務を補うことを想定しているという。日本は人工が減っていくのは避けられないためAIを使って安全を保っていくのは時代の流れとして進めなければいけないこと。今は警察の取り組みと住民の不安感のギャップを埋めることにあり、交番がなくなってどう治安を守るのかやAIを使ってパトロールを効率化し不安を少しでも減らしていくのが重要ではないかという。