2024年6月13日放送 23:06 - 23:55 テレビ東京

カンブリア宮殿
【能登でにぎわう異色の施設!「ごちゃまぜ」戦略とは?】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

全国が注目!“ごちゃませ”施設の全貌
温泉&ビール 被災地に日常 異色の施設「輪島カブーレ」

石川県輪島市は元日の地震で朝市通りもまだ復旧していない。倒壊した建物はそのままで開いている店もまだ少ない。そんな中で人で賑わう場所が。お風呂が再開し、しかも天然温泉で地下1200mから汲み上げている。輪島カブーレという施設は2018年にオープン。被災地なのに賑わっている理由は一杯400円のクラフトビールに揚げたての天ぷらが楽しめ、風呂上がりに一杯というお客が肩を並べる。また施設にはスポーツジムまであり地域の人は誰でも利用できる。街の人達がこぞってやってくるこの場所を運営しているのは佛子園という社会福祉法人。接客担当の沖泙さんには軽度の知的障害があり、ここは障害者の就労施設でおよそ50人の障害のある人たちが働いている。さらに高齢者が日中介護をうけるデイサービスシステムでもあり福祉施設でありながら温泉や食事処を地域住民が使用することで人々が自然に交流するごちゃまぜの施設は年間23万人が訪れる。そんな輪島カブーレも地震の被害を受けスタッフは全員被災したが、施設長の寺田を先頭に一日も早い復旧に力を尽くした。今ここに来ている人の多くが被災者。

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クラフトビール令和6年能登半島地震佛子園輪島KABULET温泉輪島市 朝市通り輪島市(石川)

自宅に住めなくなくなった人たちにとってもカブーレは拠り所。瓦礫があふれ、ライフラインが途絶えていた輪島でカブーレはそうそうに再開できたか?その理由は運営母体の佛子園本部は音とは離れた白山市にあり、大きな被害はうけなかった。地震の2日後には本部は他の施設から水や食料の運搬を開始。震災11日後には温泉を再開した。支援物資の中にはビールもあり、佛子園が製造する賞を受賞したこともあるクラフトビール。被災地でのアルコールは不謹慎だという声もあったが、こんな状態だからこそアルコールも出すべきと言い切った人物がいる。その人こそが佛子園の理事長の雄谷良成。雄谷は福祉業界に革命を起こしてきた人物。作ってきたのは本来の枠組みを越えた福祉施設。障害者や高齢者、地域住民も皆が集まる交流の場にして街を元気にしてきた。そのとりくみが注目され者など年間150万人が訪れるように。2016年に番組にも登場し、掲げるごちゃまぜの必要性を説いていた。佛子園は、お寺の住職だった雄谷の祖父が戦災孤児や障害児などを預かり1960年に創設した。雄谷は障害のある人たちと一緒に育った。25歳の時に途上国支援のために青年海外協力隊としてドミニカ共和国に赴任。貧しいながらも人々が繋がり合って生きる姿にごちゃまぜの原点をみたという。34歳で佛子園の仕事を始めた。

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ドミニカ共和国令和6年能登半島地震佛子園白山市(石川)輪島KABULET温泉輪島市(石川)
しょう油蔵・寿司店も期待 再起を促す「悪だくみ」

雄谷は今ごちゃまぜで地域を元気にしてきた手法で復興支援に取り組んでいる。この日訪ねたのは輪島の老舗のしょう油蔵。地域で長年愛されるサクラ醤油を作ってきた築120年以上の蔵は今回の地震で倒壊した。今回の地震で最大震度7となった輪島市では8000棟以上の住宅が全半壊。多くの人が住まいや生業を失った。この蔵も再建を模索中だが代々受け継いできた木桶は使えるかどうかわからない状態。雄谷は悪だくみをすると答えたが、ここに屋台村を作るという。入るのは店を失った輪島の約の飲食店。コストも人手も少なく済む屋台を再建の第一歩にしてもらおうと考えた。

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サクラ醤油令和6年能登半島地震佛子園谷川醸造輪島市(石川)

三味線通り近くで60年続く寿司や二代目の松野さん。震災前は地元客や観光客で賑わう店だったが店は全壊の判定をされた。再建の見通しが立たない中で屋台村の構想をきいて希望を感じたという。

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令和6年能登半島地震佛子園美喜寿司輪島市(石川)
温泉&ビール 被災地に日常  

雄谷は今回の震災で災害が発生した時に逃げないといけないがその先がごちゃまぜで障害者や高齢者はわけられることはないという。災害時前に輪島カブーレに集まっていた人たちは年代や国籍問わずそれぞれが集まっていたが発災してからもごちゃまぜなのでカブーレの人たちはカブーレに来てもあまりいつもと変わらないところがあると災害時でも思うという。またトラブルは大変なのでは?との質問に雄谷はそもそもごちゃまぜにすればトラブルだらけになるが災害時もそうなってしまうが耐性があるという。また案外構われるだけではなく一人になりたい人は一人になれるのがごちゃまぜの懐の深さだという。また屋台村の構想については屋台には3つのパターンがあるという。店のママが話を聞いてくれる店、屋台なのに逸品がでてくる店、その間にある店があり、客が食べたい、話したいと思う通りの店にいくが、皆が集合することにより皆が一つの大きな機能を持つことになるという。

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津波から逃れて向かった「日本海倶楽部」とは?

津波に襲われた能登町。その命を支えたのは佛子園の施設だった。

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津波から逃れて向かった「日本海倶楽部」とは?

今年の元日に能登町白丸地区は4.7mの津波に襲われた。多くの住宅が跡形もなく流され、砂山さんもその一人。地震があってすぐに近所の人達と声を掛け合い高台に逃げた。その場所は佛子園が運営する農場施設だった。日本海倶楽部は1998年に佛子園がはじめてごちゃまぜの施設として誕生させた。26年前から障害のある人たちとクラフトビールを製造。レストランもあり、地域の人や観光客が多く訪れていた。さらに耕作放棄地が増える能登町で、障害者がそうした土地を耕し地域の農業を支えてきた。施設長の竹中は震災直後から人々の避難生活を支えてきたが今は復興支援にあたっている。

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2年後に3億円の収入を 芋づる式の農業とは?

能登町で最も多い農産物は米だが震災で打撃を受けた。塩害で米づくりができなくなり地割れした田んぼも多いという。水が貯められず米づくりを諦めた農家もいるという。そこで竹中は地域の農家に声をかけて新たな取り組みを始め、新たな作物で農業の再建を狙う。それはサツマイモ。能登町全体の米の収入はおよそ6億円あったが田んぼが使えないために収入は激減する見込み。そこで荒れ地でもよく育つサツマイモを新たな特産品にしようと苗を植える活動がおこなわれた。収穫後の販路も確保しお菓子の原料として石川県内の加工メーカーを買い取る。農家と障害者が協力して2年後に三億円の収穫を計画している。

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僧侶と保育士がチームに 被災地の御用開き

3月に入居が始まった仮設住宅を訪問している一団がいた。暮らしの困り事を聞き取っている彼らはJOCA。青年海外協力協会で雄谷が会長をつとめる組織で佛子園とともに東日本や熊本の震災でも復興支援に携わってきた。今回自治体だけではカバーしきれない仮設の見守り支援を託されているが、普段人を支える保育士や僧侶など様々な仕事についているという。

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仮設住宅に新たな施設 銭湯がもたらす効果

仮設での生活は長期化が予想される。雄谷はそこに欠けているものがあるという。雄谷が懸念するのは災害関連死の発生。避難生活での持病の悪化や自死など災害との因果関係がある死亡のことで、熊本地震では直接死が50人だったが災害関連死は218人と4倍も多い。能登半島地震ではすでに30人が災害関連死と認定されている。それを防ぐのに有効だと雄谷が考えたのはコミュニティーセンター仮設のある一角に銭湯や食堂など人が集まる仮設住宅内の施設。自然とごちゃまぜに慣れる場所をつくり、人と人とのつながりが生まれるようにすることが孤立を防ぎ命を守ることになる。

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お風呂とビールが生む作用 避難所から出た後に注意

JOCAについて雄谷は青年海外協力隊の経験者が海外支援で経験したことを今度は日本の各地で地方を元気にする形で変えられないかと考えて結成されたという。また災害関連死について避難所を出た後が多いというが雄谷は、避難所から仮設住宅に移ると状況はよくなったと思われるが避難所だと何が起こっても皆でいるので見守ることができたという。しかし仮設住宅は行く場所がないと家にいるしかないので孤立が始まってしまうと答え、話をするのにお茶がのめてお風呂に入れるきっかけがなければ仮設住宅から出づらいと答えた。また輪島カブーレのミニチュアのように新しくごちゃまぜ施設ができる計画が早くも生まれているが、ここまで早くなったのは福祉ではなくお風呂とビールの方が強いのかもしれないと答えた。

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「ここは最高」思わず出たホンネ 地域に“熱”を生む方法

鳥取県・南部町は豊かな里山の町だがこの20年で人口が2割も減少し活気がなくなっていたという。その町に一昨年オープンしたのは法勝寺温泉。佛子園流で問題の解決をはかっている。仕掛けたのは前町長の坂本昭文さん。雄谷の進めるごちゃまぜが町を活性化させ、拠り所になると考えた。人が寄ってくる南部町のごちゃまぜ施設の一番人気は温泉。地下1200mから湧き出る温泉はとろみがあり肌がつるつるになると評判。料金は大人450円だが、カードを出すだけの人も。ここで週に一回ボランティアをすると働いた疲れを癒やすという名目で温泉にタダで入ることができるという。佛子園同様ここでも障害のある人30人が働いている。ここには毎日のように町の高齢者から子どもまでガヤガヤと集まってくる。こうした取り組みによって子育て世帯が移住してきて町に少しずつ活気が戻ってきたという。雄谷は佛子園のやり方を導入している全国の施設については、計画段階で結構な数になっていると答え事業に結びつけていきたいという自治体は200を超えてきているという。またごちゃまぜの施設では話さなくても同じ場所で同じ方向を向いている安心感を利用者は感じていると答えた。

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久しぶりの焼き鳥「手が震える」がれきの中輪島でイベント

4月末に輪島カブーレの周辺に大勢の人が集まっていた。雄谷の声掛けで復興イベントが開催。実行委員は被災した町の人々。まだ瓦礫も残る中で被災した店が模擬店をだした。店主たちも久しぶりに商売ができると張り切っている。被災した谷川醸造や美喜寿司などが久しぶりに腕を振る舞ったという。

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(エンディング)
編集後記

村上はきょうの総括に寺の住職だった祖父が、戦災孤児・障がい児など行き場がなくなった子どもたちを引き取ったことからはじまった佛子園。雄谷良成氏は、その子どもたちといっしょに育った。「ごちゃまぜ」で育ったのだ。能登町に「日本海倶楽部」がある。レストランは地元の人、観光客に人気で、福祉施設が地元に愛される存在に。今回の震災では津波襲われた地域の人々が逃げてきた。日頃から付き合いがあったため、助け合うことが可能になった。「ごちゃまぜ」で、トラブルは起こる。見守り解決する。面倒でむずかしい。とした。

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次回予告

カンブリア宮殿の次回予告。

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