- 出演者
- 矢内雄一郎 池谷亨 中原みなみ 木野内栄治 植野大作 藤原崇幸
オープニング映像。
矢内さんは「与党の過半数割れとなった今回の衆議院選挙。市場はどのように反応するのか」と述べた。
きのう投開票された衆議院議員選挙で、与党の獲得議席が過半数の233を下回る結果となった。一方、野党は議席を伸ばした。自公が過半数割れとなるのは旧民主党が政権交代を果たした2009年の衆院選以来で、石破政権は今後、一部野党などとの連携を模索する見通し。また、自民党幹部は政治資金問題に関連し、非公認とした候補者が当選したケースについて「追加公認は当面行わない」との考えを示した。自民党とともに議席数を減らした公明党は、埼玉14区で立候補した石井代表も落選。一方、立憲民主党は公示前勢力の98議席を大きく上回り、小選挙区と比例代表で合計140議席を超えた。また、国民民主党は28議席を獲得し公示前の4倍に増やしたほか、日本維新の会が38議席、共産党が8議席、れいわ新選組が9議席をそれぞれ獲得した。
けさのゲストは大和証券・木野内さんと、為替などの見通しは三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野さん。選挙結果のマーケットへの影響について木野内さんは「マーケットでは国内はある程度織り込んでいたが、問題は外国人投資家。選挙で与党が負けると『経済が悪い証だ』と外国人投資家はまず売りで反応するというのが基本原則。今回は少数与党で行くとしても1979年の”70日構想”のように自民党内の石破総裁体制が脆弱になると株価の上値は重いと思う。逆に石破総裁で党内が固まるとか、どなたかにすんなりとバトンタッチとなると、特に前回決選投票で争った高市さんなんかにバトンタッチとなると投資家の判断はポジティブに変化すると思うが、しばらく時間がかかると思う」などと話した。植野さんは「自公過半数割れの可能性については為替市場もある程度は事前の世論調査などで分かっていたのでその事自体にサプライズはないと思う。ただ、与党で過半数を得られなかったことで、選挙後に誕生する連立政権の枠組みと政策次第で無視できない影響が市場に及ぶ可能性がある。これからは最終的にどういう連立政権が誕生するにしても、どういう政策で合意するのか、その後できた連立政権が7月の参院選までちゃんともつのかどうかなどが焦点になってくると思う。冷めたことを言うと、ドル円相場への影響といえば日本の政策も重要だが、アメリカの経済・金融政策のほうが遥かに大事なので、市場の争点は今週末の雇用統計とかFOMCにシフトしていくと思う」などと述べた。
アメリカの9月の耐久財受注は前の月から0.8%減少し、2か月連続でマイナスとなった。輸送機器の落ち込みが主な要因で、9月にボーイングの労働組合がストライキに入った影響を受け、民間航空機・部品が22%以上減少した。一方、設備投資の先行指標とされる航空機を除く非国防資本財は0.5%増加し、上げ幅は8月から拡大している。
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10月のミシガン大学消費者信頼感指数の確報値は70.5と速報値から上方修正された。前月から上昇し、市場予想も上回った。調査担当者は指数の上昇について「金利の低下もあり、耐久財の購入条件が改善したため」と説明している。1年先の期待インフレ率は2.7%で、速報値から下方修正され前月から横ばいとなった。
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ドイツのIfo経済研究所が発表した10月の企業の景況感指数は86.5と前月から1.1本と上昇し、市場予想も上回った。また、先行きを示す期待指数も前月から0.9ポイント上昇している。それぞれ前月まで4か月連続で悪化していたが、Ifoのフュースト所長は「ドイツ経済は落ち込みに一旦歯止めをかけた」と指摘している。
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三菱UFJモルガンスタンレー証券・植野大作さんがスタジオで解説。ドル/円予想レンジ:152.20~153.70円。植野さんは「今週の注目材料は日銀会合と米国雇用統計。日米とも週の後半にビッグイベントを控え、本日は様子見ムード。衆議院選挙が終わり、市場の注目は再び米国経済の動向に回帰するとみている。注目ポイントは「米国経済3つのシナリオとドル円」。米国の経済シナリオ「ソフトランディング(景気軟着陸)」「ハードランディング(景気後退)」「ノーランディング(堅調維持)」。植野さんは「ソフトランディングの場合、1ドル140円台後半にドル円は安定推移が見込まれる。ハードランディングの場合、、政策金利は2%を大きく下回る水準まで引き下げられている。ドル円は130円台まで下がるリスクが発生する。ノーランディングの場合はアトランタ連銀の推計で7-9月期のGDPは前期比年率3.31%の高成長、現地エコノミスト(中央値)前期比年率・3.0%。市場が見ているほどFRB(連邦準備制度理事会)の利下げが進まなくなり、ドル円が再び160円を目指すリスクもあるため要注意。ソフトランディングの可能性が8割程度、ハードランディングやノーランディングは1割程度でドル円は底堅く推移すると考えている」などと述べた。
10年国債の利率を伝えた。
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株式先物の値動きを伝えた。
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第一生命経済研究所・藤代宏一が電話で解説。日経平均予想レンジは3万7000円~3万8000円。藤代さんは「衆院選が予想以上に自民党が議席を減らした。政権基盤の弱体化、政策の遂行能力が低下するため、投資家に嫌われると考えられる。支持率上昇に向け、拡張的な財政政策への期待が高まる、法人増税、金融所得課税への警戒感が一段と後退し株式に追い風の面もある。本日の日経平均は政治の先行き不安から大幅下落となると見込んでいる」などと述べた。注目ポイントは「米国大統領選後、不透明感は後退する?」。藤代さんは「日本の政権基盤への不安以上に為替と金利は米国市場の影響が大きかった。米国経済指標が堅調に推移する中、FRB(連邦準備制度理事会)の利下げ観測は後退。FF金利先物が織り込む年内の利下げ幅は0.4%ポイントまで下落。2025年12月のFOMCの金利水準は現在3.5%。円金利上昇をともない日米長期金利差が拡大、ドル高、円安が進むことに大きな違和感はない。株安は大統領選をめぐる不透明感が大きい。トランプ前大統領の優勢が薄む中、特に影響が懸念されているのは自動車。トランプ氏も関税を好むので中国製品を中心に関税引き上げを主張している。その他の国の製品に対しても10%の関税を課すとして日本から米国への自動車輸出が上昇する可能性がある。関税率200%とも言及しているので自動車大手に打撃を与えると思う。関税の引き上げによって足元で落ち着いている財価格のインフレが加速すると消費者の不安を招く、経済全体に悪影響を及ぼす。利下げの障壁にもなる。不透明感、大統領政権でハリス政権が誕生するとやわらぐと思うが、長い目で考えるとトランプ大統領の任期中、交渉のすえに見送られた経緯もあるため政治的な脅しで終わる可能性もある。関税の引き上げが回避されるという期待感が芽生えると株価が反発する余地は大きい」などと述べた。
29日:9月失業率・有効求人倍率。米国は9月雇用動向調査(JOLTS)。30日は米国7−9月期GDP(国内総生産)。31日は日銀金融政策決定会合の結果発表。1日は米国10月雇用統計。その他決算発表は29日はコマツ、キーエンスが発表。米国はアルファベット、AMDが決算発表を控える。30日はメタ、マイクロソフトが発表。31日はアップル、アマゾン。1日は村田製作所などが決算発表を予定している。
投資家にとっては衆議院選挙の結果を引きずりつつも、今週の予定を見ると重要な週木野内栄治さんがスタジオで解説「今週後半には米国雇用統計やISM製造業景気指数、決算発表も国内で本格化。あすのいまごろの米国・フォードの決算が注目」などと自動車株について語った。植野大作さんは雇用統計に注目だといい、スタジオで解説。「米国の雇用統計が、外国為替市場で注目を集めるのは毎月の恒例行事」といい、「雇用統計は大統領選挙の4日前という重要なタイミングで発表。結果が良ければ現職副大統領のハリス陣営に追い風になる一方で、悪ければトランプ陣営から攻撃材料にされる。いつもとは違う角度から報道される可能性もあるため注目」などと話す。木野内栄治さんがスタジオで「前回の雇用統計は大変良かった。今回はハリケーンの影響、電気自動車関係のリストラ、ボーイングのストで相当かく乱要因が多い」などと雇用統計について語った。
全国の天気予報を伝えた。
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調査は衆院選の投票締め切り後にインターネット経由で実施、39人から回答を得た。今週末の日経平均予想、予想中央値は37400円。36800円を見込むニッセイ基礎研究所・井出真吾氏は「政治の不安定化の懸念から海外投資家の売りが膨らむ」と指摘した上で「株価の回復には少し時間がかりそうだ」とみている。38400円を見込む岩井コスモ証券・林卓郎氏は「決算評価で週末に持ち直す」とみている。今週末のドル円予想、予想中央値は152.00円。中央値と同じ水準を見込む、あおぞら銀行・諸我晃氏は「今後の政権の枠組みが大きく影響」と分析。中央値より円高を見込むマーケット・リスク・アドバイザリー・深谷幸司氏は「アメリカの指標は想定より弱い可能性もありドルは下落するリスクがある」と予想している。モーサテ景気先行指数は14.1、2週連続で悪化。アメリカは2週ぶり悪化、ヨーロッパは2週連続で改善、中国は3週連続悪化。
木野内栄治さんの解説。木野内さんは「現実の問題として工場誘致合戦になっており、産業誘致の競争が行われています。そんな中、必要なものとは円安です。円安基調を維持すれば工場だけじゃなく、北海道のニセコや長野の白馬のようにリゾートなんかでも、外国人の誘致に成功することができます。円安は、工場だけじゃなく、産業誘致全般に効果があります。インフレを怖がり、場当たり的に金融引き締めをして需要を抑えてしまうと良くなくて、積極的に需要超過の状態を維持すれば、日本に研究開発拠点なども増えてくるということも期待でき、省力化の設備投資も進むと思います。日銀は、実質金利が十分低いので大丈夫と説明しましたが、重要なのは実質長期金利です。今後は、インフレをある程度甘受し、実質金利を上げないという努力が政策パッケージとしては必要ということになります。具体的には、産業を自国に誘致するという、政策パッケージをトータルで考えているというメッセージがやっぱり大事です。国民にとっても景気が良くなっていきますから」などと話した。
共同通信社が27日に全国の投票所で実施した出口調査によると、無党派層の投票先として立民が最も多かった。立民は前回の2021年衆院選から無党派層の支持を1ポイントを伸ばした。出口調査で支持政党なしと答えた無党派層は全体の14.6%を占めた。無党派層の比例投票先トップの立民に国民民主党17.8%、自民党12.9%、日本維新の会11.9%と続いた。
大和証券・木野内さんは「いつまでイランが我慢してるかはわからない。米国大統領選に影響してしまうかもしれないので、この話は大統領選挙の後にまたぶり返してくるかもしれないですね。もしトランプさんが当選したら、その前に反撃するということになりそうです」、植野さんは「中東絡みの地政学的リスクがこれから高まっても弱まっても、そのこと自体はドル円に直接的な影響を及ぼしにくくはなっています。ただ、中東絡みのニュースで原油価格は常に動いているので、原油が上昇してしまうと、米金利上昇観測や日本の貿易赤字、悪化懸念でドル高円安、その逆に原油が安くふれるとドル安円高の市場反応が起きやすいので、今後も中東情勢というよりは原油価格をモニタリングする必要があると思います」などと話した。
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