- 出演者
- 弘中綾香 入山章栄 加納千裕
食べ残し・売れ残り・賞味期限切れなどの理由で廃棄される食品ごみは年間約461トン。フードロスは焼却時の温室効果ガスの排出などが課題となっているが、かくれフードロスは年間約2000万トンもあるという。今夜のゲストはフードロス問題に取り組むASTRA FOOD PLAN代表の加納千裕さん。吉野家と進める独自技術とは!?常識を覆すビジネス戦略に迫る。
オープニング映像。
ASTRA FOOD PLAN代表の加納千裕さんが「かくれフードロス」について説明してくれた。フードロスはお店に出回った後のロスで年間約400万トン。かくれフードロスはカット野菜や餃子の工場などで出る野菜の端材などで年間2000万トンにもなる。廃棄コストが値上がりして経営の負担になり、焼却処分は温室効果ガスの排出にもつながる。入山章栄教授は需給バランスが崩れると売れ残りや品薄につながりやすいのが一次産業の特徴と解説した。かくれフードロス問題を解決するため「JOSEN」という乾燥機を開発したという。
- キーワード
- ASTRA FOOD PLANフードロス
大手牛丼チェーン「吉野家」の東京工場では1日の8トンのタマネギを加工。少ない時で400キロ、多い時で700キロの規格外端材が出るが、動物の飼料や肥料になりにくい問題があり、これまでは全て捨てていて、コストは年間数百万円にもなった。ASTRA FOOD PLANが開発した「JOSEN」は300~500℃の過熱水蒸気と熱風を使った乾燥殺菌装置。カットした端材を入れると、わずか10秒で乾燥食材ができあがった。一般的なフリーズドライや熱風乾燥の食品は半日から1日程度かかる。加熱時間が短いので栄養価が損なわれず香りもアップし、殺菌もできるという。できあがったパウダー状のタマネギはASTRA FOOD PLANが吉野家から買い取り、「タマネギぐるりこ」(660円)という調味料で販売。食品企業とコラボしてオニオンバターやアヒージョ、パン屋とコラボしてオニオンブレッドを作るなど新商品開発にも利用されている。タマネギ以外にもコーヒーやりんごなど食品の端材なら何でも乾燥させることが可能で、食品工場と提携して商品を開発中。餃子工場で出るキャベツの端材をアップサイクルし、再び餃子の餡に入れる具材として利用している。加納さんはRF1、榮太樓、塚田農場などで企画・開発をした後、過熱水蒸気を活用した調理器の開発に携わり「JOSEN」を開発した。JOSENは水蒸気で焙煎する意味だという。
加納さんは食品の栄養や美味しさを損なわない機械として「JOSEN」を開発したが、なかなか売れなかった。メーカーが抱えている課題を調査したところフードロス問題があると分かり、かくれフードロスと名付けてアップサイクルする事業を展開。メーカーは食品の廃棄コストを抑えたいだけだったので、乾燥機はレンタルし、出来上がったパウダーはASTRA FOOD PLANが全て買い取ることになった。入山教授はレンタルだと装置導入のハードルが下がり、パウダーを買い取ってもらうことで利益にもなると解説した。吉野家では廃棄するよりもJOSENを導入した方が収益性が高くなったという。加納さんは内部調整にも関わって導入を支援した。入山教授は売り込む先とは別の部署にボトルネックがあるケースが多いと解説した。
加納さんが大事にしている言葉は「想像できることは実現できる」。かくれフードロスをなくすアップサイクルは必ず実現できると考えている。スタートアップを志す人へのアドバイスは「早く始めた方がいい」。
