- 出演者
- 広内仁 斉田季実治 星麻琴 矢崎智之 菅谷鈴夏
オープニング映像。
きのう行われた衆議院選挙。自民党、公明党は過半数割れに追い込まれた一方、立憲民主党は議席を大幅に増やした。日本の政治はどうなっていくのか。選挙から一夜、動き始めた与野党それぞれの思惑を取材。与党の過半数割れに追い込まれ大敗した自民党は、臨時の役員会を開き、今後の対応などを協議。自民党・小泉選挙対策委員長は、衆議院選挙で敗北した責任を取りたいとして、石破総理大臣に辞表を提出し受理されたことを明らかにした。小泉選対委員長は「責任を取るのは当然のこと」と述べた。午後、党総裁として記者会見した石破総理は「極めて厳しい審判を頂戴した」としたうえで、みずからが続投し、自民、公明両党による連立政権を維持していく考えを示した。石破首相は「国政は停滞が許されない」と述べた。
収支報告書に不記載があり、党の公認を得たものの、比例代表への重複立候補が認められなかった自民党・山田美樹氏。選挙区で敗れ、議席を失った。今月末までに明け渡すよう求められた議員会館の部屋の片づけ作業に追われていた。山田氏は「私自身は前を向ける。党として全く何も解決できていない。より傷が深くなったように感じる」と語った。収支報告書に不記載があり、党の公認を得られず無所属で戦ったものの、議席を失った小田原潔氏は、事務所で支援者にあいさつのメールを送っていた。今回の選挙を振り返って小田原氏は「厳粛に受け止めるとしか言いようがない。非公認もやりにくかったし、最後の2000万円も“なんてことしてくれるんだ”という感じ」と述べた。
昨夜、自民党候補者の苦戦が相次いで伝えられる中、党内ではすでに動き。麻生派の議員が集まり、深夜まで会合を開いていた。みずからは選挙区で当選した自民党・井上信治衆院議員は「非常に厳しい情勢。志公会(麻生派)のメンバーで一致結束して取り組んでいこうと」と語った。井上衆院議員は、自民党として選挙に備える時間が足りなかったという。自民党内は、今後どうなっていくのか。井上衆院議員は「総裁はじめ執行部がどう考えるか」「りっかり政治改革をやって、二度と起こさないように、信頼を取り戻していくことがいちばん大事」と語った。
大阪16区で落選・公明党・山本香苗氏は「私の力不足」と述べた。常勝関西といわれ、これまで議席を確保してきた大阪の4つの選挙区でいずれも敗れた公明党。先月就任したばかりの石井代表も落選するなど公示前から、議席を8つ減らした。石井代表は「大変残念な結果となった」、進退を問われると「国会議員で亡くなれば代表をつづけると困難が伴う。それも含めて検討したい」と述べた石破総理大臣と石井代表が会談。自民党、公明党による連立政権の維持を目指すことを確認。会談の中で石井代表は、自民党が非公認とした候補者が代表を務める政党支部にも2000万円を支給したことについて「選挙戦に相当影響があった」と指摘し、石破総理大臣が「公明党に非常に迷惑をかけた」と陳謝する場面もあったという。会談後、記者会見に臨んだ石破総理大臣は、今回の結果は党の改革姿勢に対する国民の厳しい叱責と受け止めているとしたうえで、党が非公認として無所属で立候補し、当選した候補者の追加公認について「広く国民の理解をもらえるかを基準に判断していく」、ほかの野党との連立については、「今、この時点で連立を想定しているわけではない」としたうえで「よく協議をすることから始めていかなければならない」と述べた。
総理大臣官邸から中継。衆院選の結果を受けて、石破総理大臣は慌ただしい動きをしていたが、2時間ほど前に官邸を後にした。衆議院の議員会館。一夜明けて、落選した議員は部屋の片づけ作業に追われるなどした。今回の結果を受けて、この事務所のあるじが様変わりすることになる。選挙が終わり、政治がこれからどう変わっていくのか、見逃せない状況に入っている。
今回の選挙で争点の1つとなったのが、自民党の政治とカネの問題。収支報告書に不記載があった議員ら46人の当落。非公認となった議員では、下村博文氏や高木毅氏らが落選。萩生田光一氏、西村康稔氏らが当選。全体で見ると不記載があった議員のうち当選は18人、落選は28人。
政治部・中田晋也部長がスタジオで解説:与党の過半数割れ・政治とカネの問題が響いた?「石破総理大臣自身もかなりの逆風が吹いてると街頭演説でも言っていたぐらい。自民党議員は恐らくかなりそれを感じていたと思う。それだけではなく、物価高、経済対策、安全保障も含めてだが、生活に身近な問題にどう政党が接しているのかを有権者も自分のこととして感じながら投票行動にうつったのでは」。
議席を伸ばした野党の間では、早速きょう総理大臣指名選挙への対応について動きが出始めている。今回の選挙で議席を選挙前の98から148へと大幅に増やした立憲民主党。この結果について、立憲民主党・小川幹事長は「風景が一変した。責任が大きくなった」と述べた。立憲民主党は執行役員会を開いた。自民党、公明党の議席が過半数を下回ったことを踏まえ、野党第1党として、特別国会で行われる総理大臣指名選挙での野田代表への投票の協力などをほかの野党に呼びかけていく方針を確認した。小川幹事長は「首班指名という極めて重大な意思決定に一定の結論を見出さないといけない」と述べた。
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野田総理大臣の実現は可能なのか。立憲民主党・安住前国会対策委員長は「政治改革とか、3〜4店の旗を掲げて実現するための政府・内閣をつくりたいという旗を掲げ、堂々と筋論で賛同してもらう人を募るやり方がベストなのではないか。政権交代のチャンスはまだ残っている。決選投票で勝負はしたい。野党共闘を進化させる第一歩」と述べた。仮に自民党中心の政権が続いたとしても、緊張感のある国会を目指したいとしている。安住前国対委員長は「悪い政治をした場合、いつでも内閣不信任決議案を可決できる状況。自公もこれまでのような1強と違い、乱暴なことはできない。日本の政治は熟議の政治に入る」と述べた。
立憲民主党・野田代表と、議席を28に増やした国民民主党・玉木代表は、支援を受けている連合の本部をそれぞれ訪れて連合・芳野会長と会談し、結果を報告した。野田代表は「参議院選挙の準備なども含めて、やるべきことがい歩パイある」、玉木代表は「(立憲民主党と)コミュニケーションはよくとってほしいという話はあった。基本政策の競技と一致が不可欠」と述べた。その後、記者会見を開いた芳野会長は、記者団から、国民民主党が自民、公明の連立政権に加わることはあるかと問われると「玉木代表は明確に否定している」と述べた。玉木代表は、民放の午後の番組で特別国会で行われる総理大臣指名選挙への対応について、党が選挙戦で掲げた政策の実現などにつながると判断した場合は、ほかの党の党首に投票することもありうるという考えを示した。
日本維新の会は6議席減らして38議席となった。日本維新の会・藤田幹事長は、自民党、公明党の連立政権への参加や立憲民主党との連携に否定的な考えを示したうえで、「政策ごとに各党と協議していきたい」という考えを示し、「是々非々で対応、政策ベースで対応する」と述べた。
衆議院選挙を受けての各党の議席。自民党は選挙前の247議席から50議席以上減らし191議席。ここに公明党を加えても215議席。仮に不記載で非公認となった議員などを追加公認したとしても、過半数の233議席に届かないものと見られる。立憲民主党は148議席。単独では過半数を超えていない。
政治部・中田晋也部長がスタジオで解説:与党も立憲民主党も過半数に足りない状況、総理大臣指名選挙を行う特別国会の日程を巡って自民党は来月中旬までに召集する案を公明党に示して、引き続き検討することになった。多数派をどう作るかが課題になるが、与党はどういう形を想定してるのか「与党としては今の自民、公明両党の政権を続けていきたい。総理大臣指名選挙で石破総理ぢ人というふうに書く人をどれだけ増やせるかにある。過半数持っていないため決選投票になってしまう。与党としては石破総理と書いてくれる人をできるだけ増やすと。立憲民主党・野田代表というふうに書く人をどれだけ減らすかっていう考え方もできる。党の執行部は国民民主党・玉木代表は”幹事長レベルの一定の接触をしているという報告を受けている”と民放のテレビで明らかにしている。水面下での駆け引き、調整がもうすでにに始まっているのでは」。
政治部・中田晋也部長がスタジオで解説:自民党内では執行部の責任論も出ている。石破総理総裁は続投できるのか。「立憲民主党・安住前国対委員長も言っていたが、内閣不信任案はいつでも可決できるという国会の状況。総理大臣は自分から辞めると言わないかぎり、なかなか辞めさせられないという国会議員は与党も野党も言うが石破総理にとってはいばらの道が続くということは間違い」、立憲民主党はほかの野党とどう多数派を構築していく考えか「立憲民主党・野田代表と書いてくれる人をどれだけ増やすかになる。野田代表は来年の参議院選挙の準備を急がなきゃいけないと発言。100%政権を取りにいくということができなくても、今後を見据えて国会で自民、公明両党に揺さぶりをかけながら展開していくということも、頭の中にはあるのでは」。
街の人たちからは、しっかりと政策を導いてほしいという声もあったし、経済界からは、選挙では議論が尽くされず、課題が先送りされたという声もあった。今の状況、これ、日本の政治、この山積する課題に対応していけるのか。政治部・中田晋也部長がスタジオで解説「対応していかなければならない。今回の選挙で、どこの政党も過半数を取っていない。自民党、公明党としても立憲民主党など野党の協力を得ないと政治が前に進んでいかない。どういう政策を実現してほしいのかを丁寧に聞きながら、政治を前に動かしていくということが必要になる。ある意味では、政策本位の政治というものができる環境にあるのかなというふうにも考えることできる。日本の政治文化、政治風土が変わる転換点になるかもしれない」。
今後の政治日程見。来月には米国大統領選挙があり、首脳会議も相次ぐ。来年には通常国会、夏には参議院選挙が控えている。今後政治はどう動いていくのか、何が求められるのか。政治部・中田晋也部長がスタジオで解説「来年の参議院選挙を意識した戦いということになることは必至。各党は存在感を示していくというような形になるとは思うが、どこの党も過半数を取っていないという状況で政治の緊張感は必要。でも政治の停滞はやっぱり許されない。内外、課題、山積しているので。与党、野党一緒になって合意を形成する政治が有権者の期待に応えるためにも必要になるのでは」。
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老舗の大手精密機器メーカーに激震。きょう、辞任が発表されたオリンパス・シュテファンカウフマン社長兼CEO。ドイツの企業などを経て、2003年に入社。去年4月から社長兼CEOを務めていた。昨年度の報酬などの総額は11億3800万円。会社は、カウフマン社長が違法薬物を購入していたという通報を受けて、内部調査を行ってきた。その結果、会社の取締役会は、カウフマン社長が会社の行動規範などとは異なる行為をしていた可能性が高いと全会一致で判断して辞任を求めた。本人がこれに応じて辞任したという。オリンパスは「株主やお客様にご心配をおかけすることを深くおわびする」とコメント。当面、竹内康雄会長がCEOの業務を担い、後任は会社の指名委員会で検討していくとしている。