- 出演者
- 大浜平太郎 片渕茜 平出真有 中原みなみ 田中泰輔 海老澤界 棚瀬順哉
オープニング映像の後、出演者らが挨拶した。
ダウ、ナスダック、S&P500など株と為替の値動きを伝えた。米国景気の先行きへの警戒感でリスク回避の動きが進んだ。発表された雇用統計は市場予想を大きく下回った。労働市場の弱さが意識される中、国際に買いが集中。長期金利は急低下。ダウの下げ幅が980ドルを超える場面もあった。前日の決算が嫌気されたアマゾンの株価は9%近く下落。インテルの株価が26%下げるなど、大型ハイテク企業が全体を押し下げる展開。ナスダックは7月につけた高値からの下落率が10%と調整局面入りの目安とされる水準に達している。
米国7月の雇用統計:非農業部門雇用者数(前月比)↑11万4000人。市場予想↑17万5000人を大幅に下回った。失業率も横ばいとの予想に反し、4.3%に悪化した。約3年ぶりの高い水準。インフレ関連の指標として注目される平均時給は前月から0.2%上昇。1年前からは3.6%上昇。いずれも上昇率は前の月から減速。
エクソンモービルの4-6月決算は1年前から増収増益で、1株利益は市場予想を上回った。アメリカのパーミアン盆地や南米ガイアナで生産が増えたことや、パイオニアの買収が寄与した形。
シェブロンの4-6月期の決算は1年前から増収減益で、1株利益は市場予想を大きく下回った。業界全体で精製のマージンが縮小したことで、下流部門の利益が60%のマイナスに陥ったことが響いた。天然ガス価格が圧迫されていることも影響した。
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アメリカのハリス副大統領は2日、11月の大統領選挙に向けた民主党の候補指名を確実にした。早ければ5日にも選挙戦を一緒に戦う副大統領候補を発表すると報じられている。どのような人物が選ばれるのか。最も有力なのはペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事。シャピロ知事は州の司法長官などを歴任してきた。ユダヤ系で、当選すればキリスト教徒ではない初の副大統領となる。専門家にシャピロ氏の評価について尋ねると、「シャピロ氏は知事として幅広い層から評価されている。重大事件や事故に迅速に対応し、政策面では共和党と妥協点を探ってきた。経済政策などを見ると、民主党より共和党寄りな印象を受けるが、一方で民主党にとって最優先事項の一つである妊娠中絶の用語などを強く主張してバランスを取っている。」などと話した。もう一人の注目候補は、アリゾナ州のマーク・ケリー上院議員。NASAの宇宙飛行士や米海軍の戦闘機パイロットを務めてきた異色の経歴の持ち主で、全米でも知名度が高い。ケリー氏と面識がある政治コンサルタントに話を聞くと、「ケリー氏は思慮深く実務的な性格で、民主党左派の主張にも簡単になびかない。上院議員として選挙戦に臨んだ際、わざわざメキシコとの国境へ足を運び、バイデン大統領の移民政策が間違いだと非難したほどの人物」などと話した。不法移民問題に関してはタカ派的な姿勢で知られており、副大統領候補となれば、民主党の移民政策を嫌う中道派・保守派がハリス氏に投票する可能性もあるという。
スタジオトーク。まずはゲストを紹介。楽天証券経済研究所の田中泰輔氏と、JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉氏。田中氏はアメリカ経済の先行き(雇用統計)について、失業率が上がってきているが依然として底堅くはある、次のデータが出るまで間(猶予)がある、などと話した。日本株については、これからアメリカの金利が下がると円高になる、円高になるとそれだけで日本株が下がってしまう、厳しい状況になっていきそう、などと話した。最近投資を初めて動揺している人に向けては、長期投資なら下がったときほど買い場、常に猶予を残しておいて大きく落ちた時に買う、などとアドバイスした。棚瀬氏は、最近の雇用統計は事業所調査と家計調査の乖離が目立っていたが、今回はどちらの水準も低かったので明確に弱い水準と言って良い、「サーム・ルール」(リセッションのシグナル)を満たしている、予想されていたことではあるのでサプライズはないが動きが急すぎるのでパニック的に相場が上がっている、などと話した。
為替の値動きを伝えた。
JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉さんが今日の為替について、「雇用統計の弱い結果を受けてFRBの利下げ期待が高まり、アメリカの長期金利が大きく低下。その中でドルが全面安となった。一方、欧米の株価が下落する中でリスクオフの展開となり円が買われ、円高とドル安、双方がドル円の大幅下落に寄与した」と解説。今日のドル円の予想レンジは、145.50円~147.50円。棚瀬さんは「直近の値動きの大きさからすると、レンジは広めに取らざるを得ない。先行き・短期的な不透明感が非常に強い」とコメント。また、マーケットのFedの値下げへの期待について「4月に入ってからFF金利先物は下がってはきていたが、雇用統計を受けて期待がさらに高まった。9月のFOMCの中央値がどこまで下方修正されるかが焦点。2025年末の市場の政策金利見通しを見込んだ2026年1月のFF金利先物も大きく下げている」と語った。そんな中での棚瀬さんの注目ポイントは、「日米金融政策見通し格差」。棚瀬さんは「2022年3月にFRBが利上げを開始して以降、ずっとアメリカの金融政策見通し主導の展開がドル円相場に関して続いてきた。最近は、それに日銀の政策金利見通しも加わってきたので、日米の金融政策の見通しを格差で見ていく必要がある。6月から7月の頭にかけてドル円相場の相関が崩れていたが、7月以降は相関が復活しているので、今後は日米の政策金利見通しがドル円相場の先行きを見る上で重要になる。今後もこの相関は続くと見ています。そういった中でJPモルガンは、弱い雇用統計を受けて年内にFRBが合計で125ベースの利下げをすると予想を変更している。日銀に関しては年内にあと1回の利上げをして、年末に政策金利を0.5%にまで引き上げると予想。様々な要素から判断すると144円ぐらい。ポジション調整が一巡した後には、現状からそれほど離れない水準でのレンジ取引に以降していくとみています」と語った。
10年国債の値動きを伝えた。
朝日ライフアセットマネジメントの武重佳宏さんの日経平均予想レンジは3万4500円~3万5200円。武重さんは「先週末の日本株は、日銀の利上げ継続を意識した円高進行と米国の景気減速懸念が同時に意識され大幅安となりました。米国雇用統計も失業率もサームルールで景気後退の基準に達したこともあり、景気への懸念がぬぐえない内容でした。本日の日本株はさらなる下落が見込まれます。ただ、これまでの下落でPERなどで比較的割安水準になってきたので、日本株が下げ止まる時期も近いのではないでしょうか。MSCIのファクター指数のパフォーマンスを見てみると、日本の利上げに伴う急速な円高や、アメリカの大統領選挙など不安材料が増えており、有効なファクターへの投資を検討する必要があります。トランプ前大統領が当選する直前の2ヶ月と、コロナショック時の2ヶ月のファクターを比較しましたが、投資のリターンが最も低いクオリティーが上位になりました。クオリティー株とは、収益性が高いものや利益の変動性が低いというのが特徴で、保守的な設備投資を行うことで、資産成長率が低い銘柄を言うこともあります。MSCIのクオリティー指数の上位銘柄には、日立製作所などが入っています。そのうち、東京海上ホールディングスやリクルートホールディングス、伊藤忠商事、東京エレクトロンは、今週発表する決算発表にも注目したいと思います」などと話した。
自民党・茂木幹事長は、フィリンピン・マニラで記者団に対し、日銀が政策金利を0.25%に引き上げることなどを決めたことについて、「金融政策の正常化は望ましい」と理解を示した。竿の上で外国為替市場で1ドル146円台まで円高が進み、日経平均株価が過去2番目の下げ幅となったことをめぐり、「金融政策と株価の動きや為替の動きを関連付けるのは難しい」との認識を示した。
「5日(月) 7月ISM非製造業景気指数発表」、「8日(木) 日銀金融政策決定会合 主な意見の発表」など、今日のラインナップを伝えた。
田中さんは「しばらくは周期的に民主党の副大統領候補が誰かなどの話が出て、有権者にとっては重要ですが、相場に織り込むのは難しいと考えています。トランプ氏の銃撃のあとはトランプトレードだなんだと話題になりましたが、あれでも時期尚早の扱いでした。アメリカの選挙は激戦4州でほぼ決まるという構図になっていて結果がわからないですし、アメリカの景気と金利が大きく変わろうとしている最中ですからね」、棚瀬さんは「アメリカ大統領選挙の結果は見えないですし、アメリカの分断が鮮明になって崩れないでしょう。どちらかの圧勝という形にはなりづらいと思います。注目したいのは、どちらが勝つかだけでなく、議会選挙の行方ですね」などと話した。
全国の天気予報を伝えた。
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8月2日~4日・インターネット経由・番組出演者41人が対象。今週末の日経平均予想。中央値は35800円。中央値を36800円を見込んでいるりそなアセットマネジメント・戸田浩司さんは「投げ売り一巡後 バーゲンハンティングの買い」などとコメント。34600円を予想する三井住友DSアセットマネジメント・市川雅浩さん「しばらく下値を模索する展開」などとしている。今週末のドル円予想。中央値は146.50円。マーケット・リスク・アドバイザリー 深谷幸司さんは145円ちょうど近辺を予想「2022年以来の中期的円安が終了」などとしている。モーサテ景気先行指数は13.8、前週の23.2から急激に低下。アメリカの指数も急降下、ヨーロッパと中国の指数もそれぞれ悪化。
今回のテーマは「円安サイクルの終局 日本は正念場へ」。田中氏は日本の場合、2013年からアベノミクスの異次元緩和でドル円を大きく押し上げたがデフレを克服できなかった。コロナ禍の米利上げ加速により輸入インフレが高まり好循環に入れた。これは円安のメリットが大きかった。あれなしでは好循環に入れなかった。アメリカが円高になるだけで本当に続けられるかを問われる。問題は円高で円安のメリットがなくなったというわけではなく、円高になった分だけ日本株が下がってしまう。円高で日本株安が継続すると日本の好循環がしぼんでくる。軸足は景気悪化する方向だが数カ月後に思ったより指標が悪くならなかったという着地もあり得るなどと解説。
食品大手が食料危機に備えたバイオ技術を導入する。明治ホールディングス(HD)はチョコレート原料のカカオを細胞培養、味の素は微生物から生成したたんぱく質を食品に応用する。明治ホールディングスは出資先の米国のスタートアップ、カリフォルニアカルチャードの技術を活用する。この技術は天然のカカオから細胞を採取しバイオ装置で増殖させる。異常気象による不作や人口の増加を背景に食料の供給不足が見込まれる中、需給率が低い日本にとってはこうしたバイオ技術の活用は食料安全保障にもつながる。
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- 日本経済新聞 電子版明治ホールディングス
日本郵便は今年度国内17万人の正社員の職務スキルや配属希望を一元的に管理できる人事管理システムを構築する。職務能力や配属希望を社員番号と紐づけて管理し社員の能力や希望に沿った人事ができるようにする。その上で働きがいや帰属意識を数値化したエンゲージメントスコアを定期的に把握するというシステム。収益力の拡大を目指す日本郵便は地域や部署の間で移動を容易にすることで人材の適正配置を図り生産性向上のための基盤を整えたい考え。
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