- 出演者
- 矢内雄一郎 大浜平太郎 パックン 平出真有 藤井由依 村松一之 山本賢治
和キャピタル・村松一之の解説。今年はロシア経済にとっての大きな転換点になるかもしれないと言われている。2022年にウクライナに侵攻しその年は各国の制裁等によってマイナス成長に陥ったが23年は3.6%の成長、24年は4.1%の成長ということで非常に一見好調。これは戦時経済によるもので、要するに兵士を動員するためにお金をばらまいて財政を大盤振る舞いしていることによる景気の拡張。副作用としてインフレ率が上がっている。ロシア経済が本当に難しくなってくるのは停戦後だと言われておりむしろ今のこの戦時経済が終わってしまうとスタグフレーションに陥っていく可能性がある。
全国の天気予報が伝えられた。
株と為替の値動きを伝えた。
日本生命NY投資現地法人・今真一郎の解説。アメリカの企業で税金やビジネス環境を理由にテキサスやフロリダなどの南部の州に本社を移転する動きが見られている。不動産サービス大手の調査では、2018年から5年間で本社移転を行った465社のうち209社が南部テキサス州に移ったとされている。本社移転を行う理由として最も多く挙げられていたのは税金が安いといったビジネス環境でオペレーションの最適化や顧客へのアクセス、成長機会といった点も多く挙げられている。直近の例では2月、ケンタッキーフライドチキンを運営する外食大手のヤム・ブランズがテキサス州に本社移転することを発表。バージニア大学によれば2040年以降アメリカの人口は北東部と中西部で減少し南部と西部で増加するとされている。またマネーの動きも重要。温暖な気候や安い税金を背景に人の動きが加速する中、南部の州を中心としたマネーの流れが形成されつつあり、今後どのように存在感を増していくのか注目している。
金利・商品・為替の値動きを伝えた。
テーマ「FRBの金利とアメリカ経済の行く末は」について山本賢治の解説。3月のFOMCでは2会合連続で政策金利が据え置かれた。パウエル議長も足元の米経済であったり米労働市場に対しては堅調に推移しているということを強調。一方でインフレが高止まりしているので次の政策判断に関しては急がないということを繰り返し強調。結果的には今年2回の利下げを実施するという予想も12月会合から変わらずという形だった。FOMCの景気認識はトランプ新政権の政策を受け水面下で非常に大きく修正されつつある。短期的な痛みを伴う政策が矢継ぎ早に実行されているため2月以降マーケットも不安定化しているが実は今回のFOMCでは政策の影響は見通しにはおそらく部分的にしか織り込まれていないとみられる。パウエル議長は今回の記者会見で経済に関しては非常に引き続き強いというところで経済の先行きがより明確になるまで待つことができる、そういった良いポジションにいると強調。一方で今回も記者会見で重要だったのは労働市場が今後彼らの想定以上に下振れることがあれば当然利下げ、政策を緩和するということを繰り返し述べた。今後もトランプ氏の政策が想定外のものが出てきたり、もしくは労働市場のデータに亀裂が走るようなデータが出てくればマーケットがそれに応じて非常に大きく変動をきたす可能性は十分にあると思う。
国内で女性の社長の人数は、2024年には約65万人に達した。これは国内の社長の15%、約7人に1人の割合となる。女性ならではの事情で事業拡大の大きな壁となっているのが「資金調達」。実態とその壁を突破する動きを取材した。
東京・港区の六本木ヒルズで今月6日、ベンチャーキャピタルのANRIが主催したのが資金調達につなげるためのビジネスプランを発表する女性起業家に限定したイベントが行われた。今回20社以上のベンチャーキャピタルが参加した。プレゼンをする女性起業家は6人。事業内容は、妊婦の健康管理・夫婦・子育て関連などの事業を展開している。すでにANRIからの資金調達が決定し、IPO(新規株式公開)を目指しているため、新たな出資者の獲得を狙う。幸脇啓子社長は元NHKの記者で3人の子どもの母親。子育ての課題から2017年に一時保育施設の検索・予約サービス会社を起業。2021年からはLINEで一時保育の予約ができる事業を展開している。2023年にはイベント・体験型保育を開始するなど事業拡大をしている最中だ。女性ということで偏見を感じたことについて「女性ならではの課題はなかなか伝わりづらい、分かってもらうのは難しい」と話す。起業した女性の内、資金調達までに至る人はわずか2%にすぎないという。女性起業家たちに立ちはだかる「資金調達の壁」はなぜ消えないのか。佐俣アンリ代表パートナーは「女性起業家がまだ少なく、マイノリティーのため女性に情報が回りにくい。投資側に男性が多い。男性投資家が男性(起業家)を高く評価しやすい」と話す。あつたゆか社長は資金調達について「非常に難しいと思う。女性というだけで(事業)規模が小さいと思われる」、逢澤奈菜社長は「子育てしながら本当にスタートアップができるのかと何度も言われた」などと話した。
女性起業家について投資家はどうみているのか。投資家たちは「女性起業家は個人の課題を起点に企業を構想するケースが多いため、事業に広がりがどこまであるか描き切れるかがポイント」、「ベンチャーキャピタルは男性が多く、女性起業家の事業の理解が進んでいない」、「投資家の意思決定者は9割が男性。女性だという切り口を新しく切り開くところが難しい。バイアス(偏見)がそもそもかけられている」などと話した。こうした課題を解決するために企画されたこのイベント。参加した投資家もこれまでとは違い、半数が女性だった。今後の資金調達について2028年度中にIPOを目指すという幸脇啓子社長は「1億円の資金調達をしたい」と話す。投資家たちは「将来性があるため(投資を)検討したい」と話した。幸脇啓子社長は「”いち起業家”として事業を成長させていけるかが問われていく」と述べた。
資金調達以外の壁について、女性起業家に対してのパワハラ、セクハラも課題になっているという。国や自治体も起業する女性たちの支援を始めている。経済産業省は昨年から支援事業を開始。女性起業家を支援する金融機関や企業をマッチングするイベントなどを開催している。今年5月以降をめどに全国各地で女性起業家支援プログラムを実施する予定。今月7日には東京都と三菱UFJ銀行などの民間企業が出資して女性起業家などを支援する国内初の女性特化型ファンドを設立した。
パックンさんの解説。アメリカの中小企業とは従業員500人未満。企業数3330万社(2023年全体の99.9%)、従業員数6160万人(2023年全体の45.9%)、買い手がいないのは7割。いま売りに出ている中小企業と関係のない個人が後継者になっている。いままでは企業を立ち上げるのが主流だったがいまは企業を買収して経営する人が増えている。理由として1.ゼロから立ち上げるより早い。2.起業するよりリスクが低い。3.売り手の協力。中小企業の売買を仲介するサイト「BizBuySell」。6万5000を超える事業を掲載。2021年以降、2倍に増えている。次に多い後継者は従業員。Teamshares(チームシェアーズ)は従業員承継実現モデル。年商100万ドル〜1000万ドル規模の中小企業を買収し株の10%を従業員に配る。企業価値を高める経営を行う。最終的には従業員所有の企業に変える。また企業価値を高めるために投資ファンドに売却などはしない。保険やクレジットカードなのを提供して収益を高める。2020年以降、42業種で90社の中小企業を買収して2500人を超える従業員オーナーを生み出している。社員が株主になるとやる気が出て企業の成長に繋がる。2023年にTeamsharesは日本でも展開。国内の中小企業の買収先を探している。パックンさんが考える後継者不足の解決策は移住フェアやハローワークで紹介、ローン制度。きょうのパックン視点は「BuyBoring!Bye,Bye Boredom!(立ち上げなくていいから立ち上がれ!)」。5年以内に9割の新企業が破産に終わる。
全国の天気予報が伝えられた。
トランプ大統領が署名した大統領令は、「教育省の閉鎖を促進し、教育に関する権限を州に戻す」というもので、マクマホン教育長官に必要な措置を講じるよう求めている。トランプ大統領は「教育の予算をどの国よりも遥かに多く拠出しているが成果は出ていない」とした上で、「教育省は我々になんの利益ももたらしていない」と主張した。一方、トランプ大統領は19日、連邦制度理事会が政策金利を据え置いたことを受け、「FRBは金利を引き下げたほうが良い」とSNSに投稿した。「関税による経済への影響を緩和するため」としており、FRBに事実上景気の下支えを求めたかたち。
アメリカの半導体大手「マイクロン・テクノロジー」の去年12月-今年2月の決算は、1年前から38%の増収で純利益は2倍となり、調整後1株利益も市場予想を上回った。AI需要に支えられデータセンター向けの売上高は3倍に増加。また3-5月期の売上高は88億程度と過去最高を更新する見通しで、こちらも市場予想を上回った。決算を受け、マイクロン・テクノロジーの株価は時間外で一時7%近く上昇した。
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先ほど発表されたスポーツ用品大手「ナイキ」の去年12月-今年2月期の決算は大幅な減収減益となった。一株利益は市場予想を上回っている。地域別の売上高は主力の北米で4%、中華圏でも17%近くと軒並み減少。販売不振が続く「ナイキ」は去年就任したヒルCEOのもとで再建を進めているが、決算を受けナイキの株価は時間外で一時4%以上下落した。
有料配信サービス「モーサテプレミアム」では今月25日(火)の夜にセミナーを開催。株と為替・金利の専門家を講師に迎え、4月から始まる新年度相場の行方を占う。
山本さんはきょうの経済視点に「常識(コモンセス)」と挙げ、「最近アメリカのマーケットでもよく聞かれる言葉だが、元々は1月20日のトランプ大統領が就任演説で『常識の革命』という言葉を使った。トランプさんの口から”常識”という言葉が出てくるとビックリするが、彼自身は米国民が本来あたりまえだと思っていたことを取り戻そうとしている側面がある。すなわち”今の常識を疑え”ということ。マーケットの観点で言うと、我々はトランプさんに対する先入観や誤解があったんじゃないか=『トランプさんはビジネスマンなので短期的であれ経済や株価に悪いことを一切やらない』という常識・先入観は残念ながら裏切られている。そういった点では”先入観”というものを廃してマーケットに対峙していかないといけないなと私自身痛感している」などと話した。
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村松さんはきょうの経済視点に「スタグフレーション」と挙げ、「最近よく『米国はスタグフレーションに陥るのではないか』という声も耳にする。しかし米国でスタグフレーションという期間は1970年代~80年代前半の極めて限られた期間だけ。当時は失業率とインフレ率の合計値が15%~20%ほどあり、いまでいうと失業率が4.1%の倍の8%となり、インフレ率がコロナ禍で最も高かった9%まで上昇すると17%になるのでこれが”スタグフレーション”。少し失業率が上がったりインフレ率が3%代後半に戻るという状況をスタグフレーションと呼ぶのは私は違和感がある。経済学者のポール・サミュエルソンという方も『株式市場は過去5回の景気後退を9回予測した』という皮肉を言ったことがあるが、まさに今はそういう状態にあるのかなと思う」などと話した。パックンは「スタグフレーションというのは結構ダメージが大きいという単語。ラスボスのような。まだ登場していないと思う」などとコメントした。
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