- 出演者
- 池上彰 宇賀なつみ 三田寛子 井戸田潤 カズレーザー 堀田茜 新山(さや香) 砂田将宏(BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE)
今回は意外なルールについて解説する。
意外なルールについて、堀田は結婚式はルールが多いと話した。井戸田はクリニックから教わった子どものゲップの出させ方をSNSにあげたら先輩ママたちからやり方が違うと嗜められたが、現役ママたちが今はこのやり方だと加勢してくれて代理戦争が始まったと話した。コメのルールについて解説。4月2週目の時点でコメ5キロの販売価格は4217円で、去年同時期に比べて倍の値段になっている。猛暑によって2023年度産のコメは品質が落ち、去年のコメ不足の要因となった。さらに南海トラフ巨大地震の臨時情報が出てコメの買いだめの動きもあった。その後も値上がりが続いたのは、誰もが販売できるようにルールが変更されたことが影響しているのではとも言われている。70年代前半頃まではコメは米穀店でしか買えなかった。昔はコメの生産・流通は国が管理しており、戦中戦後は1人あたりに決まった量が支給されていた。コメは農家が自由に売ることができず、国が買取価格を設定して全て買い上げ。農家から高い値段で売って消費者には安く売り、差額で出た赤字は税金で補っていた。国の赤字が膨らんだため、途中からは国の手を離れたコメの流通も認められるようになった。
農家からコメを集荷・流通していたのは農協。農協から米穀店へ分配し消費者に届く仕組みで、基本的にほとんどのコメは農協を通すルールだった。農協は農業をする人たちが助け合う組織で、目的は利益の追求ではなく組合員の生活を守って向上させること。農協に入ると販売ルートが確保できたり、資材を安く共同購入できたりと様々なフォロー体制がある。農協に入らなくても農業自体はできるが、自分で販売ルートを確保しなければいけない。JAバンクには貯金残高が100兆円以上あり、国内個人預貯金の約10%を占めている。農協を通してコメを集めるのが昔の国のルールだった。戦後の食糧難の時代にコメの配給制を進めるために農協を作った。1995年に食糧管理制度は廃止となり、農協を通さなくてもよくなった。コメ離れが進んだことで規制が緩められ、2004年にコメの流通が完全自由化した。農家が生産したコメのうち、今市場に出回っているのは農家消費や加工用米などを除いた7割ほど。昔はほとんど農協に通していたが、現在農協は全体の39%ほどで農協を通さないコメは32%ほど。
コメの値上がりには自由にコメを流通できるようにしたルール変更が関係していたと言われている。コメ不足が続くかもしれないと懸念した流通業者が多めにコメを蓄えようする動きは以前も起きていたが、流通が自由になりルートが複雑化するとコメが滞った原因を探すのに時間がかかるようになった。転売ヤーがコメを買い占めているという話もある。1970年代~2018年までの減反政策では生産量を減らす代わりに農家へ補助金を出していた。ギリギリの量で生産するため猛暑や大雨があるとコメ不足になりやすい。インバウンドもコメ不足に関係している。近年コメ消費の割合の中で外食産業の占める割合が増えた。家庭では麺やパスタで乗り切る選択肢もあるが、飲食店でコメがなくなると営業ができないため必死で買い集める。外食産業で消費量が増えたためコメ不足の反応が敏感になり、値上がりが激しく起こるようになったとみられている。
ことし3月から備蓄米を3回放出したが、コメの値段は安くなっていない。備蓄米の9割以上は農協に売り渡された。備蓄米には、売り渡す業者を入札で決めるルールがある。入札方式のため高い値段を出した業者に売ることになり、値段が下がらない要因となる。入札に参加できるのは大手のみ。3回目の入札はこれまでより少し安く落札されたが、小売店に届いたのは約1.4%。保管しているのは地方の倉庫で輸送に時間がかかるうえ流通ルートを作るために人も必要で、出回るまで時間がかかっている。備蓄米の流通を改善させるために卸売業者の間で取引ができるような対策も。備蓄米は値上がりしただけでは出せないルールで、放出の条件は深刻な不作など緊急な場合のみ。このルールを変えるべきか議論にもなった。コメの値段を下げないため、放出した備蓄米は原則1年以内に買い戻すルールになっている。
漁業協同組合は漁業者の助け合いの組織。農家とは違って漁師は漁協に入らないとなかなか漁ができない。ほとんどの沿岸地域には漁業権が定められており、都道府県が免許を与える。免許は個人では取れず漁協などしか認められていない。遠洋漁業の場合は漁協に入らなくても可能。野菜には日本中の産地をリレーしながら1年中供給する指定野菜という仕組みがる。指定野菜の価格が下がった場合などは国が農家に補助金を出している。産地リレーは農協などが行っており、来年度から新たにブロッコリーが指定野菜に仲間入りする。
野菜は各産地で決めている自主ルールから外れたものを規格外と呼ぶ。サイズや形がバラバラだとかさばり、輸送コストが上がるというデメリットが多い。また安い規格外野菜が流通すると普通の野菜が売れなくなるため、スーパーなどでは見かけない。和牛は黒毛和種など4つの品種や掛け合わせて生まれたものを呼び、国産牛は品種や生まれた土地は関係なく日本で飼育した期間が長いかどうか。ジュースの紙パックは、果汁100%にしか断面ありの絵を載せてはいけない。果汁5%以上100%未満だと果物の絵が描けるが、5%未満だと果物の絵を描いてはいけない。ジュースと呼んでいいのも果汁100%だけ。牛乳パックの上部は視覚障がい者の人のために少し凹んでいる。
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- ユニバーサルデザイン農林水産省
1995年頃から耕作放棄地が増え続けている。高齢化・労働者不足や、土地持ち非農家の増加、農産物価格の低迷が主な原意に。農地は税金が安いためそのままの場合もある。コメ不足でも簡単には使えず、農業を始めるには長く農業を続けてもらうためにいくつかのルールがある。大企業は農地所有適格法人にならないと農地の権利をを取得できない。また主な事業が農業または農業関連でなければならず、会社法人には全ての株式に譲渡制限があるという条件も。譲渡制限があるのは株式を公開していないということで、株を買われると会社の意向が変わる場合もあるため。戦後は自作農主義という基本原則があったため、2000年以前は株式会社は原則農業に参入できなかった。農地を取得するには農業委員会の許可が必要。昔は農家の選挙で農業委員が選ばれていたが、現在は市町村長が任命している。
ラムネ、シャンパン風密栓炭酸飲料など飲料6品目と豆腐も大企業が参入しづらい商品。飲料6品目は業界団体が品目をあげて宣言し大企業参入に反対しているもの。豆腐は宣言はしていないが大企業の参入に反対している。中小企業分野調整法で中小企業が多い事業分野に大企業がなかなか参入できないようにしている。使っていない田畑を所有していても、そこに勝手に家を建てることはできない。土地には利用目的を定めた地目があり、不動産登記法によって決められている。農地の地目変更には、法務局への届け出の他に農地転用の証明書を農業委員会に出してもらう必要がある。宅地を農地に変える場合は農業委員会の許可は不要。家庭菜園レベルでは地目変更は必要ない。
全国の空き家件数は約900万戸で、20年前の約2倍。住宅が建っている土地には軽減措置があり、固定資産税などが低く抑えられている。住宅が空き家でも適用されるため、空き家が増えている一因とも言われている。自治体によっては管理不全空家や特定空家は軽減措置がない場合がある。管理不全空家は2023年からできた新しい制度。空き家が増えると台風で屋根材が飛ぶ、害虫の発生、不法侵入者の出入りなどの問題がある。解体・修繕費用の補助金を出す自治体もある。熱海市には別荘等所有税がある。神戸市では入居がないタワマンの空室に課税を検討中。京都市でも未入居物件に新たな課税を予定している。
学校給食はパンまたは米+牛乳+おかずとルールで決まっている。給食は戦後食糧難の時代に、子どもの栄養のために始まった。戦後は牛乳から脂肪分を除去した脱脂粉乳が出されていたが、1950~60年代にかけて牛乳に切り替わった。現在は給食も学校教育の一部として食育に重きが置かれている。山口・長門市、下関市では1・2月頃の給食にクジラ料理が出る。クジラ肉は1970年代頃までは学校給食で提供されていた。栄養豊富で入手しやすかったが、1988年に商業捕鯨が禁止されたことで給食から姿を消した。日本は2019年から商業捕鯨を再開し、クジラ肉が入ってくるようになった。給食は自治体の負担も大きくなっているため、国の補助で小中学校の給食無償化が検討されている。小学校は2026年度を目処に開始、中学校はできる限り速やかに開始するとしているが、財源4800億円の確保が課題になっている。
校長は生徒より先に給食を食べるルールになっている。検食といって責任者が事前に味や臭いを確認している。異常があれば給食が中止される。ネタ本を参考にして集会の話をする校長もいる。
教室のドアは片方が使えなくなってもいいように2つ以上設置するよう義務付けられており、引き戸が望ましいとされている。校舎の高さは小学校は3階以下、中学校は4階以下が推奨されている。黒板に向かって左側にある窓は130年前から決まっている。右利きの人にしたら、書くときに影にならない。明治時代の書籍をもとに決められた。
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お酒の自主醸造は原則禁止で、アルコール度数1%以上で法律違反となる。果実酒は条件付きでOK。アルコール度数20%以上の市販酒を使う場合などいくつかの条件がある。海外では合法な国が多いが、日本では酒税が国家財政の柱となる税金だった。
明治時代の日本にとって、酒税はなくてはならない税金だった。近代国家を目指した政府はお金がなかったため、税金を取りやすいお酒に酒税を導入。大隈重信が酒税を改正し大幅に増税した。その後たびたび改正され、酒税は日本財政の柱になった。当時国の税収の約25~40%は酒税だった。お酒を造るには国の許可が必要で新規参入は厳しく、日本酒製造の新規免許取得は70年間ゼロ。日本酒を造る人が増えすぎないようにするルール。激しい競争で酒蔵が潰れると酒税が入ってこなくなるという心配があり、今ある事業者の経営を守るために新規発行を認めない運用が続いてきている。国内での日本酒消費量は右肩下がりだが、輸出は絶好調。去年は過去最高の80カ国に輸出された。和食が2013年にユネスコ無形文化遺産に指定されたことで世界各地に和食店が増え、日本酒が提供される機会も増えた。2021年には酒税法が規制緩和され、輸出用清酒製造免許が導入された。