2025年11月13日放送 23:06 - 0:25 テレビ東京

カンブリア宮殿
SP【東レの繊維革命!絶体絶命の業界で成し遂げた生き残り劇】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

カンブリア宮殿 生活を変える「東レ」繊維革命
ユニクロ ヒット続々の裏側 開発10年!ハイテク防寒着も

ユニクロでは今の季節にありがたい防寒ジャケットのパフテックが販売されている。羽毛の構造を作り出した中綿で軽さと保湿性能を実現。羽毛にかわる新たな素材として、10年越しに開発したという。また超極暖という商品は通常のヒートテックの2.25倍の温かさ。温かさによって三段階で展開しているという。さらに大ヒット中なのはポケッタブルUVカットパーカ。ストレッチ性と撥水性を兼ね備えており、バッグにコンパクトに収納できる。世界的アパレルメーカーに成長したユニクロ。そ裏にはファーストリテイリングの柳井正氏が絶賛する企業の「東レ」の存在が。売り上げ高2兆5000億円で、90年代には日本の繊維産業は中国の縫製に大打撃をうけ出荷額は大幅に減少。大手メーカーは次々に繊維事業の縮小していった。しかし東レはその中で繊維にこだわり、奇跡的な成長を成し遂げた。

キーワード
パフテックシャツジャケットファーストリテイリングポケッタブルUVカットパーカユニクロユニクロ 原宿店日本繊維産業連盟東レ柳井正渋谷区(東京)経済産業省超極暖ヒートテック
ファストリ柳井氏も評価「100年企業」驚異の開発力

東レは1926年に東洋レーヨンとして創立。レーヨンは植物由来のセルロースを原料とした再生繊維で、その後ナイロンなどの合成繊維を作るメーカーへと進化していった。その工場では繊維の原料が詰まっているという。タンクに詰まったチップは、下の階に落ちていく。その様子が見えるのが溶かして小さな穴から押し出されると、極細の繊維が出てくる。樹脂を押し出す口金の形状で様々な種類の合成繊維を作る。このナノレベルの糸作りがユニクロの様々な機能性商品を生み出している。その武器は「ナノデザイン」。

キーワード
ナノデザインユニクロ名古屋市(愛知)東レ東レ 愛知工場東洋レーヨン
生き残りの「道しるべ」1 “極限追求”で驚きの商品を生み出す

静岡県三島市にある東レ 繊維研究所。研究者たちはナノデザインについて聞くと極細の繊維の断面を見せてくれた。極細繊維の先端は三角形の白い部分と黒い部分は違う樹脂を組み合わせているという。ナノデザインは極細の繊維を加工し組み合わせることで繊維に様々な機能をもたせる技術。このジャケットに使用されるのはナノデザインで作られたデューエイト。カジュアルな見た目なのに高い撥水性能が特徴。太い繊維のあわりを細い繊維が囲んだ状態でその2種類の繊維を組み合わせることで、布の表面に複雑な凹凸をつくり水滴との間に空気の層が出来るように設計されている。そんな驚きの繊維技術を生み出した東レのポリシーが極限追求。その姿勢こそが今までにない商品を生み出せるという。

キーワード
ナノデザイン三島市(静岡県)東レ 繊維研究所
ユニクロヒット続々の裏側 “高機能の服”支える部隊

長年ユニクロで商品開発を任されてきた勝田さんも、去年発売した天然のカシミヤとヒートテックのブレンドを実現した東レの技術に舌を巻いたという。2006年に東レとユニクロは戦略的パートナーシップを結んだ。2社は一つのチームのように毎週ミーティングを開いているという。ユニクロのスピード重視の商品作りに応えるためにユニクロ有明本部の近くに拠点を構えた。内部にはアイディアをすぐに実現できる服作りの工房があり、提案は服だけでなくアイディアの試作品を作っている。東レを率いるのは車レ社長の大矢光雄。

キーワード
ファーストリテイリングユニクロ創和テキスタイル東レ極暖ヒートテックカシミヤブレンド江東区(東京)羽咋市(石川)
新食感の生地をどう生み出す? ユニクロ商品支える独自技術

スタジオには東レが開発したナノデザインによる繊維が登場。大矢は糸をナノレベルまで制御し、色々な組み合わせの糸ができる。世界で東レしか出来ない技術だという。またuts-FITがスタジオに登場。熱をかけると収縮差が出て新しい生地の感覚に表現ができた生地だという。伸縮性をもつ一方でさらりとした肌触りで光沢のある上品な生地。ナノデザインで表面に超微細な凹凸を作り出すことで実現している。大矢は天然繊維を超えるという部分で極限追求という企業魂でまだ見ぬ世界が再現できていると答えた。ユニクロとは戦略的パートナーシップを結んだことについて大矢はユニクロからは毎日世界から消費者の生の声があがってくるが、それをどう商品化して提案するか、とことん議論が続いて物ができているという。

キーワード
ナノデザインファーストリテイリングユニクロ東レ
レーシングカーに新たな動き 風力発電&ロケットにも…

この日、栃木県のサーキットで行われていたのはFIA-F4の決勝戦。F4はトップドライバーを目指す若手のモータスポーツの甲子園と位置づけられるもの。そこに東レの上着を着た人物が。参加する50台の車のシャシーすべてを東レが造っているという。その理由が驚くほど軽い材質にある。炭素繊維はアクリル繊維などを高温で焼いて作り出す素材。自動車の車体から、スポーツ用品まで、今や様々な製品に使用される。最大の特徴は軽いのに丈夫だということ。鉄に比べ4分1の軽さで、強度は鉄の10倍に。F4では車両部品の多くが炭素繊維複合材製で車体企画を統一。スーパーGT500ではドライバーの乗るモノコックは共通で東レの炭素繊維複合材を使用している。その最大のメリットは、ドライバーの被害を最小限にしてくれること。東レは炭素繊維で世界トップレベルを誇るパイオニア。需要が拡大している風力発電のブレードから、宇宙ロケットの重要なパーツまで東レの炭素繊維は、引っ張りだこ。レーシングカーなどの車体を作る東レ・カーボンマジックを取材。炭素繊維は、ハサミで簡単に切れてしまうが糸なので引っ張る方向だけに強度を発言するという。それをシート状に織り込んだものはプリプレグと呼ばれ炭素繊維に樹脂を浸透させたもの。これを手作業で何層にも張り合わせていくことで強度が生み出されていくという。柔らかいシートなので、自由な形状を作れる。その仕上げは専用の窯で長時間高温・高圧をかけて固めることで、軽量で驚くほどの強度を持つ炭素繊維の素材が出来上がる。柔らかかったシートは鉄の10倍の強度を持つ板に。

キーワード
FIA-F4選手権インターステラテクノロジズモビリティリゾートもてぎ東レ東レ・カーボンマジック米原市(滋賀)茂木町(栃木)GTアソシエイション
生き残りの「道しるべ」2 “超継続”で航空機を飛ばす

東レが炭素繊維の開発を始めたのは1961年。実用化とは程遠い段階から、大きな目標をたてたという。いつか炭素繊維で飛行機を作ると掲げていた。1972年には軽くて折れにくい釣り竿を商品化。そして1974年にはテニスラケットを発売。当時のラケットの使用は、まだ木材を補強する一部としてだった。大きな目標へプロジェクトを継続させるためにコツコツと収益をあげようと探し続けた。開発開始から45年が経過した2006年に機体の大半を炭素繊維で作るボーイングと長期供給契約を締結。東レの長い執念の挑戦が炭素繊維の売り上げを3000億円規模の巨大ビジネスに成長させた。

キーワード
ボーイング大西盛行東レ
「黒い飛行機」が飛んだ! 夢を叶えた“超継続”とは?

大矢は炭素繊維の開発について最初から黒い飛行機を飛ばすという夢があり、一方で炭素繊維は欧米の大手化学企業も手掛けていたという。しかし欧米の木企業は短期的な利益追求で、早く収益があがらないと諦める部分があるという。そういう背景の中で研究者の夢を叶える経営判断をしたという。また超継続というのは研究開発のベースになっていると答えた。また東レは来年で創業100年になるという。東レが繊維事業にこだわってきたのは何故か?について大矢は90年代から中国の繊維が圧倒的な増産をし、日本の繊維が使用されるマーケットが小さくなったという。その時に創業各社も分社化するなどしたが、東レの当時の社長は視点を変え衣料は成長産業と話していたが視点を変えたところに素晴らしいと感じたという。

キーワード
東レ
テレ東BIZで最新回を配信!

テレ東BIZでは最新回を配信!

キーワード
テレ東BIZ
超軽量パンプス&白無垢 どうペットボトルから作る?

東レの繊維技術からヒット商品がある。マルイで人だかりを作っていたのは、ケソウという、ニット製のパンプス。他にない履きご心地で人気をよんでいるという。その秘密が女性に嬉しい特徴に。人気の秘密は靴下みたいなフィット感。片足は143gという軽さで、履いていることを忘れてしまいそうなフィット感。さらにその原料にはペットボトルをリサイクルした再生の糸を使っている。実際マルイの店頭では、ペットボトルを回収。パンプスを作ることで、資源を循環させている。それを可能にしているのが、東レのアンドプラスというリサイクル事業。資源ごみとして回収されたペットボトルから不純物を取り除き、ポリエステルのチップに。それを東レの技術力で通常を変わらない白さや強度にした糸に再生。様々な商品に活用している。そのリサイクルの糸から出来上がったのは同僚社員が同僚に送った白無垢。ペットボトルから再生されたとは思えないその白さこそ東レの培った技術の証。

キーワード
ケソウ千代田区(東京)有楽町マルイ東レ
超人気カバンが進化した!?「どこにもまねできない」

東京・渋谷区のポーター表参道。日本製の高い品質と飽きのこないデザインから、熱烈なファンをもつ。そんなポーターを代表する商品はタンカーシリーズ。最近このタンカーから東レの力で驚くような商品が生まれた。開発を担当したのはフィラメント技術部の兼田。原料の糸は普通のナイロン繊維にみえるが、100%植物由来のナイロンだという。従来のナイロンと同等の強度を実現し、新たな価値をもったタンカー。繊維技術を極めることで社会課題の解決にも挑むその挑戦はこれからも続いていく。

キーワード
PORTER OMOTESANDOタンカーポーター吉田カバン名古屋市(愛知)東レ渋谷区(東京)
資源ごみから生まれた「白無垢」超人気カバンが進化した!?

大矢はペットボトルをリサイクルし白無垢で作れてしまうというが、不純物の入っていないペットボトルをチップに戻し、糸が作れるという部分があるが、それでも糸にするのは難しく、それを再現したと答えた。また今の世代は分別したペットボトルを糸にして生地にして白無垢にできるようなビジネスモデルを作る必要があったと答えそのようなマーケティングをしていると答えた。また吉田カバンについては原料からカバンを作ることも社会課題解決の一つであると答えた。

キーワード
吉田カバン東レ
女性の悩みを解決してくれる!? ストッキング売り場で人気は…

寒さが厳しくなるこの季節に女性に大助かりな商品は発熱する暖かいタイツ。さらに、伝染しないストッキングなどがある。使用されているのは東レが開発したスゴストという透明感があり丈夫な糸。今や女性の足まわりには各社が様々な機能性を打ち出している。通気性をアップさせた蒸れにくいものから靴の中で滑りにくいものまで。そして着圧ストッキングは足に圧力をかけて引き締める機能をもつ商品のこと。長時間働く女性から支持されている。

キーワード
Atsugi 天王寺ミオ店大阪市(大阪)東レ
業界にブームを起こした 高価格ストッキング誕生秘話

着圧ストッキングの最初のヒットを生み出したのは東レの大矢。朝7時すぎに誰よりも早く出社するのがいつもの日課。1980年に東レに入社した大矢は30代で取り上げられた記事の中には自身が大ヒットさせた機能性ストッキングについて紹介する内容。その始まりはとある女性経営者からの電話がはじまり。むくみ対策のストッキングがあれば皆が喜ぶと伝えたという。大矢は早速チームを組んで、働く女性の悩みを解消するストッキングの開発に乗り出した。部分ごとに圧力を変える設計から糸の開発まで前例のない商品を試行錯誤を行った。そして世に出したのはジェンティルドンナ。1万2000円という高価格なのにもかかわらず、大ヒットした。このヒットが機能性ストッキングを一気に知らしめ、様々な商品が各社から生み出されるきっかけに。大矢が挑んだ安売りをしない付加価値戦略はその後の東レのものづくりにも浸透していくことに。

キーワード
ジェンティルドンナ中央区(東京)東レ

大矢は入社時について、水着などを担当し、足回りのストッキングやインナーウェアなどを担当していたという。また入社8年目に着圧ストッキングという商品を開発したのは女性経営者から足のむくみがひどいのでそれに対応するストッキングを作ってほしいと頼まれた経緯を説明した。営業マンとして大切にしたことについては顧客視点でカスタマーサクセスにどうやって自分が向き合って仕事や商売ができるかどうかをずっとやってきたという自負があると答えた。

キーワード
東レ
世界の「水問題」に挑戦 ドロドロの水を透明に!

東レ・インディアの花田はインドのチェンナイにいた。街にはカラフルなヒンドゥー教の寺院が。その目的は、強烈な臭いをはなつ汚れた水場。日本なら処理場で浄化される下水が垂れ流しで、チェンナイ市内にはそうした場所があちこちにある。花田の使命は下水問題を解決すること。東レが最近作った施設のコンテナの内部には、下水の性質を浄化する実験施設が。花田はその研究者として、最終的な水質浄化プラントの建設のために赴任しているという。稼働させているプラントへ移動した先には大きな工場が。敷地内に集められていたのは古紙などで再生紙の製糸工場だという。製造過程で大量に出る、工場排水に悩んでいたというが、見せてくれたドロドロの液体が処理するまえの工場排水。

キーワード
チェンナイ(インド)東レ

インドの古紙などで再生紙の製糸工場ではドロドロの製造過程で大量に出、工場排水に悩んでいたという。室内には筒状のものが並んで設備が。これこそが東レが開発した膜を使った水処理プラントのことで工場排水にあわせて2種類の浄化装置などを組み合わせていくという。このプラントに先程の工場排水を通すと驚くほどの透明な水に。滋賀県の地球環境研究所は世界中に輸出する水処理膜を含む膜の研究開発を行っているという。東レは様々な種類の水処理技術を取り揃えているが、得に細かい物質を除去できるのが世界トップレベルのシェアを誇るRO膜。筒状のユニットの中は特殊な構造になっていて、中心にあるパイプにつけられているのは折りたたんだRO膜。その極小の穴があいた分離膜には除去が難しい塩分まで取り除くことが可能。このRO膜が20枚以上中心パイプに巻きつけられていて、汚れた水は幾重にものRO膜を通ることで濾過されて中心のパイプへと集まっていく。こうして、水が濾過される仕組み。このRO膜は海水を飲水に変えるための淡水化などではサウジアラビアなど、既に世界中で使用されている。世界中でRO膜が飲水を作り出し、水処理事業の売り上げだけで1000億円に迫っている。急速に都市化が進む人口14億人のインドも、水不足は深刻な問題に。東レは繊維技術が生んだ世界屈指の水処理膜で下水処理と水不足の両方の解決を目指している。

キーワード
チェンナイ(インド)地球環境研究所大津市(滋賀)東レ

大矢は水の事業については海水を飲水にする海水淡水化ビジネスがマーケットのシェアは高いという。それ以外にも色々な膜技術によって下排水を飲み水にしたり、半導体の世界で半導体は超純水を使うが、水道水かあ超純水にする膜技術にするなどの取り組みもしているという。

キーワード
東レ
百貨店売り場で注目の商品「画期的」プロがうなった

日本橋三越本店の呉服フロアでは、新作着物フェアの案内が。洗濯できる合成繊維でありながら最高級の天然の絹を追求すべく東レが長年開発を続けてきたシルックシリーズ。最近新商品にシルクの良さはそのままにストレッチ性を加えた。着物のプロからみても驚くの 出来だという。このシルック未来も繊維研究所ナノデザインで作られた。2種類の複雑な断面の繊維を組み合わせて生地の表面に特徴をだすことで、従来のものより摩擦感が増し着崩れしにくい。さらにこだわったのは絹特有の絹鳴りという音の再現。

キーワード
シルックシルック未来ナノデザイン三島市(静岡県)中央区(東京)日本橋三越本店東レ東レ 繊維研究所
1 - 2

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.