2024年7月8日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
“首都決戦”何が問われたのか? 東京都知事選・攻防の舞台裏

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
首都決戦 攻防の舞台裏 都民の選択の“理由”は?

圧倒的な得票で3期目の当選を果たした小池百合子氏。そんな中、政党の後ろ盾を持たず165万票を獲得し2位につけたのが石丸伸二氏。当初は与野党対決との見方があった選挙の構図だが、従来の政治に諦めを感じるという有権者が新たな選択肢を求めていることが見えてきた。17日間にわたる首都決戦で何が問われたのか?独自取材で迫る。

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オープニング

オープニング映像。

“首都決戦”何が問われたのか 東京都知事選・攻防の舞台裏
首都決戦 攻防の舞台裏 勝敗を分けた“深層”とは

先月19日、共同記者会見のために候補者たちが顔を揃えた。自民党の政治資金問題に矛先を向ける蓮舫氏に対して、小池百合子氏は都政を進めていくうえにいろいろな連携が必要だとした。このときの与野党対決の構図を否定したのが石丸伸二氏だった。今回の選挙戦の特徴が浮き彫りになったのは告示日の翌日の八王子駅前。まず演説をしたのが蓮舫氏、その直後に演説をしたのが石丸氏。石丸氏は蓮舫氏に劣らない聴衆を惹きつけていた。メガバンク出身の石丸氏の経済政策に期待する声が聞かれた。

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首都決戦 攻防の舞台裏 石丸氏の“新たな選挙戦”

石丸氏が注目されたのが2年前に安芸高田市の市長だったときに、ネットで拡散された動画だった。地元の議員らに強い口調で迫る姿で再生回数は1000万回を超えた。今回の選挙でも既存の政治、マスメディアをたびたびを批判していた。石丸氏の演説は集まった人たちによって拡散された。全ての演説を撮影し配信していた男性は、編集しているうちに石丸氏の主張に共感するようになったという。石丸陣営を支えていたのはネットで存在を知り集まってきた人たち。立候補した石丸氏に狙いを問うと、都知事になるの表の狙いだとしたら裏の狙いはこれをきっかけに日本の政治を刷新する、ここで勝負をかければ一気に日本の政治がひっくり返せるだろうなと話した。

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首都決戦 攻防の舞台裏 小池氏“圧勝”の深層は

現職の小池陣営は独自の動きをみせていた。選挙戦前半、3人が街頭演説を行った日を確認すると、石丸氏と蓮舫氏は毎日演説を行っていたが小池氏は土日の2日間だけだった。そんな中、AIで作ったアバターの動画を20本以上公開した。AIを使って訴えたのは現職にとっての最大の強みであるこれまでの実績。自民党と一体だという批判をかわす戦略もみえてきた。自民党は政治資金問題で逆風がふく中、党が表に出ない形での支援を呼びかけていた。衆議院の補欠選挙などで敗北が続き自民党にとって流れを変えたい思惑があった。小池氏は自民党とのつながりについて、保守の方々の声に応えて都政を進めていきたいと話した。一方で自民党が持つ組織票を可能なかぎり取り込もうとする動きもあった。小池氏は都内のホテルで非公開で行われた集会に出席。業界団体や自治体のトップたちが自民党東京都連の呼びかけで集まった。

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首都決戦 攻防の舞台裏 蓮舫氏と“反自民”戦略

当初、小池氏との事実上の一騎打ちに持ち込もうとしていた蓮舫陣営。反自民の訴えを鮮明にしていた。野田佳彦元首相が自ら駅前に立っていた。カギを握る無党派層の受け皿になれるのか。蓮舫氏が訴えたのは若者への支援。多くの若者たちの前で行った演説では自らのイメージを払拭するような語り口が増えていた。過酷な選挙戦の生き抜きは毎朝の愛犬の散歩。若者を支えるという訴えにどうな狙いがあるのか問うと、結婚や子どもを諦めている子がいるならそこがいちばんの政治課題だと話した。蓮舫氏は自宅からのライブ配信も行い、誰もが生きやすく社会にと繰り返し訴えた。そして、きのう小池百合子氏が3期目の当選を決めた。

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首都決戦 攻防の舞台裏 小池氏“圧勝”の深層は?/首都決戦 攻防の舞台裏 衆院選への影響は?/首都決戦 攻防の舞台裏 石丸氏“支持拡大”の背景は?/首都決戦 攻防の舞台裏 蓮舫氏“3位の結果は?/首都決戦 攻防の舞台裏 今後の選挙のあり方は?

都知事選は小池氏の圧勝となった。これまでの都政運営が一定の評価をされたことが要因にあると考えられる。新型コロナ対応、子育て支援、物価高騰対策など幅広い層に響く取り組みができるという現職の強みを生かした。小池氏は自民党などが自主的な支援を行ったが、表立っての支援は行われなかった。小池氏の政党色をなるべき抑える戦略が功を奏した。知事選の勝利が自民党支持にはつながらない。きのう、都議会議員の補欠選挙が行われ、自民党は8つの選挙区に候補者を擁立した。結果は2勝6敗、自民党にとっては厳しい結果となった。補選の結果をうけて自民党幹部は政治と金の問題による逆風は依然として厳しいとしている。衆院選で勝てる総裁を選ぶべきだとの声が強まっている。

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今回の都知事選では政党の支持を受けずに戦った石丸伸二氏が2位になった。投票した人を支持政党別にみると約半分を占めるのが支持政党が特にない無党派層。この方々が誰に投票したのかをみると、石丸氏が小池氏と互角以上の結果をみせた。石丸氏はこれまでの政治を強く批判する姿勢を一貫してきた、政治不信や既存政党への不満の受け皿になったと考えられる。今回の選挙は投票率が60%を超え、平成以降で2番目に高くなった。普段政治に関心のない層が投票に行ったという見方がある。

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蓮舫氏は3位という結果。全面的に支援した立憲民主党では衝撃が広がっている。小池氏との対決を強調無党派を取り込んで勝利することで今後にはずみをつけるシナリオを描いていたが、勢いが削がれた。党内には共産党との連携が影響して無党派への浸透がはかれなかったという意見、共産党の支援がなければさらに得票が伸び悩んだとの見方もある。

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今回の都知事選のように多くの候補者が出れば有権者の選択肢は増える。今回の候補者56人のうち、小池氏、石丸氏、蓮舫氏をのぞく53人が有効投票総数の1割未満の得票しか得られなかった。これで300万円の供託金を没収される対象になる。くらしにある課題が山積みだからこそ自分たちの一票で決めていきたいという焦りが投票率を押し上げたのかもしれない。

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