2024年10月23日放送 5:45 - 7:05 テレビ東京

モーサテ
【深読みリサーチは商品市況からみる中国経済】

出演者
池谷亨 片渕茜 中垣正太郎 平出真有 圷正嗣 吉川雅幸 本間隆行 
(ニュース)
雇用・消費トレンドの現状は?/投資家の裾の拡大に寄与

吉川さんは「米国の金融政策、11月6日・7日にFOMCがありますが、利下げがあるかどうかについてマーケットの見方が割れてきているので、景気の状態について確かめたいということでしょうね。10月雇用統計については、ハリケーンの影響で、5万~10万人くらいの雇用が減っているとの説があり、数字の評価が難しいですね。地区連銀経済報告の聞き取り調査の結果などで、雇用情勢や消費がどのような状態になっているのか、FRBがどう見ているのか、FRBが0.25の利下げをするのかを考える上での参考になるのではないでしょうか」、圷さんは「東京メトロは、2018年のソフトバンク以来の大型上場ということで注目度は高いと思います。時価総額の大きい銘柄が増えるということは、意義深いと思っています。こうした銘柄が増加していくことというのは、マーケットの活性化につながると考えていますから」などと話した。

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気象情報

気象情報を伝えた。

(マーケット情報)
NY株式

ニューヨーク株式市場の株価の値動きを伝えた。

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S&P 500ダウ・ジョーンズ工業株価平均ナスダック総合指数ニューヨーク株式市場
LIVE NY証券取引所 アマゾン衛星通信に注目

米国みずほ証券・兼松渉さんの解説。Amazon.comのプロジェクト、カイパーに注目している。人工衛星を使った通信サービスで、これまでブロードバンドサービスの圏外であった人々にもインターネットのアクセスを提供するもの。アマゾンは試験衛星の打ち上げをすでに成功させていて、今年の10月期−12月期から本格的な打ち上げを始め、来年にはサービスが開始される見通し。将来的にはテスラが手掛けるスターリンクのライバルとなることが見込まれている。世界経済フォーラムのデータによると、世界でインターネットへのアクセスがない人口は約26億人とされており、そのビジネスのポテンシャルは大きいと見ている。将来的にはこういったサービスがプライム会員の特典に織り込まれ、アマゾンにとってはインターネット小売やクラウドのAWS、そして広告事業に次ぐ4つ目のビジネスに成長することも予想される。アマゾンの目先の業績を占う上では不安材料でもある。アマゾンはむこう数年間で約100億ドルの先行投資を行うとの見通しを示している。将来的にこのプロジェクトの営業利益がトントンになるのは、2029年となると予想している。

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Amazon Prime VideoAmazon.comスターリンクテスラニューヨーク証券取引所ニューヨーク(アメリカ)プロジェクト・カイパー米国みずほ証券
その他のマーケット

為替・金利・商品の値動きを伝えた。

プロの眼
アメリカ大統領選挙と金融市場

三井住友DSアセットマネジメント・吉川雅幸さんの解説。テーマは「アメリカ大統領選挙と金融市場」。吉川さんは「11月5日の選挙まで2週間切ってきたがトランプ氏の支持率がかなりハリス氏に追いついてきている。もともと民主党が常に勝っている州と共和党が勝っている州が決まっている。7つの州の勝敗で勝敗が決まる。いずれの州でもトランプ氏がハリス氏をリードしている。どっちが有利になるかということについては有権者がどういうテーマを重視するかによって変わってくるという見方が多かった。最近の世論調査を見ていると有権者の中で経済、治安の問題を重視する割合が高くなっている。こういったものがおそらくトランプ氏が少し優先になってきている背景にあるのでは。米国の場合、財政支出を増やすとか減税するとか財政関係の政策を行うためには上下院両方の賛成を得ないといけない。上下院とも同じ政党が多数だと大統領の公約は実行できるが、どちらかの議会のほうが反対政党になると妥協しないといけない。野党と合意できる範囲でしか可決できない。ねじれると大統領令に力を入れることになる。上院に関しては2年ごとの選挙で3分の1ずつ改選。今回の選挙では民主党の改選議員が多い。上院では民主党がわずかに多数。これは共和党が多数に変わる可能性が高い。下院は大接戦。どっちが多数になるかわからない」などと述べた。

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アメリカ合衆国大統領選挙カマラ・ハリスドナルド・ジョン・トランプ共和党民主党

吉川さんは3つのケースを見ておくべきとしている。ケース1・大統領ハリス氏+議会ねじれでは米国経済の軟着陸、FRB徐々に利下げ→米国金利やドルが緩やかに低下。吉川さんは「ここはあまり特徴がない。バイデン政権の延長になりやすい。金融市場を判断する上で経済のファンダメンタルズでFRBがどう動くかに争点が戻る」などと述べた。2・大統領トランプ氏+議会共和党ではインフレ高止まり、FRBの利下げ限定的に→米国長期金利、ドルが高止まる可能性。吉川さんは「財政面での政策を先行。関税はやるとしても後回しになる。インフレが高くなりやすくなる。FRBが利下げをやめるという期待が出てくるので長期金利、ドルが高止まる可能性がある。株価にはポジティブ」などと述べた。ケース3・大統領トランプ氏+議会ねじれでは財政面からの景気刺激はあまりできない、金融市場は成長率下振れとインフレ高止まりのバランスを考える必要→不安定に。吉川さんは「トランプ氏としては大統領令に力を入れる。移民の制限や対中関税、関税に力を入れることが起こる。市場もFRBも悩みマーケットが揺れ動くことになりやすい」などと述べた。選挙以外で重要なのがFRBの金融政策。吉川さんは「トランプ氏の最初の大統領のときは株価は強かった。ところが第2期目に入りねじれ議会になり、株価が下がった。FRBが利下げに転換して株価は持ち直した。マーケットが不安定になっても利下げがでてくれば株価が持ち直す。一方的に株が売られる展開にはなりにくい」などと述べた。

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集まれ!総選挙ライブ

集まれ!総選挙ライブの番宣。

(モーサテ)
市場の不安 払拭できるか?/市場関係者 注目の銘柄/日米選挙 株・為替への影響は?

マーケット担当・長江優子が、今日から本格的に中間決算の発表が始まるため市場関係者の注目ポイントや銘柄について解説。中間決算のテーマが「不安払拭できるか」。注目点は1・上方修正ラッシュは期待薄?、2・経営者発言は“成長プラン”に注視、3・中国経済の回復兆しは?中間決算での業績修正の発表社数のグラフを元に、ここ数年はコロナ禍からの経済活動の再開や円安の追い風もあり上方修正を発表する企業が多かった。今回先行きの不透明感が強いため今回の決算では上方修正を発表する企業は少ないと見ている市場関係者が多かった。こうした状況からで経営者の発言については円安効果などの追い風がなくても成長プランを示せるかどうかという点に注目が集まりそう。中国経済の回復兆しについては今回の決算で最新の動きを確認したいという声が多かった。市場関係者が選んだ注目銘柄を紹介。三越伊勢丹ホールディングスは円高でインバウンド需要停滞につながったこともあり、この影響を受けたのが今月決算を発表した高島屋で、営業収益の予想を下方修正した。市場関係者は三越伊勢丹ホールディングスの業績が好調である一方で為替の変化による経営リスクを経営者の発言から見極めたいと思っている。東京エレクトロンとアドバンテストは、ASMLの決算でAI向け半導体需要の強さが明らかに、需要が本物かを決算でチェックしたいニーズが強まる。トヨタ自動車は自動車の大量生産に必要な形式指定をめぐる申請で不正が明らかになり国交省から是正命令を受け、台風もあり工場稼働を何日も止めていた。現在掲げている年間生産台数の見通しを修正し通期業績予想の見直しまであるかが今回の大きな焦点になりそう。決算を終える11月15日ごろの日経平均予想は3万9000円~4万1000円に回答が集中。上振れ余地がある理由は不透明感の払拭がある。日本の総選挙は自公連立で議席を獲得しても最終的には経済政策の中身次第。米国の大統領選挙は減税政策を打ち出そうとしている共和党・トランプ氏が当選すると景気回復への期待が高まることから株高、ドル高、金利高になるという見方がある。ただ、民主党のハリス氏になるとねじれ議会になる可能性が高くハリス氏が掲げる法人税増税法案が通りにくくなることから株式市場で波乱が起きにくいという見方が強かった。ただ、マーケットはトランプ氏当選を見込んでいる。金利低下、株安で反応する可能性がある。きょうはニデックが第2四半期決算の発表を予定している。先行きに対する不安材料が多い中で経営者の発言で不安を払拭できるのか。

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深読みリサーチ
商品市況から見る中国経済

住友商事グローバルリサーチ・本間隆行さんの解説。テーマは「商品市況から見る中国経済」。7−9月期のGDP成長率は前年比4.6%増。中国政府が今年の目標とする5%前後を2期連続で下回った。本間さんは「前期比0.9%、4−6月期は0.5%の成長。若干加速しているが目標を達成するには10−12月期に前期比2%の成長が必要とされる。成長をけん引するはずの個人消費は前年比3.2%、固定資産投資は前年比3.4%と伸び悩む。低迷する経済を先月下旬に政府が金融政策財政支援によって下支えする方針を示す」などと述べた。中国政府が示した政策は金融緩和、不動産対策、株式市場対策。本間さんは「金融政策ではツールとして7日物のリバースレポ金利を1.7%から1.5%に下げ幅を拡大。貸出金利の指標となるローンプライムレートを同様に引き下げている。不動産対策では効果を見極めながら政策修正や処理を進めていくことになりそう。人民銀行から直接オペによって流動性を受けられるのが銀行だったが対象となる金融機関が広がっている。12日に行われた財政省の会見で財政赤字の拡大の余地はあると表明。消費者マインドや投資家マインドの改善を通じて内需が底上げされる期待が強まる」などと述べた。

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ローンプライムレート中国人民銀行住友商事グローバルリサーチ国内総生産

中国政府の政策に対して商品市況の反応について本間さんは「強く反応したのは非鉄金属。中でも銅が大きく上昇。金属の多くは中国が世界の半分ほどを消費。8月前半は8800ドルだったが8月末にFRBの利下げ方針を受けて景気後退懸念が薄れて銅価格は9000ドルを回復。9月に入ると1万ドルを超えた。中国経済に対する楽観的な見通しが支配的になったことで銅への買い安心感が広がった。この上昇に持続性がありトレンド維持するかがテーマとなる。銅の上昇が続くと実態経済が好調という裏付けにもなる。金属以外の他の商品の上昇に波及することも考えられる。現物需給がひっ迫する状態になると倉庫から地金が引き出されていくことになる。供給が不安定で今の状況は需要が弱いことを示している」などと述べた。中国の景気回復期待が高まっているとすると石油も強含むことがあっても良いのでは。本間さんは「今回は特段材料視されていない。中東情勢が原油相場のドライバーになっている。原油はEVなどの普及による需給への影響が重要となる。景気動向との関係では強い関係があった中国のような新興国経済と原油需給との関係に注目する必要がある。産油国が減産を続けて需給がゆるく価格が上がりにくい状況。WTI原油は先週、70ドルを割り込んだ。石油製品は過剰気味、中国の原油輸入は抑制気味。地政学リスクを意識した相場から需給が注目される相場になっていく」などと述べた。

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WTI原油先物価格連邦準備制度理事会電気自動車

今後の商品市況を見るうえでの注目点は。本間さんは「中国についてGDP以外の他の経済指標を見る。生産統計や貿易、物価、海外直接投資や新規融資状況などを確認する必要がある。財政政策を打つとするとどの程度の金額が出てくるかにも注目。政策が地方政府支援になることで不良債権処理に使われる可能性がある。実際の景気対策に繋がっていかない可能性がある。金融緩和が需要への働きかけではなく金融機関の不良債権処理を促進させるものなら新規融資に繋がらない。中長期的には脱炭素化の進展度合い、地政学リスク、イノベーションの進展などGDP成長率以外の要因が期待という形で反映される。市場の思惑にも注意して観察する必要がある」などと述べた。

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国内総生産
モーサテ朝活Online

午前7時8分ごろ~モーサテプレミアムでモーサテ朝活Onlineをライブ配信。本間さんが中国経済から見る商品市況の注目ポイントについて解説。

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Morning satellite PREMIUMモーサテ朝活Online
(気象情報)
全国の気象情報

全国の天気予報を伝えた。気象庁から3か月予報が発表された。11月は全国的に暖かい見込み、12月、1月は平年並み。

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3か月予報気象庁
(ニュース)
世界成長率の見通し据え置き

IMFが22日、最新の世界経済見通しを公表した。今年の世界全体の実質成長率は3.2%に据え置いた。来年についてはわずかに下方修正し3.2%となった。景気のソフトランディングの見通しを維持しつつ、「欧米と中国が関税引き上げを応酬する事態となれば、世界経済が失速する可能性がある」と指摘した。国別では個人消費の強さからアメリカの今年の成長率を上方修正した一方、ユーロ圏については主要国・ドイツの不振に圧迫され下方修正された。また、日本は認証不正による自動車の生産停止などが響き、0.4ポイント下方修正した0.3%と予想している。

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国際通貨基金
イオン PB商品を実質値下げ

イオンはプライベートブランド「トップバリュ」で価格は据え置いたまま中身を増量する実質値下げを数量限定で行うと発表。対象は約100品目で、物流の最適化や容器の見直しでコストを削減したという。一方、アサヒビールは「スーパードライ」など226品目を来年4月出荷分から値上げすると発表した。原材料の価格高騰や物流費のコスト上昇を受けたもので、ビール類やノンアルコール飲料は5~8%、チューハイ類は7~8%の値上げになるという。

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アサヒビールイオンスーパードライトップバリュ
GM 再び見通し引き上げ

GMの7-9月期の決算は、売上高と調整後一株利益がともに市場予想を上回った。利益率の高いピックアップトラックやSUVの需要が好調だった。また、価格設定や適切な在庫管理が業績に寄与した」とした上で、2024年通期の調整後EBITの見通しを再び引き上げている。決算を受け、株価は9.8%上昇した。

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ゼネラルモーターズ
経済情報

現在の為替の値を伝えた。

解説 市場は何を見ているか

吉川さんはきょうの経済視点に「エネルギー問題」と挙げ、「短期的に来年の景気を考える上でも中長期的に見ても、日本経済にとって1つの重要な要素だと思う。来年の景気に関して言うと、最近議論になっている実質賃金が上がるかということについても、原油が安定していれば政府は補助を出さなくても賃上げに反映して実質賃金が上がって消費が伸びる。逆に原油が上がると産油国に消費税をかけられたようなものなので、同じ量の原油を輸入しても所得は海外に行ってしまう。結局は企業収益化家計所得か財政かのどこかが悪くならざるを得ないので、景気の足かせになる。長い目で見るとIT化が進むとどうしても電力を食うので、中長期に渡っていかに安定的に高すぎない電力を供給するのかというのが日本に対する投資が増えるかどうかの大きな鍵になる。総選挙後にぜひ活発に議論していただきたい」などと話した。圷さんは経済視点に「強まる不確実性。しかし達観すれば…」と挙げ、「今後衆院選があり、その後はアメリカの大統領選がありと非常に強い不確実性がマーケットを覆っている状況だと思う。だからこそ機関投資家がポジションを軽くしてリスクを回避すると言う動きを取っていると思う。選挙の結果急激な円高に繋がる要素も少ないと思う。達観すればマーケットは短期的に振れるかも知れないが、業績がしっかりしていればまた上がると考えるのが自然何だと思っている」などと話した。

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アメリカ合衆国大統領選挙衆議院議員総選挙
明日は

あすの「モーサテ」の番組宣伝。「日経朝特急プラス」などをお伝えする。

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