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- 豊島晋作 相内優香 原田亮介 田中瞳
オープニング映像。
国内企業の決算発表が本格化している。大丸を運営するJ.フロント リテイリングは今年3月から8月までの半年間の決算を発表。売上高にあたる売上収益は前の年から9.3%増えた2093億円。営業利益は2倍の393億円となり、3月から8月期として過去最高を更新した。好調の要因がこの夏に1ドル161円台をつけた歴史的な円安。これにより訪日客による売上高が大幅に増えたという。特に人気なのは品質の高い日本の化粧品。多くの客が指名買いで来店する。一方、日本人の客には腕時計など比較的高級な商品が人気で、こうした国内富裕層の消費も好業績を支えたという。
好調な決算を発表したイオンモール。日本最大級の規模を誇るイオンモール幕張新都心には、約360のテナントが入っている。国内のイオンモール全体で、モールに入居する専門店の売上高を見ると雑貨は1年前の同じ時期と比べて6.5%増加。季節要因の影響が少なく、安定的に売り上げを伸ばしたという。イオンモールの主な収入源はテナントからの賃料。歩合賃料の場合、テナントの売り上げが伸びれば伸びるほどイオンモールの収入が増えることになる。今年3月から8月の決算は売上高にあたる営業収益は2222億円と1年前と比べて5.4%増加。また、営業利益は9.9%プラスの268億円だった。雑貨以外にも、ホビー、趣味用品の売り上げは9%増加。衣料品も、2.4%のプラスとなるなどあらゆる業種が好調となっている。イオンモール・坪谷雅之取締役は「この景気は今期いっぱいは続くだろう」などとコメント。
衣料品大手の「しまむら」の3月から8月までの半年間の決算で売上高、営業利益ともに過去最高を更新。純利益は減益予想から一転5%の増益となるなど小売各社で好決算が続いている。ただ今日発表された統計には気になるデータも。物価の変動を反映させた実質賃金は8月、3か月ぶりに減少(厚生労働省)。また、8月は実質消費支出も2か月ぶりのマイナスとなった。さらに夏場と比べて円高が進んでいるため、インバウンド消費の勢いにも陰りが出ている。大丸松坂屋の免税売上高は今年1月から7月までは去年の倍以上で推移してきたが、8月は39%増。9月は17%増にとどまるなど、急減速している。イオンモール・大野惠司社長は「時間消費型のショッピングセンターに変えていきたい」、Jフロントリテイリング・小野圭一社長は「年末年始と春節という大きなイベントがありもう一段、今年度はドライブがかかるとみる」などとコメント。
いまや空港近く以外のモールでもインバウンド客の取り込みに注力している。各企業ともそのためのマーケティングや店舗作りに取り組んだ結果が、今回の好調な決算に出た。専門家は、インバウンド消費は当面は大丈夫だと話している。ただ1ドル=130円台まで円高が進むと警戒が必要だという。
実質賃金がマイナスになるなか、専門家はまだ消費者のマインドは全体として悪化はしていないとしつつ、今後のポイントは「来年の賃上げがどうなるかがポイント」などと話した。また日銀の利上げが想定より早く進むこともリスクになり得るという。
中国は国慶節を迎えているが、北京市では不動産業界が活況を取り戻しつつあり、北京の約3億円超えのマンションモデルルームには連休中は毎日200組が訪れていた。モデルルームの入口には中央政府の強靭なシグナルで不動産市場は安定するとの文字が並んでいた。金融当局は住宅ローン金利や頭金の引き下げを行い、地方政府も住宅購入の規制を緩和していて、9月26日には習近平国家主席が不動産市場の下落を止めて安定化させるとも言及し、不動産市場に手を加える意思を表明した。政策を受けて深圳では新築マンションの購入申込みが1年前の10倍にのぼっているという。上海証券取引所では一時10%を超える上げ幅がみられ、9月24日以降では25%を超える上げ幅となっている。専門家の久保和貴氏はこれまで政府は不動産市場の支援に及び腰と見られていたが、市場への介入の動きが見られたことで買われていると紹介。中国本土株は今後も緩やかに上昇することで、インド株などにも中国のお金が戻っていくなど影響が出ることが予想される。
個人の健康情報などを指すパーソナルヘルスレコードをめぐっては、経産省はこの情報に基づいたサービスを大阪・関西万博で展開する方針。NTTドコモがゲーム会社とコラボしたゲームはPHRデータを活用して難易度調整を行えるようにすることでその人に合わせた健康づくりに役立てたいという。沢井製薬とリクシルのコラボは個人個人にあった睡眠環境を促すことを視野に入れている。PHRを活用した10ものサービスが万博では展開されるという。ウェルナスではすでにPHRを活用し、「NEWTRISH」はどのような栄養素が足りていないかをAIが解析してバランスの取れた食事を提案するが、メニューは400を超えていて管理栄養士が監修しているという。PHRを活用したヘルスケアの市場は2020年は25兆円なのに対し、2050年までに77兆円に拡大することを経産省は見込んでいる。
PHRサービスについて、原田氏は健康維持だけでなく電子カルテにアクセスできればセカンドオピニオンにも繋がるだけでなく、他の医療機関でも診察記録や服薬状況を把握することで診断をより的確にすることが期待でき、医療費削減にも繋がると期待している。現状は29歳以下では50%がPHRを活用するのに対し、それ以上の年齢だと10%前後となってしまっているのが現状であり、病院ごとにシステムが違う場合は活用できないことも課題となる。北欧やエストニアではプライバシーへの配慮があることでPHRを活用したサービスも普及しているのに対し、日本ではマイナカードで情報を確認できるなどのメリットが説明しきれていないことも課題となるという。
あす衆議院解散。参議院本会議で行われた各党の代表質問。野党側は政治資金収支報告書に不記載があった自民党議員への対応を追及した。立憲民主党・田名部匡代参院幹事長「説明責任が果たされているかどうか誰が何をもって判断するのか」などとし、石破首相「不記載があった議員については、引き続き適切な方法で地元の理解が得られているかなどを判断する」とした。一方、石破総理が足元の日本経済に対する認識を問われる場面も。石破総理はデフレ脱却を最優先に実現させる考えを重ねて強調した。さらに金融政策をめぐっては「日銀に委ねられるべきもの」とした。明日の党首討論を経て衆議院を解散する方針で、その後、本格的な選挙戦に突入する。
ことしのノーベル物理学賞の受賞者が発表され、Aiの先駆者と呼ばれるカナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン氏とアメリカ・プリンストン大学のジョン・ホップフィールド氏が選ばれた。2人は、人間の神経を模した人工ニューラルネットワークにより、AIの機械学習を可能にする基礎的な発見と発明をし、顔認識機能や翻訳、天文学などの分野で多大な恩恵をもたらしたことが評価された。
JR東日本は、2026年3月に開業する大井町駅周辺の開発について、事業概要を発表した。JR東日本としては初めて、屋外モール型の商業施設をつくるほか、長期滞在用のサービスレジデンスなどが入る。大井町駅と浜松町駅の間の開発を広域品川圏と位置づけ、2034年頃までに賃料収入などで、年間約1000億円の売り上げを目指すとしている。
テーマ「企業のまちづくり」。自治体ではなく民間の企業がまちづくりを手がける事例が全国で広がっている。神奈川県藤沢市にあるベーカリーのNOLAN。創業は1990年。市内に3店舗を構えている。2種類の天然酵母を使い分けるなど素材にこだわることで長年地元の人に愛されてきた。1年前にパナソニックが始めた地域密着ECサイト「ハックツ!」では、藤沢市では地元のお店のおよそ180店の商品を扱っている。利用者から注文が入るとパナソニックが手配した車が週に1度商品をお店から集荷して回る。商品は市内の受け取りスポットに集め、利用者はそこで商品を受け取る仕組み。商品に上乗せした手数料が、パナソニックの売り上げになる。受け取り場所は現在、藤沢市内に6ヶ所。1年で登録ユーザー数は1100人を超えた。パナソニックは10年前藤沢市の工場跡地にスマートタウンをつくり、民間によるまちづくりを開始。これまでテクノロジーをいかした配送サービスの実証実験をしていたが、「ハックツ!」でコミュニティの活性化に役立つよう進化させた。まちづくりに重要な雇用にも貢献している。商品の梱包などを障害者たちの就労施設で行っていて、地元の障害者の雇用も生んでいる。山形県鶴岡市では地域で設ける仕組みを作るため、ベンチャー企業のSHONAIがホテルや児童施設を整備している。さらにトヨタ自動車はAIや自動運転など先端技術を導入するための実証都市「ウーブンシティ」を静岡県裾野市に建設している。この企業によるまちづくりをさらに発展させようとパナソニックは、ハックツ!のツアーという意外な取り組みを始めた。
神奈川県藤沢市にある江の島で地域密着ECサイト「ハックツ!」が販売したサンセットヨガツアー。藤沢市に住む13人の客が集まった。そしてヨガの後に向かったのは、JR藤沢駅前のホテル。「ハックツ!」のツアーで、地元の穴場スポットをまさに発掘するというコンセプト。サウナで整った後は参加者同士の交流会。コミュニティの活性化を図る。パナソニックは、「ハックツ!」のサービスを9月には東京・世田谷区でも開始。今後はさらに地方都市にも拡大する計画。
石油元売最大手、ENEOSホールディングスは金属事業を手がける完全子会社のJX金属が東京証券取引所に上場を申請したと発表した。上場により調達する資金を水素など次世代エネルギー事業への投資にあて、競争力を高めるのが狙い。JX金属は国内非鉄大手で23日に上場予定の東京メトロを上回る大型上場になる可能性がある。
NHKは、来年度後半から始めるインターネットによる番組配信のみの受信料をテレビの地上波の契約と同じ1100円にすると発表した。番組のネット配信の必須業務化に伴い、今年度からの経営計画の修正案に取り込まれたもの。ネット受信料は、利用者がアプリをダウンロードし利用登録をした場合に生じ、テレビの受信料を支払っている場合は追加負担なしで視聴できる。
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財務省が発表した8月の国際収支速報によると、経常収支は1年前より約66%増えた3兆8036億円の黒字だった。黒字は19か月連続で単月として過去最大を更新した。円安や海外の高金利を背景に海外投資の利子や配当といった第一次所得収支が牽引した。
8月に過去最大の黒字を記録した経常収支は日本企業が海外で行った直接投資の恩恵などが大きく、日本国内の景気動向への影響が薄いため景気に好影響を及ぼしにくいと考えられている。また貿易・サービスでは赤字を記録していて、国内の設備・人材投資の必要性がより増している状況となっている。
経済情報を伝えた。
米国にある世界最大級のイチゴの植物工場を持つオイシイファームが8日、日本に研究開発拠点を開設すると発表した。工場の中ではAI(人工知能)やロボットも活用してイチゴを生産。外部から遮断されているため、害虫や虫の侵入を防ぎイチゴを完全無農薬で栽培できるという。植物工場で生産されたイチゴは現在、米国のスーパーなどで売られている。オイシイファームは、来年にも日本の首都圏に研究施設を開設する計画。古賀大貴CEOは「日本には植物工場を運営するために必要な技術や人員などが最先端の状態で、量産のための研究に最適だと考えている」など話した。