- 出演者
- 所ジョージ 並木雲楓
オープニング映像。
入社2年目・日本テレビアナウンサーの並木雲楓が新プレゼンターとして登場。学生時代にやっていた躰道を披露した。きょうのテーマは「ゲル」。プルプルの正体「ゲル」を徹底調査。
やって来たのは東京大学。日本を代表するゲル研究者・酒井崇匡教授はゲルについて、非常に軟らかい物質でほとんど水。固体と液体の両方の性質を持っていると話した。固体の性質が弾性、液体の性質が拡散。ボールペンの主流とも言えるゲルインクのボールペン。ゲルインクは1984年に世界で初めて日本で開発されたもので、油性より書き味が滑らかで水性よりも速乾性があり、にじみにくいのが特徴。ゲルインクは力を加えると液体になり、時間が経つと固体に戻る。普段はゲル状態のものが力を加えると液体になり、力を加えるのをやめるとゲル状態に戻る現象をチキソトロピーという。ゲルインクはボールペンの中にある時はゲル状態だが、ボールが回転する力がインクにかかることで液状になり、滑らかに書ける。しかし、紙の上ではすぐにゲル状態に戻るため、急速に固まり、にじまない。チキソトロピー性によって滑らかな書き味とにじみにくさを両立している。
食品の食感について研究している新潟大学・赤澤隆志助教は豆腐は豆乳中のタンパク質、ゼリーはゼラチンが網目構造を作る。その網目の中に水分子を閉じ込めることで固形を保っていると話した。ゲル食品の網目構造を作る材料はタンパク質と多糖類。タンパク質でできたゲルにはゼリー・プリン・豆腐があり、多糖類でできたゲルにはこんにゃく・寒天・わらび餅などがある。網目構造を作る材料や仕組みは食品によって異なるため、それぞれ独特のプルプル食感が生まれる。
ゲルはタンパク質などが網目構造を作り、網目の中に水分を閉じ込めている。スタジオでは所ジョージが一般的なコーヒゼリーと新食感のコーヒゼリーを食べ比べた。新食感のコーヒゼリーについて、所ジョージはこれはこれで面白いと話した。
食感をより良くするための研究を行う新潟大学・赤澤隆志助教。食感を作り上げる時に大切なのは網目構造をどうやって制御して、理想的な網目構造を作るかが重要だと話した。網目構造を制御するために有効な物質がオリーブの葉。オリーブの葉から取り出してきたポリフェノールがゲルの食感を変えることが分かったという。オリーブポリフェノールを使った新食感のゼリー作りに挑戦。温めたコーヒーに砂糖とゼラチンを入れて混ぜる。次にオリーブポリフェノールとゼリー液を混ぜる。冷蔵庫で冷やしたら完成。同じ分量で作ったオリーブポリフェノールなしのゼリーと噛み切るために必要な力を比較。オリーブポリフェノール入りは約10倍の力が必要という結果になった。オリーブポリフェノールはタンパク質同士を架橋する。タンパク質同士が手をつなぐような形で接着剤のように働く。これによって、ゼラチンの網目構造が強靭になり、すくいにくいゼリーになった。さらにオリーブポリフェノールを加えたコーヒゼリーは温めても溶けずに固形のままだという。オリーブポリフェノール入りは共有結合という強い結合によって、ゼラチン分子同士が結合している。これは熱でも溶けない。
スタジオに温かいコーヒゼリーが登場。これを食べた所ジョージはコーヒゼリーじゃない方が美味しいかもと話した。オリーブポリフェノールによる共有結合は温めても切れないが、ゼラチン同士の弱い結合は温めると切れる。その結果、冷たいものよりも網目の密度が低くなり、伸び縮みする範囲が広がり、このような食感になるという。
ゲルの専門家・東京大学の酒井崇匡教授は2008年に画期的なゲル素材を開発。硬さや触感を作り分けることができるテトラゲル。伸びるゲルは手術した時の止血材として活用できる可能性がある。テトラゲルはポリエチレングリコールと水を混ぜて作られる。一般的なゲルは不均一な網目構造をしている。一方、テトラゲルは均一な網目構造。テトラゲルは2種類のポリエチレングリコールが交互に組み合わさるように設計されている。酒井崇匡教授は均一な網目構造のゲルを世界で初めて開発した。細長く加工されたゲルの糸、厚さはわずか0.2mm。高い強度と伸縮性を持つゲルの糸は人工靭帯として使おうとしている。怪我によって靭帯や腱が切れてしまった場合、人工靭帯や自分の健康な腱を移植する手術が行われる。そこでこのゲルの糸を束にして人工靭帯として使うための研究が進んでいる。既存の人工靭帯は基本的にプラスチックで作られており、数年経つと切れてしまう。しかし、ゲルの糸は劣化が起きないという。ゲルの糸は靭帯の3倍ほどの強度があり、100万回の歩行を模した試験にクリア。実用化されれば、移植後の経年劣化のリスクを減らし、移植で他の腱を失うこともないため、患者の負担を大きく減らす可能性がある。
ほとんどが水でできていて人の体と相性の良いゲルは医療への応用が期待されていた一方で、強度が低いという弱点があった。現在は強度が高いゲルが開発され、医療における研究が活発になっているという。
「所さんの目がテン!」の次回予告。
