2025年7月14日放送 5:45 - 7:05 テレビ東京

モーサテ
【金とビットコインが示す資産運用の未来】

出演者
矢内雄一郎 佐々木明子 平出真有 長江優子 藤井由依 野地慎 朝倉智也 土屋剛俊 
(お知らせ)
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テレ東広告の告知。

モーサテサーベイ
今週末の日経平均予想

7月11日~13日、インターネット経由で番組出演者39人に調査を実施。今週末の日経平均予想の予想中央値は39200円(先週終値39569円)。野村アセットマネジメント・石黒英之の予想は38800円、「参院選を前にポジション調整の売りが優勢になる」とみている。三井住友DSアセットマネジメント・市川雅浩は 39400円と予想。「トランプ関税への懸念から上値の重い展開」とみる。

今週末のドル円予想

今週末のドル円相場予想の予想中央値は147.00円(先週終値147.41円)。あおぞら銀行・諸我晃の予想は147円、「日米競技での円安是正観測もあり上値除々に重く」とみている。

日米の関税交渉は8月1日までに進展するのか?

日米の関税交渉は8月1日までに進展するか?について「進展する」17.9%、「進展しない」53.8%、「期限の再延長」28.2%。大和総研・矢作大祐は「進展しない」と回答、「参院選がある中で政治的な決断が難しい」とする。

プロの眼
資産運用のパラダイムシフト

SBIグローバルアセットマネジメント・朝倉智也の解説。従来の資産運用は株式と債券の組み合わせでポートフォリオを構築していた。これは株と債権の逆相関が前提だった。ITバブル崩壊やリーマンショックの際は株が下がったが債券価格は上昇した。この前提が崩れつつある。4月にトランプ大統領が相互関税を発表後、S&P500が下がりアメリカ10年債金利は上昇し債券価格が下落した。これまでは株のリスクヘッジとして債権を使われてきたが機能不全に陥っている。リーマンショックからコロナショックまでの間に世界の政府は相当な金融緩和や量的緩和したため政府の債務が拡大した。アメリカの政府債務は37兆ドル(戦後最高水準)。トランプ大統領の「大きくて美しい法案」により更に財政が悪化すると言われている。2055年12月には政府債務は54兆ドル、対GDP比156%と予想されている(アメリカ財務省の試算)。年初からアメリカのドルが下がっており、50年ぶりの半年の安値となっている。ムーディーズがアメリカの債権の格付けを下げた。アメリカドルの信任が低下するというリスクがある。債権が安全資産として機能しなくなる可能性がある。

朝倉の注目する資産運用のパラダイムシフトは「金」「ビットコイン」。金は供給量の制約があり価値を保つ資産。中国、ロシアを中心に世界の中央銀行が金を勝っている。世界の中央銀行により近保有残高グラフによると、この10年で3倍に増加している。世界の外貨準備高の構成比は1位・ドル、2位・ユーロ、3位・金だったが、金がユーロを超え、米ドルへの依存を減らしている。ビットコインも上限が決まっているため金よりも希少価値があると言われている。暗号資産の市場規模は約500兆円、米国暗号資産ETFの運用残高も20兆円規模に育っている。日本の暗号資産の市場規模も広がってきている。日本政府も暗号資産を国民の資産形成に資する金融消費と位置づけた。今後、税制改正やETF解禁が検討されるだろう。年初来の価格推移(金、ビットコイン、S&P500、TOPIX)、過去5年間の運用パフォーマンスの比較について解説。

グローバルアウトルック
減税論で揺らぐ超長期債

フジワラキャピタル・土屋剛俊の解説。日本の超長期債(30年債利回り、20年債利回り)が動き出した。ショックが起きないかが心配。2022年、イギリス・トラス首相が「減税」について発言したことで市場が暴れ、首相は就任44日で辞任を余儀なくされた(トラスショック)。アメリカですら債券市場が財政リスクに反応し始めている。日本の債券市場は、日銀の大量購入などで市場機能は歪められてきた。このところ、日銀が正常化に舵を切っているため財政リスク懸念が浮き彫りになっている。著名投資家・ウォーレン・バフェット氏の格言「潮が引いた時に初めて誰が裸で泳いでいたかわかる」を紹介(相場の下落局面こそ正しい投資をしていたかどうか分かるとの意味)。

中国 罰金規則撤廃 少子化懸念が後押し

注目のテーマ「中国 少子化対策で罰金規則撤廃」(日経電子版)。中国の人口問題が深刻。中国の人口推移グラフによると、ピークは2007年。人口が減少、高齢化も急速に進んでいる。中国は女性より男性が3000万人も多いというバランスの悪さもあり少子化に拍車をかけている。これまで未婚女性の子どもには出生登録、学校や医療へのアクセスが制限されており、それが嫌ならば年収1年分の罰金を払う制度があった。この罰金規制が撤廃された。「トゥキュディデスの罠」に陥る可能性が高まっている。第一期クリントン政権での制作担当国防次官として対ロシア政策を担当していたアメリカ政治学者・グレアム・アリソン氏がつくった造語。2015年にオバマ大統領が米中首脳会談で南シナ海などで急速な軍拡を進める中国・習近平国家主席との話で用いた。従来の覇権国家と台頭する新興国家が戦争が不可避な状態にまで衝突する現象のこと。日本の少子化は深刻、人口のピークは2008年。

AIに仕事を奪われる?

注目のテーマ「AIがウォール街の仕事を奪う?」(マーケットウォッチ)。投資銀行の若手の仕事はM&Aの膨大な資料を用意するなど。これが経験や知識となり若手は成長するが現在、この仕事は全てAIが行うためベテラン以外は必要なくなってくる。BYDの工場にはロボットばかりで従業員が少ない。一部の経営陣が高給を得ている。ITでも同様な事態となっており、マイクロソフトでも大量解雇している。一流大学の博士課程出身者も就職先がなかなか見つからない状況。AIを使用するには猛烈な電力が必要なことも問題、エネルギー問題に直結すると言われている。アメリカの電力需要(2023年比)によると、2030年+25%、2050年+78%(ジェフリーズ投資銀行)。世界のエアコン台数は2050年までに2倍以上に増加する(IEAによる推計)。これは再生可能エネルギーではまかないきれず、化石燃料を増やす、原発増設などが必要となる。SBIグローバルアセットマネジメント・朝倉智也は「次世代のエネルギーは核融合。グーグルが核融合システムを買収した。電力確保が重要」と指摘。

中国 ラブブのフィギュア 2200万円で落札

中国発のキャラクター「ラブブ」のフィギュアが2200万円で落札された。創業者の資産は既に3兆円超、中国の富豪ランキングトップ10入りしたという。

マーケット・シグナル
小売り決算 節約時代のカギは集客?/集客力から考えるセブン復活の課題

マーケット担当の長江記者が企業の今後を先読みする。先週までにイオンを除く小売りや外食を中心とした2月期や8月期企業の決算発表があった。きょうのテーマは「節約時代のカギは集客力。そこから見るセブン復活の課題は?」。主な小売り企業の2026年2月期1Q決算を紹介。セブン&アイHDは3年ぶりの増益となった。イトーヨカドーの店舗資産売却に伴う売却益の計上効果が大きい。同じように特別利益の計上効果で大きく増益となったのはウエルシアHD。スギHDはドラッグストアの新規出店を増やし業績を拡大するなどで上方修正を発表した。主な小売り・外食企業の2025年8月期3Q決算を紹介。4社全てがこの期間としての過去最高益を更新した。無印良品を運営する良品計画は、スキンケア商品を中心に販売が好調。サイゼリヤは原材料高騰の影響があったが、客数の増加による売上高の拡大でカバー。ユニクロを運営するファーストリテイリングも決算の数字は良かったが市場が懸念したのは来期の業績。アメリカの関税の影響についてファーストリテイリング・岡崎CFOは、「次の秋冬シーズンからかなり関税の影響を受ける」と明かした。決算発表翌日の株価は前日比6.9%下落した。小売り・外食の3-5月の既存店増減率データを見ると、各社の競争力に差があることが分かる。ファーストリテイリング、良品計画、サイゼリヤ、ハイデイ日高は客数が大きく増加しているという。節約志向が高まると消費者も行くお店を厳選するようになるため、集客力の重要性が高まる。セブン&アイHDはローソンやファミリーマートと比べ左下の位置にいる。セブン&アイHDの営業利益の内訳を紹介。営業利益の大半を占める国内コンビニエンスストア事業は減益。収益を下支えしたのは海外コンビニエンスストアやスーパーストア事業。セブン&アイHDの国内コンビニエンスストア事業の利益の推移と客数の増減率を紹介。全体的なトレンドとしては低下傾向にある。6月の客数は1%のプラスとなった。これは6月11日~14日の間におにぎりと寿司を大将にしたセールを実施したことが大きく関係している。市場関係者は「国内の落ち込みは止まったが粗利にはマイナスに作用していて全体として回復する感じがしない」と指摘した。セブン&アイHD・丸山CFOはクシュタールとの協議について、「どのような案が提示されるのかを待っている。当社は独自の戦略を進めている」などと話した。8月にはスティーブン・デイカス社長が事業戦略などを説明する機会を設けると発表した。長江記者は「市場や消費者が魅力的に思うような内容を発表できるかどうか、ここがセブン&アイHDにとっての正念場となりそう」などとコメントした。

(ニュース)
天気予報

全国の天気予報を伝えた。

存在感増す中国をけん制

アメリカとオーストラリアが主導する合同軍事演習「タリスマン・セーバー」には、日本を含む19カ国、過去最多の約4万人が参加する。タリスマン・セーバーは2年に1度実施され、今年はオーストラリアやパプアニューギニアでも演習を実施する。来月上旬まで水陸両用作戦の訓練やミサイルの試射などを行う。インド太平洋で軍事的動きを活発化させている中国をけん制する狙いがあるとみられる。

日本政府に反論

中国国防省はきのう、中国軍機が東シナ海上空で自衛隊機に接近したことをめぐり、正当だとする報道間談話を発表した。中国国防省の報道官が発表した談話によると、日本側が「中国の防空識別圏に何度も入り中国軍機に接近し偵察している」とした上で、中国軍機による追跡や監視は「正当で合理的な行動だ」と主張した。9日と10日に中国軍機が自衛隊機に異常接近したことに対し日本政府は再発防止を求めていた。

米 関税収入が過去最高

アメリカの6月の財政収支は赤字になるとの市場予想に対し、270億1000万ドルの黒字となった。トランプ政権による高い関税で、関税による収入が1年前から約4倍の271億5500万ドルと過去最高になったことが寄与した。

EUとメキシコに関税30%

トランプ大統領は12日、EUとメキシコに対し8月1日から30%の関税を課すと表明した。自身のSNSでそれぞれに宛てた書簡を公表し、課税の理由について、EUは貿易赤字の大きさを、メキシコに対しては違法薬物流入をあげた。アメリカはこれまでEUに20%の相互関税を提示していたほか、メキシコには薬物流入を理由にすでに25%の関税を課している。

日本に台湾有事“関与”要求

アメリカ国防総省が台湾有事で米中の軍事衝突が起きた場合の対応について、日本とオーストラリアに役割を明確化するよう要求しているとイギリスのフィナンシャル・タイムズが12日に報じた。報道によるとアメリカ国防総省ナンバー3のコルビー政策担当次官が要請したもので、同盟国の関与で中国への抑止力を強める狙いがあるとみられる。

(エンディング)
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株式先物

現在の株式先物を紹介した。

きょうのポイント

出演者がEUとアメリカの交渉を受けた今週のマーケットについて話した。30%という高い関税は為替市場からするとアメリカの強硬姿勢でEUと中国、中国と日本というところで対米包囲網のような形で自由貿易を推進する話が出てくるかもしれない。そうなるとアメリカが孤立、決済通貨としてドル以外のユーロや人民元のシェアが上がるという思惑から、ドルの基軸体制の揺らぎへの心配が懸念される。今週はドルの動きに注目。中国の和牛輸出再開に向けた動きはあるが、いつ対応を変えるか難しい局面。不確実性の時代で、市場は利下げをすることにより金利も下がると言われているが、利下げ=金利が下がるとは限らないのも”不確実性”。

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