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東京・上野には朝9時の開店前から行列の絶えないラーメン店「らーめん 鴨to葱」がある。客の目当ては「鴨らーめん」。スープもチャーシューも鴨を使った贅沢な一杯。使うのは毎朝届く新鮮な国産の鴨肉で、スープは鴨30羽分のガラを使い6時間かけてじっくりと旨味を引き出している。東京・神楽坂にある「鴨匠」の看板メニューは鴨しゃぶ。鴨の脂は体に蓄積されにくいヘルシーな肉として注目されている。
東京大手町のCYCLEのヘッドシェフを務める宮本さんは2019年世界のベストレストラン50の第1位を獲得したMirazurでシェフを務めたあとこの店を任された。宮本さんが大好きな食材は鴨肉でフランス産が最高峰と呼ばれている。その中でもきめ細やかな肉質と濃厚な旨味がある愛知県豊橋市の鴨肉が気に入っている。
宮本さんが鳥市精肉店鴨農場、リーダーの岡本さんを訪ねた。1羽あたりの面積がJAS規格で定める基準の10倍以上の面積がある。地面にはスギやマツでつくられたチップが敷き詰められている。これが体の負担を和らげている。これで鴨が快適に過ごせる環境を保っている。気温が高いときは水浴びもさせている。特にヒナに近づく姿勢に気をつけている。体勢を低くしてヒナの恐怖心をなくすようにしている。飼育期間は60日で、レストランには毎日約70羽を出荷している。
岡本さんはメインディッシュの鴨のローストを使っている北青山のレストラン・HONDAに納品後の状態確認のため訪問していた。シェフの本多さんは到着後さらに1週間くらい熟成させており、十分美味しいと返事した。さらに生産者と直接話せるから意見をすぐに言えると話した。岡本さんは以前20代で東京の出版社に勤務していた。その後2019年に地元・豊橋市の精肉店に転職。当時精肉店では鴨肉の売れ行きが伸び悩んでいた。そこで岡本さんは試食用の肉を持参し東京のレストランへ営業した。ところが試食後「硬い、味が薄い」という回答が多かった。
美味しい鴨に育てるため飼育場にも携わった。その時取引先から「鴨肉の向きが間違っている」とクレームがあった。岡本さんは胸を下にした状態で納品していた。納品したものは旨を下にしていたため、胸を上に向けるものと指摘。それから鴨への負担を少なくする方法としてヒナの運び方など工夫した。それで鴨たちのストレスがすごく減った。その後東京丸の内SEZANNEといった有名レストランでも使用されるようになった。フランスに負けない鴨を育てると岡本さんは話していた。宮本さんは鴨の新たなメニューのため農場を訪れた。岡本さんは食材をより深く知るため、若きフレンチの匠と三河の鴨とコラボし、新作の鴨フレンチが誕生する。
オープニング映像。
宮本悠平は鴨農場を訪れた。まず最初に鴨の餌をチェック。飲水は天然の地下水とミネラルを配合。宮本は店に戻り新作料理に挑んだ。テーマは「鴨の生命力」。まずはベースとなる鴨のジュースを作った。もも肉は岩塩やタイムなどに半日漬け込み、低温のひまわり油で3時間煮込む。皮目を焼き上げ一口大に切る。切ったもも肉をキノコや銀杏と合わせる。
新作の「鴨もも肉のコンフィと香茸の煮込み」が完成。試食に招いたのは鴨を育てた岡本恵さん。岡本恵さんは「もものイメージを覆す」などと話した。次はメインディッシュ。きめ細かな肉質をいかすため1羽丸ごと鉄鍋で3時間、じっくり火を通す。
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- 鴨もも肉のコンフィと香茸の煮込み
メインディッシュは「鴨の丸焼きとイチジク」。岡本恵さんは「香りが良くてお肉も柔らかい。感動です」などと話した。
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- 鴨の丸焼きとイチジク
エンディング映像。
食彩の王国の次回予告。