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神奈川県横須賀市はカワハギの聖地と呼ばれている。人気の秘密は肝。身も白身の最高峰と言われるほど。寿司店でも旬のカワハギは極上のネタ。一気に皮を剥ぎやすいのでカワハギ、身ぐるみはがせることからバクチウオとも呼ばれ親しまれてきた。西洋料理の世界では、旬の素材を生かす日高良実シェフのカワハギイタリアン。叩いた肝を身と合わせ、イタリアの魚醤でコクを出す。トマトやエシャロットと細めのパスタに絡めれば、クリーミーな肝とトマトの酸味が相性抜群。日高シェフの冬の定番は、セロリなどの香味野菜とカワハギの身、ブイヨンでイタリア米を炊き込む。白身の食感を楽しむリゾット。
カワハギは日本各地でとれるが、相模湾のものはいち早く旬を迎え高値で取引される。長井漁港のカワハギ漁師の中で最年少ながら一目置かれている仲地慶祐さん。漁場は港から10分程。カワハギ料は刺し網や定置網などが一般的だが、釣り竿で釣るという。釣りで獲った魚はダメージやストレスが少なくすみ、ストレスがないきれいな状態で獲ってきた魚は味もいいからだという。カワハギは釣るのが特に難しいという。理由は泳ぎ方。ヒレを使って水中に止まることも、後ろに進むこともできる。エサを少しずつ食べてしまうので針にかかりにくいという。仲地さんの漁の極意は、正確なポイント選び。夏場などに行う素潜り漁で、相模湾の複雑な海底を実際に見てカワハギが好む場所を熟知している。むやみに沢山獲らず、釣り上げた1匹を大切に扱い価値を高める。仲地さんのカワハギは、都内だけでなく関西などの有名レストランからも引き合いが耐えない。最高の鮮度で届けたいと、近場の店には自ら運ぶ。連日満席になるという和食店「友酒家」。極上のカワハギを煮魚に。美味しく煮上げるワザは、肝は流水でよく洗い、煮崩れを防ぐため身の中に戻す。仲地さんの出身は大阪。釣り好きが高じて漁師に憧れ、東京の海洋生物学を専攻。IT企業に就職するも、夢が捨てきれず23歳の時しらす漁の体験乗船に応募。しらす漁船で6年修行を積み自分の船を持った。始めは刺し網漁をしていたが、腰を痛め原点の釣りに立ち返った。独り立ちして4年、今や先輩漁師も認める達人。
極上のカワハギを求め料理人た仲地さんの元へやってきた。代官山でフレンチレストランを営む相原シェフは、フランス・ブルターニュやスイスなどで修行。魚介が主役のフレンチ。とりわけ、熟成させた魚で生み出す独創的な料理で美食家たちを唸らせている。仲地さんのカワハギに新たな料理のヒントを見つけたいと、カワハギ漁を初体験。
オープニング映像。
相原シェフがカワハギ釣りに初挑戦。苦戦する中、38投目でようやくゲットした。釣りを終えて港に戻ると、仲地さんは釣ったカワハギの神経締めを行った。神経締めをすると魚の色が白くなるという。さらに仲地さんは血抜きも行った。このカワハギを使って相原シェフはカワハギフレンチの調理に取りかかる。新鮮なカワハギの肝を湯がき、マッシュルームやエシャロットなどと合わせ、生クリームなどを加えてひと煮立ちさせる。それをミキサーにかけて裏ごししたブルーチーズと合わせてソースにする。メインは熟成させたカワハギの身。
熟成させたカワハギの身を肝とブルーチーズのソースと合わせ、オリーブオイルで和えたアーモンドなどに重ねる。最後にマッシュルームを飾れば完成。試食した仲地さんは「ナッツとオリーブオイルがカワハギに合う」などと感想を述べた。次は新鮮なカワハギの身に溶かしバターを塗り、軽く炙ってパンに乗せた料理。
エンディング映像。
次回予告。