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衆議院決算行政監視委員会質疑の様子を伝えると紹介された。
岸田総理と関係閣僚が出席し、令和2・3・4年度の決算について締めくくり総括質疑が行われる。決算行政監視委員長は小川淳也氏。質疑に立つのは自由民主党の小林史明氏・田中英之氏、公明党の福重隆浩氏、立憲民主党の野田佳彦氏・青柳陽一郎氏・井坂信彦氏・谷田川元氏・小宮山泰子氏。日本維新の会・教育無償化を実現する会の藤田文武氏・杉本和巳氏。れいわ新選組の櫛渕万里氏。通常国会は今月23日の会期末まで1週間を切っているが、自民党は明後日にも政治資金規正法の改正案を提出したい考え。対する立憲民主党は自民党の法案は不十分として内閣不信任決議案の提出を検討している。
自由民主党・無所属の会の小林史明氏による質疑。デフレからの脱却や長年の課題であった少子化対策に着手する環境とともに、出産や転職・設備投資などの動きと違って人口減少を受けて消極的な考えも聞かれるのが現状であり、人口減少に対する不安払拭が社会を変えることに繋がると言及。問題を巡っては行先もわからないのが現状としている。2060年には人口は人口が8600万人ほどまで減少することが予想される中、建設・物流・介護など様々な業界で人手不足が懸念されるのが現状としている。その一方で顔を合わせる・資格者の常駐などアナログ規制は4万の条項のうち約1万をすべて緩和することを政府は決定し、身近な地域の堤防の点検をドローンで行うなどすることができ、2年で1万件という従来の年に50~100件という規制緩和よりも大きな規制緩和を進めることも可能としている。小林氏は水道事業を巡っては現在は自治体の仕事となっているが、人口減少時代に入り職員の不足も課題となっていると紹介。その一方で厚生労働省から国交省に管轄が移管される中で40年という耐用年数を超えた水道管も20%を超えているのが現状があることから根本的に対策を考える必要があると言及。国交省の担当者は水道事業を持続可能とするためには計画的な更新が求められるが、資産管理に向けた規定を創設し手引を作成するなどし、将来にわたって水道水を供給するために長期的な収支の見通しを作成することについて努力任務を規定するとともに適切な見直しも進めている。AI等デジタル技術についての導入促進にも取り組んでいるとしている。小林氏は水道情報活用システムを厚労省・経産省・IPAが共同開発したこともあったが、これが全体に普及すれば年間で運営費が1100億円ほど削減可能との資産もあるとして普及率を質問。国交省の担当者は約70団体に限られていると回答。小林氏は自治体の事業が1300ほどあるのに対して70ほどしか無く交付金・補助金を出してもこの数字なのが現状であり、今後はデジタル庁を創設してシステム共通化を推進したように動く必要があるのではないかと言及。今後は水道も電力と同様に10ブロックに再編し共通化を目指すことや、国交省が上下水道すべての管轄となる中で下水道も合わせて対応すること、自治体と国の仕事の垣根を取り払って再編を進めることが求められると提案。岸田総理はあすの日本は今日より良くなると政治が示すためにエネルギー改革や子ども子育て政策に取り組んできたが、水道事業については持続可能なものであるとの観点から共同化を推進してきたが、人口減少が進む状況に対処するために行政コストの削減の発想の中で取り組みを進めるだけでなく、革新が不可欠という問題意識を示したが、政府においても上下水道の一体的な取り組みや官民連携によるDXなどを進めるとしている。また、デジタル行財政改革の中での具体的な取り組みとして全国を10に分けるのかといった所については議論を進めていきたいとしている。
自由民主党・田中英之の関連質問。「デフレ脱却について。この30数年間続いてきた。賃金の上昇は大企業は行えるが、個人事業主や小規模事業者たちは価格転嫁等がないと難しい。完全なるデフレ脱却に向けての強い決意をお伺いしたい」などと言った。岸田は「賃上げなど前向きな兆しが出てきている。しかし物価上昇には追いついていない。春季労使交渉からの力強い賃上げと、所得税減税の実施で物価上昇を上回る所得を確実に実現したいと考えている。こうした流れを中小企業や地方に広げ、持続させる必要がある。そこで省力化支援や価格転嫁など、あらゆる政策を総動員して賃上げの流れを後押しして、来年以降物価上昇を上回る賃上げを定着させる」などと話した。
田中は「生活支援について。状況によっては継続も必要だと考える。給付金や定額減税に関しても。電気やガスなど6月までは補助金が出るが、以降は出ない。デフレ脱却のために臨機応変に生活支援の継続を考えてはどうか」などと質問。岸田は「デフレ脱却の正念場と考えていて、後戻りすることを避けなければならないと考えている。定額減税で所得の増加を実感してもらい消費マインドを喚起し、次の賃上げに繋げたい。賃上げ促進や価格転嫁、また指摘された物価高騰に対しての的確な支援などの政策も総合的に講じていきたい」などとした。田中は「財源について。災害復興や子育て支援などの政策を進めていくうえでも財源が必要。デフレ脱却のため積極的な財政運営が必要だと思うがどうか」などと質問すると、岸田は「経済あっての財政だと考えている。経済立て直し、財政健全化に取り組む。そのために生産性向上とともに官民連携での投資の推進によって成長力の強化に取り組む。自民党財政政策検討本部、財政健全化推進本部からもらった提言を踏まえ、政府として骨太の原案を示しているところ」などと答えた。
田中は「能登半島地震から5か月、1日も早い復旧復興にも国土強靭化の取組が重要。安心して暮らしていけるふるさとを作っていくために、国土強靭化に大きな期待をしている。国土強靭化の5カ年計画の最終年を迎えるが、切れ目なく国土強靭化を進めていくためにも、この中期計画を早期に策定するべきだ。資材価格が3年間で16%ほど上昇している。それを考慮し、5カ年計画の4年目の予算でも3000億の措置がされてきた。今の予算規模では事業数が減ってしまう。また自然災害が起きた時、同規模の事業数が出来るように維持する必要がある」などと話した。岸田は「改正国土強靱化基本法によって令和7年度までの5カ年対策後も、中長期的な施策と事業規模を持って進めていく公的な枠組みが創設された。また、これまでもコスト高騰の中で工夫によって5カ年対策において想定する事業量を確保してきた。今後も必要な事業量の確保は行っていく」などと話した。
公明党・福重委員は地方創生について「依然として東京一極集中が課題として残る中で、総理の地方創生への思いを聞きたい」、「現在政府は就活時の交通費・移転補費の補助を導入することを決定しているが、現状地方自治体や大学への周知広報や自治体からの申請規模はどのくらいか聞きたい」など質問し、岸田総理は「進学・就職をきっかけにした人口流出が続いていることは承知していて、地方の魅力を高めて子育てしやすい環境を整えるため国内投資を通じた地方の雇用創出や地方教育機関の魅力向上などを総合的に進めていきたい」など答えた。また内閣府関係者は「現在東京都内に本部を置く大学や受け入れ側の地方公共団体などへ文部科学省と連携して漫画を活用した周知ポスターを配るなどして広報している」、「現在540市町村が新たに申請をしていて、現在第2回申請の取りまとめを行っているためさらなる上積みが期待できる」など答えた。
福重委員は災害対応について「能登半島地震を踏まえてDWAT(災害派遣福祉チーム)による福祉避難所の開設が今回の災害では非常に有効で、こうした中DWATなど専門的なチームの人材確保に向けた人件費の国庫補助の不十分という声について政府の所見を聞きたい」など質問し、厚生労働省関係者は「厚生労働省ではDWATの研修・訓練などを行っていて、令和6年度では人材育成のための予算を前年度の2倍となる2億円を確保していることに加えて今後福祉的な対応強化について検討を進めていく」など答えた。
福重委員は防災教育について「東日本大震災での教訓を踏まえ平時からの防災教育による被害軽減の有効性が大きいことは周知の事実で、こうしたことを踏まえた全国の小中学校の防災教育の現状について答弁を求めたい」、「今年発生した台湾東部で発生した大規模地震では行政と民間団体・企業の連携による迅速な避難所の体制を整えるなど初動の早さが注目されていて、日本に置いても民間団体と協定を結んだり人材を育成するなど平時からの取り組みの必要性について政府の見解を知りたい」など質問し、文部科学省関係者は「各学校では学習指導要領に基づいて社会科や理科などの科目での特別授業で防災教育を行っていると承知していて、地域による温度差をなくすため文部科学省では毎年度教職員を対象としたセミナーや実践的な防災教育資料を作成するなどして実践的な防災教育を推進している」など答えた。また内閣府関係者は「内閣府では専門性を持つNPOや企業など多様な担い手が災害支援を有効に実施できる体制を整備していて、避難所運営におけるスタッフの研修をNPO主体で平時から実施したり炊き出し食材の国庫補助などを行っている」、「ボランティアの自主性に対して国庫補助が適切かどうかも引き続き議論していく必要がある」など答えた。
野田佳彦議員の質疑。政治とカネの問題について、政治資金規正法の自民改正案の提出が遅かったことが議論を妨げたなどと指摘。岸田総理はまず自民党内で党則改正や実態調査などやるべきことを行い、その上で国会開会後に各党から示された意見・要望をできる限り反映しようと努力した結果、提出時期が遅くなったなどと述べた。野田氏は改正案の内容には企業・団体献金や政策活動費の議論が抜けているとし、これは総理の問題を矮小化させようとする姿勢の表れなどと追及。岸田総理は法案の実効性を高めるという観点に立ち、各政党の実情等も踏まえて検討を行ったとして、問題を矮小化させているという指摘は適当ではないなどと述べた。野田氏は現状の政治資金規正法では政治家の特権が担保されすぎているなどと指摘し、抜本的な改革が必要だと訴えて総理の見解を尋ねた。岸田総理は今回は重要な論点に絞って議論を行い、そこに該当する部分に関して法改正を行ったとし、今後も適宜議論を行っていくなどと述べた。
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政治資金パーティーについて。野田氏はパーティー券の公開基準を20万円超から5万円超に引き下げたところで透明性は変わらないと主張。結局様々な手段で匿名性を確保しようとするのではないかとし、だからこそ改革のメスを入れるべきなどと述べた。これに岸田総理はパーティーの回数を大幅に増やすことは現実的ではないとし、公開基準の引き下げで透明性は今より担保されるとの認識を述べた。野田氏は時の最高権力者である総理大臣が政治資金パーティーを開催することは権力にあぐらをかくことだなどと指摘し、任意団体によるパーティーも禁止するよう総理に進言した。岸田総理は任意団体が開催したパーティーは政治資金パーティーではないと断言した上で、今後は疑念を抱かれるようなパーティー等は開催しないよう注意するなどと述べた。野田氏は政治資金規正法や公職選挙法などの議論は当面のライバルである野党第一党と行うべきと主張。連立与党や一部の野党だけを巻き込んで議論を完結させるのは邪道だとしてこれを前例にしてはならないと述べた。岸田総理は「特定の政党を議論から外すようなことはしていない。ただ立憲民主党とは建設的な議論になる見通しがつかなかったので党首討論は見送りとさせていただいた」などと述べた。
立憲民主党・無所属の井坂信彦氏による質疑。政策活動費を巡っては、自民党の幹事長に毎年10億円という大金が領収書無しで支給されていて、5年で裏金のようなものが50億円分受け取るようなものではないかと指摘。立憲民主党が自民党の裏金事件が起きる前から政策活動費の支出を止めたのに対し、自民党は政策活動費を守るとともに10年後に公開することで合法としようとしていると主張。脱税の時効が7年となるのに対し、政策活動費の領収書公開は10年後となることが問題点と指摘している。岸田総理は国会の中でも議論は行われてきたが、個人のプライバシーや企業団体の営業秘密などが諸外国に明らかになる恐れがあるためと説明し、信頼確保の観点はあるとしている。また、政策活動費を巡っては毎年収支報告の中で目的・規模の報告を盛り込み説得力のあるものにするために10年後に公開する方針としたとしている。井坂氏は10年間非公開となる場合時効で国税も対応することはできず、脱税を保護する形となってしまっていると指摘。10年後には半数の議員がいなくなることで政治責任も問えない形となるとしている。さらに、この法改正では幹事長が議員に政策活動費を渡した内容は確認できるものの、政策活動費を渡された議員の使ったものの内容については公開されないのではないかと指摘。岸田総理は10年後の領収書公開は各党各会派で検討されるとしている。井坂氏はパーティー券の裏金問題が政策活動費に飛び火した背景には、問題の議員が政策活動費と認識していたと説明していたことが背景にあり、政策活動費を受け取った議員が領収書を公開しないことに繋がることから議員の政策活動費の公開も必要と言及している。岸田総理は現状の法律に基づいているものであり、信頼・透明性の向上のために改正は議論されている、指摘された領収書のルールについては今後各党各会派で検討されると言及している。井坂氏は裏金事件の2年前には自民党幹事長だから全国の議員を選挙で当選させるのが一番の仕事だと当時の幹事長が話す様子が見られると紹介し、領収書無しでは適正に使われるとは思われないと改めて指摘した。
井坂氏は先週の参議院決算委員会では立憲民主党の企業・団体献金を巡る質問について、岸田総理は禁止するのではなく透明性を高めることで信頼を高めると説明したが、自民党の改正案には企業献金を巡る言及はみられないと言及。岸田総理は透明性の確保に向けて具体的に記録を可能とし外部監査も受けるだけでなく政治資金の保管も現金管理を排除するだけでなく、収支報告のオンライン提出やインターネットでの公表の義務化といった環境整備を行い、代表者の会計責任者を監督する責務を規定することでも政治家の責任を強化していると言及。井坂氏はデジタル化で検証しやすくするとしているが、寄付者の一覧の記載が廃止されれば透明性は悪化するのではないか、収支報告書の寄付者の一覧表は公開し続けることが求められると言及。岸田総理は収支報告書のオンライン化や公表義務は国民であれば誰でも内容を確認することが出来るようになると説明。井坂氏はパーティー券については5万円でも回数を重ねればこれまでと一緒になるのが現状であり、企業献金と同じように今後も年間で5万円にすべきではないかと意見し、改めて政治資金の公開を時効の7年を超える10年という期間秘密にされることについて批判した。
立憲民主党・無所属の谷田川元の質問。地方創生と少子化問題について。地方創生の報告書について「地方が厳しい状況になることを重く受け止める必要がある」としており、地方創生が上手く行っていない分析ができてないと思うのではと聞いた。岸田総理は若い世代が地方の魅力を感じられるような働き場や学び場を創出し、子育てしやすい環境を作るのがポイントではないかとし、分析については2022~2024年度の検証については2023~2027年度のデジタル田園都市国家構想総合戦略に引き継がれ新たなKPIが追加したところで、これらの達成状況については2025年度中に改めて検証を行うと答えた。谷田川元は合計特殊出生率について東京都が0.99と話題になったが、5年間で千葉県北東部の成田~銚子の5市4町のうち2市3町が1.0を割っており、小中学校の統廃合が進み小中学校がなくなったところは人が住まなくなるとし、子育て支援金を創設する法案が通ったが社会保険料に上乗せして徴収するが実質負担はゼロと言っているが誰も信じず、歳出改革を徹底し国民の負担を少なくした方が素直な説明でいいのではと聞いた。岸田総理は歳出改革によって財源を捻出しても精神論だけでは国民は納得できず、今回具体的なメルクマールを用意しなければならず社会保障負担率を用意して歳出改革によって社会保障負担率の軽減効果を生じさせその範囲内で支援金制度を作り、支援金を導入しても社会保障負担率は上がらないということを確認しながら政策を進めていくことで財源を歳出改革に求めることをより国民に示すことが大事とし、支援金制度により子ども子育て世帯においては給付の充実につながり、児童手当、子ども子育て通園制度、高等教育の充実等含め子ども1人あたり平均146万円の給付の充実が可能になるとし、支援金の在り方と給付によってどれだけ充実するかを説明することで国民の理解を得るのが重要と答えた。谷田川元は2022年4月から25ヶ月連続実質賃金が低下しており、国民は総理の説明が信用できないと聞いた。岸田総理は賃金が物価高騰に追いついていない状況が続いているとし、今年の年初の内閣府の見通しや民間のエコノミストの見通しを見ても、物価高騰については今年度後半に向けて収束が予想されており、今年の春闘において33年ぶりの賃上げのうねりが示され、中小企業に広げる努力が行われており、来年に向け物価に負けない賃上げを持続させるためにも6月に定額減税等を用意し、賃上げ税制や価格転嫁、省力化支援など様々な政策を総動員することで物価に負けない所得を維持し来年につなげていく取り組みを進めているとした。
立憲民主党・無所属の谷田川元の質問。給食費の無償化について、給食費無償化法案は維新とともに去年3月29日に提出しており、公立小学校で年間4万9247円、公立中学校で5万6331円の額を無償にしようという内容で、我が党の質問に対し総理は6月までに実態調査をやり結論を出したいと言っておりペーパーも拝見したが、4割の自治体がなんらかの形で無償化をやっているとし、地域ごとに無償化のあるないは国民は納得いかないと思うので国が無償化をすべきではと聞いた。岸田総理は子ども子育て政策として3.6兆円の予算を用意して経済的支援強化を盛り込んでいるところだが、子ども子育て政策としても学校給食の在りようは考えなければならないとし、環境や質の問題とのバランスも考えなければならず、その中で学校給食はどうあるべきか考えていかなければならないと答えた。谷田川元は異次元の少子化対策はスピードも大事とし、調査の予算は5000億円で民主党政権下の高校無償化の予算は税収が40兆円の中で約4000億円で、2022年度の国の税収は71.1兆円と過去最高で、去年も一昨年より増収という見込みで、給食費無償化をやると決断してもらえないか聞いた。岸田総理は学校給食を実施している学校で給食提供を受けていない生徒や各学校における食材費相当の給食費などの調査を行わなければならず一定の期間が必要とし、負担軽減、質や環境の整備のバランスの中で優先順位や額を考えて結論を出したいと答えた。谷田川元は自治体では小学校6年生のみや中学校3年のみなどをやってるところもあり、部分的でも実施する方向で検討していただけないかと聞いた。
立憲民主党・小宮山泰子さんの関連質問。「立憲民主党は誰もが自分の能力を発揮できる環境を作るという経済政策の理念から人から始まる経済再生を昨年まとめた。6月6日に経団連の選択的夫婦別姓制度の導入を求める提言が発表されている。女性の社会活躍を願うならば、名字の問題は個人だけでなく企業にとってのビジネス上のリスクとして提言された。また6月12日に発表された2024年度のジェンダーギャップ指数では日本は昨年より上がったが118位とG7最下位。選択的夫婦別姓が導入されていないことで経済的損失が起きていることに対しての認識が知りたい」などと質問。岸田は「現行の夫婦同性による不利益、旧姓の通称使用によるトラブルはビジネス上のリスクになる重大な課題になるということは承知していて、真摯に受け入れる必要があると認識している」などとした。
小宮山は「女性の96%が結婚時に改姓し、70.6%が選択的夫婦別姓に賛成している。選択的夫婦別姓について1996年に法制審議会も認め、経団連も法制化を提言している。これまで通り検討するのか、進めるのか」などと質問。岸田は「この議論の際にはビジネス上のリスクだけでなく、家族形態の変化や子供への影響など、様々な視点で考慮される必要がある。令和3年の調査では国民の意見は分かれている。夫婦同姓維持が27%、夫婦別姓導入が28.9%。家族のあり方の根幹に関わるため、最高裁決定でも国会で論じられる事柄とされた。建設的な議論をしていくことが重要」などと答えた。小宮山は「立憲ではすでに民法改正案を提出している。法務省も過去に2度法制化の準備をした。議論があるからというが、安全保障法制のときはニ分をしても押し切った。選択ができることが重要。法制化の準備を指示すべきじゃないか」などと言った。岸田は「法案提出には、国民各層の意見や国会での意見など、総合的に注視する必要がある」などと話した。小宮山が「議論が始まり28年が経つ。女性の活躍など様々な不利益がついて回る夫婦同姓を行っているのは日本のみ。国会で審議する場を作るべき」などと言うと、岸田は「この問題は議論の長さが問題ではない。国民理解を大指針にしなければならないので、現時点で我が党の党議拘束のあり方について申し上げることは控える」などとした。
小宮山は「コロナ禍で表面化した文化振興の脆弱さについて。国立科学博物館が目標金額1億円のクラウドファンディングを募った。フリーランスで働く芸術・芸能関係者も増えた。労働慣行や取引慣行の是正を図ることは公正で健全な環境を作ることがクリエイターなどを支援することにもなる。そのためこれまでの慣行当事者とは別の第三者機関での支援策策定が必要」などと言った。公正取引委員会・片桐は「公正取引委員会はクリエイター支援のための取引適正化に向けた実態調査を実施している。中でも音楽・放送番組等の分野における実演家と、プロダクションなどとの取引の実態について調査している。また映画・アニメ分野でも調査を実施予定。調査を踏まえて取引適正化の指針の作成に着手する」などとした。小宮山は「日本の文化支出は各国と比較して少ない。増やすべきではないか」などと質問。岸田は「このデータについては補正が905億円あるのでそれが含まれてない点を指摘したうえで、文化予算は国によって範囲の捉え方が変わっている。経産省・外務省・総務省・国交省など文化関係施策は分散している点も考慮しなければならない」などとした。小宮山は「国立劇場の長引く閉鎖により舞台芸術の危機が進行しているという提言があった」と言うと、盛山は「国立劇場は昭和41年に建設され老朽化している。PFIは2度不調に終わり、再生計画の見直しを行っている。その間実演家等の伝承者を養成する研修などを他の施設において事業を継続している」などとした。
政策活動費の透明化について藤田文武が質問。政策活動費の制度設計に関して、抜け穴を全て防ぐべきだと思うが、総理の考えは。岸田総理が回答。現在の実情や新たな制度の運用状況などを踏まえつつ、制度の詳細について議論を深めていくことは重要。藤田文武が質問。上限額をどうするか、第三者機関の設置、設置後の公開方法などを決めなければならないが、これについて総理の考えは。岸田総理が回答。令和8年1月1日に間に合うよう、制度の詳細について検討協議をしていく。
旧文書交通費について藤田文武が質問。文通費改革について5月31日に党首間の合意をしたが、6月11日に浜田国対委員長は日程的に厳しいとしている。今の総理の受け止めは。岸田総理が回答。私と馬場代表との間で、議論の場で前向きに検討を行い、使途公開と残金返納を義務付ける立法措置を講ずることで合意をしている。自民党としては委員会での議論、衆参議議長の意見なども踏まえつつ、誠心誠意対応していきたい。藤田文武が質問。総理は今国会中に成立せず先送りになってしまったとしても致し方ないという考えか。岸田総理が回答。現在、衆参の委員会において議長の意見も伺いながら取り組みが進められている最中なので、具体的な日程を触れることは控えなければならない。藤田文武が質問。総理は今国会という文書で合意文書を撒いたのではないのか。岸田総理が回答。自民党全体として重たい判断であり、今後のこの問題に対する取り扱いが進められていかなけれならない。藤田文武はが質問。自民党以外に止める人はいないが、日程に合わせないのは誰が止めているのか。岸田総理が回答。合意に基づいて各党と共に、自民党として貢献していきたい。藤田文武が質問。もし成立しないまま終わってしまっても総理は国会を閉じていいと考えているのか。岸田総理が回答。具体て期日などを今申し上げるべきではないと考えている。藤田文武が質問。もう一度、今国会中に文通費をやるんだと意志を示して欲しい。岸田総理が回答。期日等について衆参議長の意見などを聞きながら、自民党としては誠心誠意、合意に基づいて取り組む。